櫻坂46 14th single 「The growing up train」 〜My first impression〜
【1st episode】
Mr.Childrenが既に大ブレイクを果たし、日本を代表するロックバンドになってからの話。
ボーカルの桜井和寿さんは大のサッカー好きということで、サッカー日本代表のメンバーに選ばれていた名波浩選手とも深い親交があった。
ある時、名波さんが櫻井さんに、こんな話をしたという。
サッカーの試合に臨む前にミスチルの曲は聴かないー
当時、ミスチルの大ヒット曲を並べてみると、大半がマイナー調の曲、心の中で自分自身と向き合い、内省するような曲ばかりであった。
それ故、サッカーの戦場に向かう自分を鼓舞するような、活力や元気が湧いてくる曲がないというのが、その理由なのだったそうだ。
日本を代表する、もう一方のロックバンドの雄、サザンオールスターズが、幕の内弁当のように、様々な内容、曲調の歌を取り揃えていたのとは対照的であった。
桜井さんは、この話を聴き、その後、ミスチルとして、また、GAKU-MCさんとのユニット、ウカスカジーとして、まさにサッカー選手にエールを送り、元気付けるような曲をリリースしている。
【2nd episode】
欅坂46はデビューシングル「サイレントマジョリティー」で、当時の女性アイドルグループのデビューシングルとして売上枚数の新記録を記録した。
この上なく幸先の良いスタートである。
しかし、この「サイレントマジョリティー」は、その後、彼女達を苦しめることになる副作用をもたらすこととなる。
笑わないアイドルー
「サイマジョ」のMVは、その歌詞、そのメロディーにフィットするように制作された秀逸な作品だ。
現に、MVの再生回数は、欅坂46、さらには櫻坂46の中で群を抜いて多く、現時点で1億9千万回に達している。
しかし、このMVの中に笑顔はない。
その後の「サイマジョ」のパフォーマンスの披露の際にも、笑顔はなかったものと思う。
自分自身の意思を持ち、自分らしく生きることを歌う「サイマジョ」を、聴き手に届けようと思えば、当然、笑顔を見せられるものではない。
しかし、彼女達は、「笑わないアイドル」というレッテルを貼られることとなり、その後、ずっと、このレッテルが彼女達を縛り、苦しめることとなってしまった。
【the text】
2時間ほど前、2月12日の0時に、櫻坂46の14th single 「The growing up train」のMV、Streamingが解禁された。
櫻坂46が世界へ歩を進めるトリガーのようになった、モンスター級の圧倒的な曲の数々、「Start over!」や「承認欲求」、「自業自得」とは、一線を画するような、爽やかな、疾走感溢れる、青春ソングというのが、僕の第一印象だ。
MVで、メンバーは笑顔を輝かせており、さらには、髪を振り乱し、全力でパフォーマンスするという従来のMVとは違い、メンバー一人一人がエンターテイナーとして、青春ストーリーの主人公として、丁寧に描かれているようにも感じた。
さて、このMVのプレミア公開の際、コメント欄を見ていると、大絶賛する声とともに、批判的なコメントも散見された。
その気持ちもわからないではない。
櫻坂46のメンバーが大好きなBuddies(櫻坂46のファンネーム)には、彼女達が笑顔を見せながら、この爽やかな青春の世界を謳歌する様を歓迎し、彼女達を慮って、良かったねと喜んでいるファンも多いことと思う。
一方で、櫻坂46を唯一無二の存在に押し上げた、モンスターのような巨大さや強さ、不気味さを称える、まさに他者を圧倒するようなスタオバや承認欲求、自業自得といった曲の延長線上にある歌やパフォーマンスを期待していたファンには、きっと、違和感や物足りなさもあったのだろう。
ところで、この14the singleは、恐らく、櫻坂46の記念碑的なアニバーサリーライブとなるであろう、新国立競技場公演の本編のラストを飾る曲になるはずだ。
そして、櫻坂46の表題曲の中では随一ともいえる青春ソングともなるだろう。
僕は本稿の冒頭で、二つ、エピソードを紹介した。
一つ目のエピソードでは、
ミスチルが内省的な曲を主流とする中、サッカーの戦場に向かう選手を鼓舞し、活力を与えるような曲が望まれ、サザンオールスターズのような“幕の内弁当”のようなセットリストを組めるグループへと展開したことを、
二つ目のエピソードでは、
欅坂46のメンバーが、まだまだデビューしたての普通の女の子の感覚を持っている中、思春期の、悲しんだり、悩んだりするだけでなく、青春を謳歌し、楽しみ、笑顔ですごすという、普通の女の子の特性から、楽しみや笑顔を封印されてしまったことに起因する苦悩を、
それぞれ、伝えたつもりだ。
翻って、櫻坂46の14th single 「The growing up train」に視線を移すと、この曲は、櫻坂46のセットリストを“幕の内弁当”に移行させ、幅を広げるものであること、そして、青春の明暗のうちの“明”の部分を前面に出し、普通の女の子と同じく、明暗双方を抱えながら生きていることを示すものになったのではないだろうか。
少なくとも、僕は、櫻坂46の皆さんがこうした歌をパフォーマンスすることを大いに歓迎している。
そして、想像して欲しい。
櫻坂46の皆さんが、新国立競技場という大舞台で、それこそ、これまでのヒット曲、人気曲の数々を全力でパフォーマンスし切った末に、本編ラストソングとして、この曲をパフォーマンスすることを。
春の爽やかな風に吹かれ、この晴れの大舞台を駆け抜け、最後に、満足感をたたえながら、笑顔を輝かせ、この曲を歌い、踊る櫻坂46の皆さんの姿を思うと、僕はこんなにぴったりと嵌まる素敵な曲はないんじゃないかとうれしくなるのだ。
これまでも、どんな曲でも、見事に櫻坂の色に染め、どんなセットリストであっても、しっかりと櫻坂のライブとして昇華させてきたのがチーム櫻坂であり、櫻坂46の皆さんだ。
だから、今、もし、思っていたのと違う、期待外れだと嘆いているBuddiesがいたとしても、大丈夫。
この曲は、必ずや、ライブで、Buddiesの胸を熱くし、ライブ会場を熱狂の渦に巻き込み、会場全体をスウィングさせる、そんな曲になるハズだ。
今、初めて、この曲に触れ、期待感の大きさに、大いに胸をワクワクさせている僕がいます。
Buddiesの皆さん、今は、ただ、新国立競技場に向けて頑張る櫻坂46の皆さんを、これまで同様、さらには、これまで以上に、一丸になって、応援し、盛り上げようじゃありませんか!
ファーストインプレッションとして、本稿を書きましたが、僕自身の中でも、この曲を、パフォーマンスを知れば知るほど、印象も変わるかと思います。
この点、ご理解いただけましたら、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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