廃棄される「おから」から生まれた希望──OKARATが拓く共感型コマース
TikTok Shop Editor’s File Vol.3
ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」は、アプリ内で商品の販売から購入が可能となるEC機能「TikTok Shop」を、2025年6月30日より日本で提供開始しました。「TikTok Shop」は、自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、購入できるサービスです。ショッピング動画やLIVE配信を通じてユーザーはお気に入りのアイテムに出会い、その場で購入が可能となる新しい購買体験を「ディスカバリーEコマース」と位置づけています。
本連載「TikTok Shop Editor’s File」では、世界で17か国目の展開となる日本市場において活躍するセラーやクリエイターの皆さまに焦点を当て、リアルな声と挑戦の軌跡をインタビュー形式でお届けします。
「TikTok Shop Editor’s File」 Vol.3 は、TikTok Shopで急成長を遂げるOKARATのショップ運営メンバーに、ブランドの立ち上げ背景から現場での工夫、今後の展望まで話を聞きました。
「食べられるのに捨てられている」おからとの出会いがすべての始まり
TikTok ShopセラーであるOKARATの創業メンバーは、農学部出身でフードロスやSDGsの分野に関心を持つ中、年間70万トンが排出されながらも、わずか1%しか食用に活用されていない“おから”の実態を知る。
「健康によくて、しかも捨てられている。これを活かせば、人と地球、両方の健康に貢献できると思ったんです」(共同創業者 上田さん)
こうして始まったOKARATの挑戦は、ヘルシーで無添加、小麦粉・白砂糖不使用の商品開発へとつながる。現在では、グルテンフリーのクッキーやグラノーラなど、日常の中で取り入れやすい商品を数多く展開している。
“工場長”というリアルな存在が信頼を生む
OKARATのTikTokアカウントでひときわ注目を集めるのが、商品製造現場の“顔”である工場長の存在だ。現在74歳の工場長は、製造業務の合間を縫って動画やLIVE配信にも積極的に登場する。
「最初は緊張していましたけど、今では“おからのおばちゃん”って言ってもらえたり、本物ですか?って聞かれたり(笑)。やっぱり作っている人の顔が見えると安心してもらえるんだなと感じています」(工場長)
このリアルなキャラクター性がTikTokとの相性と抜群にマッチ。2025年6月末のローンチ時点ではフォロワー約2000人だった同社アカウントは、8月末には1.3万人を突破。7〜8月の動画総再生数は600万回を超える。
さらに、フォロワーの拡大と連動するようにLIVE配信も急成長。8月には計17回のLIVE配信を実施し、総配信時間は22時間超。視聴者数も前月比+86%、LIVE経由の売上は+70%以上という伸長を見せた。
「売る」より「伝える」──動画とLIVEの使い分け戦略
OKARATはTikTok Shopにおいて、動画とLIVE配信を目的別に使い分けている。動画は「おからが捨てられているリアルな現場」や「工場長によるASMR商品試食」など、コンテンツ性とストーリー性に富んだ短尺で商品背景を伝える。一方、LIVE配信では、ユーザーのコメントにその場で答えながら、一つひとつの商品の食感や成分を丁寧に紹介。
「LIVEは“工場長が本当に食べている姿”が見られるからこそ、コメント欄でも安心して買えたという声が多く届きます。食べながら正直に“これは美味しくないかも”と伝えることもありますが、それがむしろ信頼につながっていると思います」(ショップ運営 窪田さん)
また、同社のLIVE配信では、1時間の配信中に「このボタンから今すぐ購入できますよ」といった“丁寧な購買導線”を5分に1回は繰り返すようにしているという。
アフィリエイトは“味”と“誠実さ”で選ぶ
TikTok Shopのアフィリエイト機能も、OKARATの成長に一役買っている。オープンコラボで日々候補者をチェックし、動画の質や過去の販売実績、フォロワーとの相性などを加味してサンプル提供を実施。ターゲットコラボでは事前の打ち合わせで商品理解を深め、丁寧な投稿へとつなげている。
「まずは“美味しい”と実感してもらえるかが大前提。そのうえで、その方のフォロワーさんに合う商品かを考えてマッチングします。時にはLIVE配信に私たちがゲスト参加し、補足説明を入れることもあります」(ショップ運営 窪田さん)
実際にアフィリエイター経由で「OKARATの工場長が作ってるって知って来ました」という視聴者が増加。信頼感を醸成する協業戦略が功を奏している。
SDGsと“家庭に1つ”を目指して──次なる挑戦
OKARATは今後の展望として、「一家に一袋、日常的におから製品がある社会」を目指している。ユーザーコメントやアンケートを通じて「おからハンバーグが食べたい」「卵・小麦なしのスイーツをもっと」などの声を商品開発に取り入れ、新商品展開にも注力する予定だ。
「捨てられるはずだった“おから”が、誰かの健康と幸せを支える商品になる。そんな流れが、TikTok Shopという場で可視化されていくのが本当に嬉しいです」(工場長)
リアルとデジタル、社会課題と日常食を結びつけるOKARATの取り組みは、まさに「共感型コマース」の象徴といえるだろう。次なる“ヒット商品”と“工場長の一言”が、また新たなファンを生み出すはずだ。
※記事内の取材内容および数値は、すべて2025年9月上旬時点の情報に基づいています。記事公開時点では変更の可能性もありますので、予めご了承ください。
