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「安かったのに、いちばん欲しかったサイトになった」と言われるために、私たちがやっていること

「サイトをリニューアルしたいんですが、見積もりを取ったら300万円と言われまして……」

こう言われて、そのまま2年止まっているホームページを、私たちは何度も見てきました。金額に驚いたというより、「この金額を払って、本当に何が変わるのか」が誰にも説明できなかったから止まった、というケースがほとんどです。

逆のパターンもあります。数十万円で作り直したものの、問い合わせも応募もまったく増えず、「安物買いの銭失いだった」と言われてしまうサイト。この2つは、まったく別の失敗に見えて、原因は同じところにあります。

この記事では、Webサイトの費用がなぜ膨らむのか、そして私たちが「低コストで、クライアントが本当に望んでいたサイト」を成立させるために何を判断しているのかを、包み隠さず書きます。制作会社を探している方が、私たちに頼むかどうかは別として、少なくとも見積書の読み方が変わるはずです。

先に結論:コストを下げるのは「値引き」ではなく「作らない判断」です

安くする方法は、大きく分けて2つしかありません。

ひとつは、単価を下げること。デザイナーやエンジニアの人件費を削る、海外に投げる、テンプレートを最小限の手直しで納品する。これは短期的には安くなりますが、成果が出なければ結局作り直しになります。

もうひとつが、作る量そのものを減らすこと。私たちが取っているのはこちらです。

Web制作の請求書の中身は、実はデザイン料でもコーディング料でもありません。いちばん大きいのは、途中で方針が変わって作り直した分、つまり手戻りのコストです。次に大きいのが、「あったほうがいいかも」で積み上がった、公開後ほとんど使われないページと機能です。

この2つを最初に潰しておくと、同じ予算でも中身の密度がまるで変わります。逆に言えば、ここを潰さないまま値引き交渉をしても、削られるのは品質のほうです。

「低コストで最高のサイト」は、魔法でも安売りでもありません。作る前の決断を、私たちが一緒に引き受けるかどうか、それだけの差です!

なぜWeb制作は高くなるのか、構造から説明します

手戻りは、見積書に書かれないまま費用に乗ってくる

制作が始まってから、「やっぱりトップページの構成を変えたい」「社長がこのデザインは違うと言っている」という話が出る。これはどの現場でも起きます。問題は、それが起きる前提で見積もりが組まれていることです。

多くの見積もりには、修正2回まで、といった条件が書かれています。裏を返せば、2回の作り直しを織り込んだ金額が最初から乗っているということです。そして3回目からは追加費用になります。

私たちは、この手戻りを「起きるもの」として値段に乗せるのではなく、「起きにくくする」ことにお金と時間を使います。具体的には、デザインに入る前の段階で、ページの中身と並び順を文字だけの状態で確定させます。この時点なら、何度でも作り直せます。1文字も無駄になりません。

見た目ができてしまってから議論を始めると、その議論はすべて費用に変わります。逆に、見た目ができる前に議論を終わらせておけば、その議論はすべて無料です。ここが最大の分かれ道です。

「とりあえず入れておきましょう」が積み上がる

ブログ機能、お知らせ機能、会員ページ、多言語対応、問い合わせフォームの分岐、採用管理システム連携。打ち合わせの場では、どれも「あったほうがいい」に聞こえます。

しかし公開から半年後にアクセス解析を開くと、実際に見られているページは驚くほど限られています。多くの中小企業のサイトでは、トップページ、事業内容、会社概要、採用情報、問い合わせ、この5つで大半のアクセスを占めます。

にもかかわらず、見積もりの半分近くが、ほとんど見られないページと、誰も更新しない機能に使われている。これは珍しい話ではありません。

私たちが最初の打ち合わせで必ず聞くのは、「このサイトで、何がどれだけ増えたら成功ですか」という一点です。応募が月に3件増えればいいのか。既存客に対する信用の裏づけがあればいいのか。新規の見積もり依頼が欲しいのか。ここが決まると、要らないものが自動的に見えてきます。

