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“好き”を仕事に変える、その一歩がTikTok Shopにあった──まるさんが見つけた、暮らしと発信を両立するクリエイターのかたち

TikTok Shop Editor’s File Vol.6

ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、アプリ内で商品の販売発見から購入が可能となるEC機能「TikTok Shop」を、2025年6月30日より日本で提供開始しました。「TikTok Shop」は、自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、購入できるサービスです。ショッピング動画やLIVE配信を通じてユーザーはお気に入りのアイテムに出会い、その場で購入が可能となる新しい購買体験を「ディスカバリーEコマース」と位置づけています。

本連載「TikTok Shop Editor’s File」では、世界で17か国目の展開となる日本市場において活躍するセラーやクリエイターの皆さまに焦点を当て、リアルな声と挑戦の軌跡をインタビュー形式でお届けします。 「TikTok Shop

Editor’s File」Vol.6は、テーマパーク情報の発信を軸にファンを育てながら、TikTok Shopではガジェット紹介で売上を伸ばしてきたクリエイターのまるさん(@maru_disney21)に話を聞きました。家事・育児と両立しながら投稿を続ける日々、最初の失敗からつかんだ“売れる動画”の条件、そして副業としての新しい可能性まで。その歩みをたどると、クリエイターという働き方の現実味が見えてきます。

“始まる前に動く”が、最初の差になった

TikTok Shop クリエイター:まる◎さん(@maru_disney21)

まるさんがTikTokを始めてから、すでに5年ほどになる。もともとは趣味として、好きなテーマパークやキャラクターの情報を発信してきたアカウントだった。そこにTikTok Shopが加わると知ったとき、まだ何が始まるのかを完全に理解していたわけではなかったという。それでも、2025年5月末にはEC権限を申請していた。「始まったものには、すぐ駆け出せる状態でいたい」。その感覚が、最初の一歩を早めた。

ただ、その挑戦は“発信だけ”に集中できる環境の中で行われたものではない。ショート動画制作の仕事を抱え、家では家事と育児がある。だからこそ、働き方には最初からルールをつくった。子どもが家にいる時間は家族を優先し、動画制作は学校に行っている間に集中する。働く時間も「8時から17時まで」と会社員のように区切る。好きなことだからこそ、だらだら続けない。やるときはやる、やらないときはやらない。その線引きが、長く続けるための土台になっていた。

TikTok Shopが始まってから感じた最も大きな変化は、ショート動画の投稿本数が圧倒的に増えたことだったという。投稿本数が増えれば、当然、何が伸びるのか、何が視聴者に刺さるのかを考える回数も増える。結果として、フォロワーは約4.7万人から約6.6万人へと増えた。露出が増えたことで、お買い物が好きな視聴者やセラーにも見つけてもらえるようになった感覚があるという。

80万再生でも売れなかった。そこで初めて、“バズる”と“売れる”は違うと知った

立ち上がり期に投稿したガジェット動画は、約80万再生まで伸びた。それでも売上は一つも立たなかった。再生数だけを見れば成功に見える。しかし、まるさんにとってはむしろ、その一本が大きな転機になった。

理由は明快だった。動画は“バズる”ことを意識してつくっていたが、視聴者が「欲しい」と思える構造にはなっていなかった。何の商品なのかが十分に伝わらず、購入導線も弱い。ただ見て終わる動画になっていたのだ。そこから、まるさんは問いを変えた。人はどんなときに商品を欲しくなるのか。何を見たときに買いたいと思うのか。再生回数ではなく、購入したくなる瞬間をどうつくるかへと、視点を切り替えていった。

その後、初めて大きく動いたのが日傘の動画だった。しかも、その商品は自分自身が本当に欲しくて、実際に購入したものだった。届いて、使ってみて、「やっぱり良かった」と思えた。その感動をそのまま動画にしたところ、多くの購入につながっただけでなく、コメント欄には「私も持っている」「そこが良かった」と同じ感覚を書き込む人たちが現れた。売れたこと以上に、自分の実感が他の人の実感とつながったことが嬉しかった。その体験が、まるさんの動画づくりを大きく前に進めた。

“好き”と“使う場面”が重なったとき、商品は初めて強くなる

現在、まるさんが多く扱っているのはガジェットや電子製品だ。ただ、最初からガジェット専門だったわけではない。テーマパーク紹介の中で「こういうのを持っていくと便利」と、お出かけグッズとしてガジェットを紹介したときに、想像以上に反応が良かった。さらに本人自身がもともとガジェット好きでもあった。“自分が好きで、しかもフォロワーが使う場面を思い浮かべやすいもの”が、結果として軸になっていったのだ。

ここで印象的なのは、商品選びが感覚だけではないことだ。動画の数を出しながら、どんな層がどんな商品を求めているのかを見ていく。そのうえで、CTAの置き方や見せ方を調整していく。正解を一発で当てに行くのではなく、投稿量を重ねて自分の視聴者の傾向をつかんでいくスタイルである。ガジェットが伸びたのも、偶然ではなく、その積み重ねの結果だった。

一方で、商品を紹介するときの軸はあくまで「自分が本当にそう感じたかどうか」にある。嘘はつかない。盛らない。これだけは絶対に守ると、まるさんは繰り返す。視聴者は買って損をしたくない。だからこそ、良いところを伝えるだけでなく、気になる点があればそこにも触れる。そのうえで、「こういう人にはおすすめ」と対象を整理する。押し売りではなく、判断材料を渡すような伝え方だ。だからこそ、「まるさんが紹介するなら安心できる」という言葉につながっているのだろう。

