エッセイ|人はどうして生まれてくるのか、わからないままで
私は、少し変わった子どもだったかもしれない。
「人は必ず死ぬのに、
どうして生まれてくるのだろう」
そんなことを運動会のお遊戯の練習をしながら、
考えている5歳児だった。
ポーンと子どもたちが空に投げる
たくさんのボールの色が、
とても綺麗だったのを覚えている。
(ちなみに、周りの大人には、
少し心配されていた。)
40数年生きてみたけれど
5歳の私の質問に
今になっても答えられないや。
「たまたま生まれたから、
死ぬまで生きるだけだよ。」
そんな風に答えるかもしれない。
人生は、ちょっと長い暇つぶしだ。
たまたま生まれたから、死ぬまで生きる。
多分、それだけだ。
でも、暇つぶしって、全然悪いことじゃない。
私は以前「自分の趣味がわからない」と
悩んでいたのだけど
同じようなことで、
今悩んでいる人がもしいるとしたら、
「そんなに構えずに、
これ、やってみてもいいな、
ってくらいのことをしてみたら?」って、
そう言うと思う。
(ちなみに、近頃の私は中国茶にハマっている。
一杯で何煎も楽しんでいい、
そういう貧乏性が、
格好よく満たされるところがいい。)
人生自体が暇つぶしだ。
崇高な理念で生きている人も
いるだろうけれど
そういう人は、
崇高なテーマで、
壮大な暇つぶしをしているのかもしれない。
だから、「やってみてもいいな」くらいの
タネをたくさん蒔いてみるのもいい。
それが実になるかもしれないし
ならなかったとしても、
芽が出たり、花が咲いて
その期間を楽しめたら、
それだけで価値があるんだと思う。
たまたま生まれたから、死ぬまで生きる。
それだけのことなんだから、
それがちょっとでも
素敵な暇つぶしだったなぁと思えたら
もう、それだけで、
生まれてきた元は
取れているのかもしれない。
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