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映画「HAPPYEND」(監督:空音央)を観て Tinny Bubbles 12

 一見、よくある学校・社会のルールに馴染めず違和感を感じる高校生の物語。それぞれの事情・環境に思い悩む登場人物たちが、友情を確認し時に反目しながら過ごす卒業までの日々を描いている。但し、この映画が違うのは、その時代設定。今でも過去でも無い、そんなに遠く無い未来。これが実にリアルで怖い。学校では監視カメラが生体認証によって生徒の行動をチェックし、問題行動が有れば減点され、処罰され、その様子が大型モニターで公開される。こういった傾向は学校だけではなく日本全体で権力による人々の管理体制がより洗練され排外主義が強まっている。ただ歩いて音楽を聴いているだけで警官から尋問され、在日コリアで有る主人公の1人は、IDを持っていないというだけで自宅にまで警官に付き纏われる。彼の母親は日本で飲食店を続けていくために、息子にはひたすら忍従を求める。そんな中、息子はただ友達と楽しく過ごせればいいと言う親友に疑問を持ちはじめ、反体制的な活動に参加していく。
 この映画を観ていてヒシヒシと感じるのは、ここで描かれている世界は決して仮想のフィクションではなく、この国で今実際に起こりつつ有る事だという事。今度の選挙中に起きている、排外主義を訴える新興政党が若者中心に多くの支持を集めている事や、ガザやウクライナで起きていることに対する世界の冷ややかな視線など、この映画で描かれている世界が今実現に向かっている事を示す事例は、今の社会のいたる所で散見されると思う。
 そうならない事を望む人たちは、何をすれば良いのだろうか。身の回りの事で感じるちょっとした違和感、例えば、親しい人による外国人への差別的発言などを、聞き流さずそのままにせずに、その違和感をこまめに表現していく事など、今できること、些細なことを諦めずに続けることが大事なのかもしれない。そうしないとシステムは、僕らが気がつかないうちに、巧妙に僕らをそのシステムの中に取り込んでしまうかもしれない。

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