公開日がゴールになっている

これがいちばん根深い問題かもしれません。

制作会社にとっては、公開すれば納品完了です。しかしクライアントにとって、公開はスタートでしかありません。この認識のズレが、「立派なサイトができたのに何も起きない」という結果を生みます。

サイトは、公開した瞬間がいちばん成果の出ない状態です。検索エンジンに評価されるまでには時間がかかりますし、どのページで人が離脱しているかも、公開してみないと分かりません。

だからこそ私たちは、最初から全力で作り込むより、公開してから直せる状態で出すことを重視しています。予算の全部を初回公開に使い切らず、公開後の改善に一部を残しておく。この配分だけで、1年後の結果はかなり変わります。

現場で見てきたこと

ここからは、栃木・埼玉・沖縄で実際に手を動かしてきた中での話です。

採用サイトを見に来ている人は、3つのことしか知りたくない

北関東の製造業のお客様と長くお付き合いする中で、採用ページを見ている人が何を探しているかを、応募の現場からも観察してきました。

応募を考えている人が最初に確認するのは、だいたい次の3つです。どんな作業を、誰と、どんな環境でやるのか。給与と休みは具体的にいくらか。そして、この会社は自分を大事にしてくれそうか。

ところが多くの採用ページは、会社の沿革と代表挨拶から始まり、社是が並び、事業の全体像が説明され、肝心の仕事内容は下のほうに小さく載っています。これはページの善し悪しではなく、順番の問題です。

私たちは、写真を1枚も撮り直さず、文章の順番と見出しを入れ替えるだけの提案をすることがあります。それで反応が変わるなら、撮影費もデザイン費も要りません。お客様からすれば、いちばん安く済んだ改善になります。

もうひとつ、意外と見落とされているのがスマホです。仕事を探している人の多くは、通勤の電車やお昼休みにスマホで見ています。パソコンの大きな画面で美しく整ったデザインが、スマホでは文字がぎっしり詰まった読みにくい壁になっていることは、本当によくあります。

リニューアルしたのに問い合わせが増えない、いちばん多い理由

「デザインは見違えたのに、電話が鳴らない」という相談を受けたとき、私たちがまず見るのは、デザインではなく検索結果です。

そもそも、そのサイトが検索で見つかっていないケースがかなりあります。会社名で検索すれば当然出てきますが、会社名を知らない人が使う言葉、たとえば地域名と業種の組み合わせで検索したときに、どこにも出てこない。これでは、どれだけ美しいサイトでも人は来ません。

リニューアル時にページのURLが変わってしまい、それまで積み上げてきた検索の評価をまるごと失っている、という事故も見たことがあります。これは技術的には防げるもので、事前に旧URLから新URLへの転送を設計しておけば済みます。この一手間を省いた制作会社と、省かなかった制作会社では、公開1年後の集客に決定的な差がつきます。

こうした話は派手ではありませんが、費用対効果でいえば、デザインの作り込みよりはるかに大きな影響を持ちます。

半年止まる案件の原因は、たいてい原稿です

制作が遅れる原因として最も多いのは、技術的な問題ではありません。お客様側で用意することになった原稿と写真が、いつまでも揃わないことです。

これは、お客様の努力不足ではないと思っています。本業をやりながら、自社の強みを文章にまとめるというのは、慣れていない人にとってかなり重い作業です。しかも「自由に書いてください」と言われると、余計に手が止まります。

そこで私たちは、原稿をゼロから書いてもらうことをやめました。代わりに、こちらから質問を投げて、口頭で答えてもらったものを私たちが文章に起こします。工場を歩きながら話を聞くだけで、ページ数本分の材料はだいたい集まります。

写真も同じです。プロのカメラマンを入れれば確かに良くなりますが、費用も日程も必要です。スマホでも、撮る場所と時間帯と角度を指定しておけば、十分に使える写真が撮れます。撮り方のメモをお渡しして、社員の方に撮ってもらう。この方法で、撮影費をまるごと不要にできた案件もあります。

