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映像美が照らす女たちの檻『第三夫人と髪飾り』

評価:3.9/5

原題:The Third Wife/Trzecia zona/Vợ Ba
監督:アッシュ・メイフェア
制作:2018/ベトナム
上映時間:93分
鑑賞媒体:Amazon Prime Video

感想

トラン・アン・ユンが美術に携わった絵画のように美しい世界。その映像が美しければ美しいほど、背後にある抑圧の醜悪さが際立つ。
夫人たちのいがみ合いや嫉妬はごく抑制的に描かれる。性指南のような場面ですら、彼女たちは協力的で穏やかな雰囲気を見せる。だがその和やかさは純粋な親密さだけではなく、「助け合わなければ生きていけない」という支配構造がもたらした切実な結びつきでもある。
その姿はまさに「籠の鳥」であり、同時に養蚕のイメージと強く響き合う。美しい絹糸を生み出すために飼育され、役割を終えれば命を奪われる蚕。屋敷から出られない夫人たちの境遇そのものであり、養蚕は単なる比喩を超えて、制度そのものを可視化する象徴として機能している。

曾祖母の体験をベースにしながらも本国では公開打ち切りとなったという背景を踏まえると、内側から過去を照らし出す「内部告発」とも言える。だからこそ現代の価値観、そして女性監督の視点からこの物語が語られること自体に大きな意味がある。

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