見出し画像

仕事の方がよっぽど楽

真夏のコートで、中学生が一本のボールを追いかけて転びそうになる。

その一本を落とせば、全国大会が消える。

取り返す機会は、どこにもありません。
それを観客席から見ながら、ボクはとんでもなく情けないことを考えていました。
仕事の方が、よっぽど楽だな、と。

こんにちは。
No.3代行事業をしている、複業CEOのウエツです。

X:https://x.com/threetno3
Instagram:https://www.instagram.com/threetno3
stand.fm:https://stand.fm/channels/651cc1160bc9d6e1d67e19a4
three.T公式サイト https://three-t-ltd.com/

「普通の人生」に疑問を感じ、転職やパラレルワークで「普通」をぶっ壊しにいったら、気付けば10社で複業していました。
生き方は何通りもあっていい。
あなたの「普通」も、ちょっと揺さぶれたら嬉しいです。

元ネタはこちら⏬


真面目な顔をして仕事している感じを醸し出すのが、誰よりも上手なウエツです。
(本当は書いて消してまた書いてを繰り返しているだけ)

この日、長男くんの試合を観に行っていました。中学のテニス部です。

先日は一回戦を勝って、二回戦で東京の強豪に負けました。今日はコンソレーション、いわゆる敗者復活の枠です。ここで一つでも勝てば、全国へのキップが手に入る。そういう日でした。

結果から言うと、ダブルスを二本取られてしまいました。かなり厳しい状況です。この原稿を書いている時点で、まだ終わってはいません。ただ、後ろに控えている相手がめちゃくちゃ強いので、正直に言えば苦しい。

周りは応援の声でうるさいくらいで、収録している自分の声が聞こえないほどでした。真夏の炎天下で、中学生が一本ごとに全力を出しきっている。その音の中に座っていたら、いろんなことを考えてしまいました。

🟢 スポーツはやり直しがきかない

見ていていちばん強く感じたのは、この一本のやり直しがきかない、ということです。

一ポイント落とせば、そのポイントは戻ってきません。ミスをした瞬間に、全国大会という目標がすっと遠ざかる。「次の大会で挽回します」も通用しません。

中学三年生には、次がないからです。

サッカーもそうですし、野球もそうでしょう。一つのプレーで、その代の全員の夏が終わる。冷静に考えると、とんでもない残酷さだと思いませんか。

しかも、力の差だけで決まるわけでもないんです。今日の試合を見ていて痛感しました。強い弱いはもちろんあります。ただ、それ以上に効いていたのは、力が入りすぎていないか、緊張に飲まれていないか、そこでした。

いつもなら入るサーブが入らない。いつもなら拾える球に足が出ない。原因は技術じゃなくて、勝ちたい気持ちが手首を固くしていることのほうです。中学生が、その重さを一人で背負って立っている。

ボクが同じ年齢のとき、あんな顔で一ポイントを追えていた自信はまったくありません。

🟡 仕事はいくらでもやり直せる

逆に、ボクらの仕事って、一回ミスしたくらいでは何も終わらないんですよね。

提案が通らなかった。見積もりの計算を間違えた。会議で言うべきことを言えなかった。どれも、その場ではしんどい。落ち込みますし、眠れない夜もあります。でも、それで「はい終了、来年またどうぞ」とはなりません。

次のお客さんがいます。次の案件があります。会社に勤めている人なら、次の仕事で取り返せばいい。転職という選択肢だってあります。一回の失敗が、人生ごと持っていくことはめったにない。

大人になるほど、この事実を忘れていく気がします。目の前の一件が世界のすべてに見えて、失敗した自分にダメ出しをして、動けなくなる。ボクにもそういう時期がありました。

でも、コートの上で泣きそうになりながらボールを追いかけている中学生を見た後だと、その感覚がまるで違って見えるんです。ボクらは、何度でも打ち直せる場所にいます。素振りをやり直せる場所にいます。それは、ものすごく恵まれた条件です。

