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「アリス」と「タンバ」を追いかけていたら昭和の町工場の倒産を知った件

中学2年生(1979年)の頃からですのでかれこれ半世紀弱も、アリスというグループを追いかけています。

1978年12月リリース「チャンピオン」が大ヒット!

と言いつつ、2023年秋に谷村新司さんが亡くなってしまった今となっては、遺された音源や映像を楽しむことと、トリビュートバンドとして若い世代にアリスの音楽を繋げていくことが、往年のファンとしての恩返しかなと勝手に考えています。

3人のアリス最後のライブとなった「ALICE GREAT 50 BEGINNING 2022@ARIAKE ARENA」より

モーリスの2万円のギターを買ってもらった中2の日から大人になるまで、ある時は谷村新司ちんぺいに成りきり、ある時は堀内孝雄べーやんに成りきって弾き語りを楽しんでいましたが、20歳前のある日、左腕に力が入らなくなり精密検査してみたら「平山氏病」という筋萎縮症であることが判明。以来、ギターを弾くことを諦めました。

中学3年生の時に文化祭でアリスを熱唱(テニスウェアで演奏しているのは当時の谷村新司さんのコスプレ)

そして50歳を超えてまたアリスを演奏したい気持ちが再燃し、音楽仲間から薦められたのが「カホン」という打楽器だった、ということは少し前に書いたとおりです。

アリスの楽曲を演奏する為には本当はドラムが叩きたくて、「ヤマハ大人の音楽教室」なんかにも体験入学したのですが、スティックがすっぽ抜けてしまい断念。カホンならば手のひらで叩くだけなのでナントカなるかな?と一縷の望みを託して、「アリスの矢沢透キンチャンが叩くドラムの代わり」として我流でカホンを始めました。

アリストリビュートバンドNOTEにて、谷村新司キャップを被ってカホン演奏する筆者(2025年7月・さんらフェス)

キンチャンという人はギターもピアノも弾けるマルチプレイヤーですが、アリスが売れてからはドラムのイメージが強いもののアリス初期ではコンガやボンゴ等のパーカッショニストでした。コンガもボンゴも持ち運べない時や楽曲によっては「タンバリン」を叩いてリズムパートを務めたこともあります。

1974年2月リリース「ALICE セカンドライブ」ジャケット

そこでいつしかコアなアリスファンの間では、谷村新司モデルや堀内孝雄モデルのギターを買い集めることに飽き足らず、「キンチャンが叩いているタンバリンが欲しい!」となって、全く同じ楽器を探し始めました。
その結果、「御用達」と特定されたのが、和歌山県の野上木工株式会社というメーカーが作る「ヤマヨ」というブランドの「チューナブルタンブリン(25cm/№170)」という製品です。

ヤマヨ(野上木工)のチューナブルタンブリン 品番170(スナイパーさん所有物)
公式サイトより(スティックは教材として使用時)

写真を見て気付くのが、フレーム外周に、タンバリンに付き物のジングルがない!
タンバリンのリン(鈴)がないから「タンバ」だと、アリスファンの間で勝手に呼び始めました。
正式名称の「チューナブル(tunable)」は「革の張りの強さを調整可能である」こと。「タンブリン」は実は「タンバリン」の正しい呼び方で、近年は音楽の教科書も「タンバリン」ではなく「タンブリン」と表記されています。
本来は「教育用楽器」で、野上木工さんのHPには「音楽のリズムはもちろん、新体操・リズム体操・体育競技練習やマスゲームに最適」と書かれていました。

右上に「タンバリン⇒タンブリン」との記載が!

いずれにせよ、品番まで特定できていたので買いたい時にはいつでも買える!
5年来、そう高を括っていたのが間違いの元でした…

今回、仕事で東京出張が決まり、夜に六本木界隈で時間が空きそうでしたので、
「そうだ!タンバを買ってキンチャンの店に持って行って、サインしてもらおう!」と。

矢沢透さんはアリスの活動休止(1981年)後に、実業家として1984年に六本木で「Charcoal Grill AGATHA(阿雅左)」を、2000年には神田神保町に「Guitar Shop Rim Shot」を開業しています。
「阿雅左」は、今や「アリスの矢沢さんのお店」というよりも、「六本木で40年やっている美味しくてお洒落な串焼き屋さん」という評価が定まってきました。
矢沢さんはそこのオーナーとして、レコーディングやライブのある日以外は毎夜お店に顔を出して、往年のアリスファンであったり、アリスには興味のない(もはや知らない)お客様の話し相手をされているのです。

六本木の飲食ビル1階の案内板

かくして、都内宿泊の夜に矢沢オーナーが在店予定であることを確認して予約。
件のタンバは、3日前から Amazon.comでポチれば出発前には到着するだろうと考えていたのですが…、なんと商品在庫がない!
慌てて、Yahoo!ショッピング、楽天、複数の楽器通販サイトを探すも、お目当てのタンバは欠品!
半泣きになりながらアリスファン仲間に相談してみたら、「数年前から市中在庫が見当たらなくて、調べてみたらメーカーが事業停止している模様」との情報が…
冷酷にも、正式な「破産手続き開始決定」のお知らせも見つかりました。

無我夢中で探し回ると、メルカリで「未使用美品中古」を発見!
すぐに発送していただくよう依頼しましたが、京都届けでは訪店日に間に合いません。そこで六本木近くのヤマト運輸営業所で受け取るよう助言いただき、ナントカ入手!
憧れのキンチャンに、直筆サインを頂戴することができました。

キンチャン直筆サイン入りタンバを手にご満悦の筆者(2026/2/5)

キンチャンに野上木工さんの倒産をお伝えしたら、驚いた様子で「大事にしなきゃねぇ」と…

このタンバ、先に書きましたように「チューナブル」といって、フレームのネジを回してトップの上部・底部の張りを調整チューニングする必要があります。
使い慣れた方でも相当の時間を要する作業、今回はサインまでで精一杯でしたので、調整せずに持ち帰りました。それでも大満足です!

実はこの日のキンチャン、喜寿=77歳お誕生日の前夜。
目の前でサインしてもらって舞い上がり、お祝いを伝えるのを忘れてしまいました。
いつまでも元気で、谷村新司さんの分までご活躍をお祈りしています!

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