低コストというのは、こうした細かい判断の積み重ねです。どこかに劇的な裏技があるわけではありません。

地域によって、必要なものは違います

私たちは栃木、埼玉、そして沖縄で仕事をしています。同じWebサイトでも、求められるものはかなり違います。

北関東の製造業では、採用が最優先のテーマになることが多いです。人が集まらなければラインが動かないという切実さがあり、サイトの役割は「応募のハードルを下げること」に集中します。

一方で、地域や観光に関わる仕事では、外から来る人に向けて、その土地の魅力をどう伝えるかが問われます。同じ「かっこいいサイト」でも、中身の設計思想は別物です。

複数の地域と業種を見ていると、「この業界ではこれが常識」という思い込みが、実は他の業界の当たり前で解決できることに気づきます。この横断的な視点は、私たちが持っている数少ない強みのひとつだと思っています。

私たちが低コストを成立させている、7つの判断

ここが記事の本題です。私たちが案件ごとに必ず通す判断を、順番に書きます。制作会社を比較検討している方は、そのままチェックリストとして使っていただいて構いません。

1. 目的をひとつに絞る

採用も、集客も、ブランディングも、全部やりたい。気持ちはよく分かります。ただ、全部を狙ったサイトは、たいてい何にも刺さりません。

トップページの一番上に何を置くかで、そのサイトの性格は決まります。ここを1つに決められれば、以降の判断はほとんど自動的に決まっていきます。

2. ページを増やさず、1ページの密度を上げる

ページ数は、そのまま費用に比例します。そして、ページを分ければ分けるほど、読者は目的の情報にたどり着けなくなります。

10ページを浅く作るより、5ページを深く作るほうが、多くの場合で結果が出ます。検索エンジンからの評価という点でも、内容の薄いページが並ぶことは有利に働きません。

3. WordPressか、静的サイトか、既製サービスか

これは技術者としての判断が最も問われる部分です。

自社で頻繁に更新するならWordPressのような管理画面付きの仕組みが向きます。一方、年に数回しか更新しないのであれば、管理画面を持たない構成のほうが、表示も速く、保守の手間も、乗っ取りなどのリスクも小さくなります。

WordPressは便利ですが、放置すると脆弱性の温床になります。更新の担当者を置けないなら、そもそも選ばないという判断もあるのです。「とりあえずWordPressで」と即答する会社には、理由を聞いてみてください。

4. デザインは「作る」より「決める」

オリジナルデザインは高くつきます。ただし、そこにお金をかける価値がある業種と、そうでない業種があります。

信頼性と分かりやすさが最優先の会社サイトであれば、実績のある型を使い、色と写真と文章で個性を出すほうが、費用対効果は高くなります。浮いた予算は、写真か、公開後の改善に回したほうが結果につながります。

もちろん、意匠そのものが商品価値になる業種は別です。そこは正直にお伝えします。

5. 原稿と写真は、内製できる形に整えてお渡しする

前述のとおりです。取材して私たちが書く、撮り方を指定して社内で撮ってもらう。この2つだけで、費用と期間の両方が縮みます。

6. フェーズを分ける

最初にすべてを作り切ろうとすると、要件が膨らみ、判断が止まり、費用が跳ね上がります。

まず必要最小限で公開する。3か月動かして、数字を見る。そのうえで、本当に必要だと分かったものだけを追加する。この進め方なら、使われない機能にお金を払うことがなくなります。

自治体や大きな組織の案件では予算の年度単位という制約もありますが、その中でも段階を分ける設計は可能です。

7. 公開後の計測を最初から組み込む

アクセス解析を入れておくのは当然として、大事なのは「何を見るか」を先に決めておくことです。

問い合わせ数なのか、採用の応募数なのか、特定ページの閲覧数なのか。見る指標を1つか2つに絞っておかないと、数字を眺めるだけで終わります。公開時に、この指標を一緒に決めておくことをお願いしています。

なぜ、この進め方ができるのか

ここで、私たちの背景を少しだけ書かせてください。自慢のためではなく、判断の根拠として読んでいただければと思います。

タカコーホールディングス株式会社は、1992年創業、栃木県小山市の会社です。もともとは人材と製造業の現場に深く関わってきた会社で、そこからITシステム開発・Web制作の領域へ広がってきました。