3秒で引き込み、最後まで導く。動画一本の設計に宿る“売れる理由”

まるさんの動画づくりで際立つのは、細部まで設計が行き届いていることだ。まずタイトルは、必ず「何これ?」と思ってもらえるものにする。本人いわく、「最初の3秒に動画一本の全てをかけている」。視聴者の指を止められなければ、その先はないと知っているからだ。

キャプションにも工夫がある。動画を最後まで見なくても押さえるべきポイントが伝わるよう、絵文字を交えて整理する。そしてTikTokの検索機能を意識し、検索されたときに自分の動画が出てきやすい言葉を入れている。動画の最後には必ず、左下の黄色いカバンマークをチェックしてみて、と購入導線を明示する。セール時期には「今しかお得じゃない」と期間限定性を入れ、商品に色や種類のバリエーションが多いときには、途中で一度商品ページを見に行ってもらう。認知、比較、購入までの流れを、一本の短い動画の中で丁寧に設計している。

さらに、ヒットした商品をそのままにしないのも、まるさんの強みだ。2025年9月から10月にかけては、ハンディファン、日傘、オーディオグラスといった季節商材が爆発的な動きを見せ、驚異的な売上実績を叩き出した。だが、その後も売れた商品を再投稿し、売り切れた商品の再入荷タイミングで改めて告知し、コメント欄の質問に返す動画までつくっていった。それも、既存コンテンツの流用ではなく、視聴者が“自分で使っている場面”を想像しやすいようにシーンをリライトし、より伝わる形へと磨き直していく。その積み重ねが、後半の伸びを支えていた。

動画は“資産”になる。だから、暮らしのなかでも積み上げられる

まるさんの活動は、LIVEよりも動画が中心だ。LIVEは月に1〜2回、多い月でも3回ほど。その理由は明快で、動画は投稿したあとも“資産”として働いてくれるからだという。家事や育児と両立する中で、まずは得意な動画制作に時間を使いたい。そして、自分が別のことをしている間も動画が働いてくれる。そこに大きな魅力を感じている。

もちろん、LIVEにも役割はある。動画ができるだけ簡潔に商品の魅力を1分以内で伝える場だとすれば、LIVEは視聴者とリアルタイムで交流しながら、雑談も交えて「よかったら買ってね」と自然につなげていく場。いきなり始めたときは緊張もしたが、10分も経てば慣れてくる。結局、そこも回数を重ねることが大事だとまるさんは言う。だが、家族との両立を考えたとき、自分に合っているのは動画の方だった。自分に合う方法を見つけ、その形で積み上げていく。そこにもまた、無理なく続けるための現実的な視点がある。

コメント対応も、運用の一部として丁寧に続けている。商品ページを見ればわかることではなく、使ってみないとわからないことには必ず答える。不良品に関するコメントのように答えづらいものにも逃げずに向き合い、「セラーさんにちゃんと伝えた方がいい」と背中を押す。そのやりとりの一つひとつが、画面越しの距離を縮めていく。

“こう働いてみたかった”が、いま現実になり始めている

取材の終盤、まるさんは少し照れながら「不労所得って憧れてた」と話してくれた。もちろん、実際には投稿も検証の積み重ねが必要で、その実態は決して“不労”と呼べるほど甘いものではない。それでも、外部サイトへ誘導する従来のアフィリエイトでは購入までつなげるハードルが高かったのに対し、TikTok Shopでは視聴から購入までがアプリ内で完結する。そこで初めて、「自分がやりたかったことが、ここならできる」と思えたという。

自分がいいと思った商品を紹介し、それに共感した人が買ってくれる。そして報酬が生まれる。その循環が、クリエイターとしての新しい収入源になっていく。そこに今、大きなやりがいを感じているそうだ。だからこそ、同じように副業をしたいと思っている人に対しても、「こういう収入のあり方もあるんだよ」と伝えていきたいという思いがある。

途中からは事務所のサポートも受けるようになり、セラーとのやり取りやサンプル手配、条件交渉の工数が減ったことで、動画制作やLIVE配信により集中できるようになった。台本づくりでは、独りよがりにならないようAIツールやTikTok Shop内の台本作成機能も活用している。今後は二人以上で出演する動画や、第三者レビューを取り入れたコンテンツにも挑戦してみたいという。ひとりで磨いてきたスタイルを軸にしながら、さらに表現の幅を広げようとしている。

目標は、まずフォロワー10万人。そしてGMVもさらに伸ばしていくこと。ただし、単に数字だけを追うのではなく、視聴者が「買いたい」と思えるものを、もっと共感を持って届けられるようにしたいと話してくれた。好きなテーマパークの情報を発信していたアカウントが、いまでは暮らしに役立つ商品や、買い物の楽しさを届ける場所になっている。そしてその先には、クリエイターという働き方そのものの可能性も見えてきた。まるさんの歩みは、“好き”を起点にしながら、そこに生活者目線と継続の工夫を掛け合わせることで、新しいキャリアを形にしていけることを教えてくれる。TikTok Shopは、誰かの「これ欲しかった」を叶える場であると同時に、発信する側にとっては「こう働いてみたかった」を現実に変える場所でもあるのだ。

※記事内の取材内容および数値は、すべて2026年2月中旬時点の情報に基づいています。記事公開時点では変更の可能性もありますので、予めご了承ください。