やり直しがきくのに、やり直さない。取り返せるのに、取り返しにいかない。そっちのほうが、よっぽどもったいない。

🟠 勝負ごとはそこが面白い

とはいえ、スポーツを「残酷だから可哀想」で終わらせたいわけではありません。

やり直しがきかないからこそ、あの一ポイントに全部が乗るんです。取り返せると分かっている勝負に、あの緊張は生まれません。ドラマになるのは、一度きりだからです。

見ている側が心を動かされるのも、そこだと思います。上手いから泣くんじゃない。ここしかない場面で、逃げずに前に出た人に、勝手に胸を掴まれる。

だから勝負ごとは面白い。そして、その面白さは、勝った側だけのものではありません。負けた側にも同じだけ残ります。むしろ残る量は、負けたほうが多いかもしれない。

今日仮に全国に届かなかったとしても、この夏の経験が消えることはないです。それは間違いなく言えます。ただ、親としては、やっぱり全国大会の景色を見せてあげたい。両方が同時に本音なんですよね。

長男くんは、この代の部長をしています。

後輩は全員二年生です。自分のプレーだけ考えていればいい立場ではありません。声を出す、雰囲気をつくる、勝手に落ちていく空気を引き戻す。中学生にそれをやらせるのは、なかなかの負荷だと思います。

正直、ボクは技術的なアドバイスができる人間じゃありません。テニスの専門家でもない。できるのは、あの音の中に座っていることくらいです。

それでも、彼はやるだけのことはやってきました。練習量も、部の面倒の見方も、こちらから何かを言った覚えがほとんどありません。勝手にやっていました。だから結果がどうであれ、その部分については何も言うことがないんです。

親が子どもの試合を見て学ぶことのほうが、たぶん多い。今日はまさにそれでした。

🔴 ボクら大人が楽をしていていいのか

ボクらは今、AIを使ってもっと楽をしようとしています。ボク自身、日々そればかり考えています。効率化、自動化、時間の削減。それ自体は正しいと思っています。手を動かす時間を減らして、考える時間に回す。仕事の質は確実に上がります。

でも、楽をした先に何を出すのか。
そこが抜けたら、ただ楽をしただけです。

やり直しのきかない場所で、あの子たちは一本のために全力を出しています。やり直しがいくらでもきく場所にいるボクらが、削った時間で何も生み出していないとしたら。それはさすがに、格好がつきません。

浮いた時間で、新しい事業を立ち上げる。困っている経営者のところへ、もう一件行く。家族と過ごす。何でもいいんです。とにかく、削った分を何かに変える。そこまでやって、はじめて効率化に意味が出ます。

楽な条件をもらっている自覚があるなら、やることは一つしかない、とボクは思っています。

🟣 本気になれる場所を持っているか

コートを見ながら、もう一つ考えていたことがあります。

大人になると、一本に本気になる場面がどんどん減っていきます。ミスしても取り返せる世界にいるうちに、はじめから全力を出さないクセがついていく。全力を出さなければ、失敗しても言い訳が立つからです。

でも、それをやり続けた先に何が残るんでしょうか。

やり直しがきくという条件は、本気を出さない理由にはなりません。むしろ逆で、何度でも本気を出していい、という許可のはずなんです。

今日は結果が出ないかもしれません。それでも、彼らは最後の一本まで走ります。それを見た日に、自分の仕事の力の抜き方だけそのままにしておくのは、ちょっと無理があります。

炎天下でよろけながらボールを追いかけている中学生に、ボクは完全に負けています。

あなたが最後に「この一本」に全部を出したのは、いつでしたか。


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も楽しむためにやるかめっちゃやるか。
選択はあなた次第。

──────────
「経営の"進まない"を"進む"に変える」No.3代行をしています。
▶ three.T公式サイト https://three-t-ltd.com/
▶ 中小企業の経営者に向けて、経営・AI活用・DX・組織づくりの「現場で使える進め方」を発信 https://three-t-ltd.com/column/

いいなと思ったら応援しよう!