この出自は、Web制作会社としては少し変わっています。ただ、採用に困っている工場の状況を、営業として外から聞いた話ではなく、日常の仕事として理解しているという点は、サイトの設計に確実に効いています。「応募者はここで手が止まる」という感覚が、経験として蓄積されているからです。

情報セキュリティについては、ISMS認定(MSA-IS-393)を取得しています。個人情報を扱うフォームや、社内システムと連携する案件では、この体制が前提になります。

技術面では、官公庁・自治体のWebサイトやシステム構築をプロジェクトマネージャーとして担当してきたメンバーが在籍しています。要件が多く、関係者も多く、公開後に何年も使われ続けることが前提の案件です。そこで身についた「後で困らない設計」の作法を、規模の小さな案件にもそのまま持ち込んでいます。

また、当社は那須塩原市より「地域活性化起業人(DX推進人材)」の委嘱を受けています。地域の課題に対して、外から道具を持ち込むのではなく、その場所で回り続ける仕組みをどう作るかという視点は、Webサイトの運用設計とまったく同じ考え方です。

拠点は栃木・埼玉・沖縄。オンラインでの打ち合わせにも対応していますが、必要なときに現場へ足を運べる距離感は、大切にしています。

正直に、向いていないケースも書いておきます

ここまで読んで、私たちに問い合わせようと思ってくださった方がいたら、その前に読んでいただきたい部分です。

まず、私たちは県内でいちばん安い制作会社ではありません。単純な作業の量あたりで比べれば、もっと安いところは必ずあります。私たちが下げているのは「作る量」であって、時間あたりの単価ではないからです。

次に、打ち合わせに時間をいただきます。デザインに入る前に、目的と優先順位を決める工程が必ず入ります。「おまかせでいい感じにしてほしい」というご要望には、そのままの形ではお応えできません。ここは正直にお伝えしておきます。ただ、その代わりに公開後の後悔はかなり減ります。

デザインの新規性そのものが商品になるような領域、たとえば意匠性を競うブランドサイトや、表現の実験性が評価されるようなサイトについては、その分野を専門にしている制作会社のほうが良い結果になることもあります。ご相談の内容によっては、正直にそうお伝えします。

そして最近よく聞かれる、「AIを使えば安くなりますよね」という質問について。半分は本当です。文章の下書き、コードの一部、画像の加工といった作業は確実に速くなりましたし、その分は見積もりにも反映しています。

ただ、AIは「何を作るべきか」を決めてはくれません。目的を絞り、要らないものを削り、この会社の何を伝えれば人が動くのかを見極める部分は、今のところ人間が現場を見て判断するしかない領域です。安くなるのは作業であって、判断ではない。ここを混同した見積もりには、注意していただければと思います。

最初の相談は、見積もりの前で構いません

私たちがいちばんありがたいのは、「まだ何も決まっていない段階」でのご相談です。

決まってしまってからでは、削れるものが削れません。まだ迷っている段階でお話しできれば、そもそも今サイトを作るべきなのか、それとも既存サイトの一部を直すだけで足りるのかというところから、一緒に考えられます。

実際、「リニューアルは今じゃなくていいと思います」とお伝えして、数万円の改修だけで終わった案件もあります。目先の売上にはなりませんが、その方から後日別の相談をいただくことのほうが、結果的にはずっと多いです。

こんなことを相談したい、という方はぜひどうぞ。

  • ホームページのリニューアルを検討しているが、何から手をつければいいか分からない

  • 採用の応募が集まらない。サイトに原因があるのか知りたい

  • 見積もりを取ったが、金額が妥当かどうか判断できない

  • 今のサイトの保守を任せられる会社を探している

  • 社内システムやDXも含めて、まとめて相談できる相手が欲しい

ご相談は無料です。売り込みはしません。話を聞いたうえで、私たちがやらないほうがいいと判断した場合は、その理由も含めてお伝えします。

私たちの日々の取り組みはタカコーホールディングスのNoteでも発信しています。あわせて読んでいただけたら嬉しいです。


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