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怪談『あの言葉』| 怖い話| 朗読可[フリー朗読台本]

⚠️怪談、怖い話の朗読台本です!とても怖い夢を見て、せっかくなので台本にしてみました。夢の話なので作者にA君という友人はいません、たぶん……


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※この作品『あの言葉』では、一人称「僕」を「俺」「私」への変更はしてもOKです。それ以外の文章の変更は全て禁止とします。



📕『あの言葉』


子供のころの話だ


僕とA君は、
二人だけの言語を作るという遊びに
夢中になっていた。

最初は、意味のない音の羅列だった。

だけど、日に日に言葉は増えていって……

やがて、簡単な会話ができるようになった!

その言葉を交わすのが、僕たちの日課だった。
世界でその言葉を話せるのは、僕たち二人だけ。

秘密にして、誰にも話さなかった。
それが、また楽しかった。

けれど、ある日……
突然、A君が姿を消した。

学校に来なくなり、
電話をかけても繋がらない。

最初は心配したが、
大人になるにつれ
A君のことも、
あの言葉のことも
、
次第に思い出さなくなっていった。

彼の顔を思い出そうとしても
、
ぼんやりとしていて……特に「目」は、
まるで黒い靄がかかっているようで
、
全く思い出せなかった。

そんなある夜のことだ
不意に、
あの頃のことを思い出した
。
なんとなく、懐かしさに任せて……

あの言葉を、口にしてみた。

口をついて出たその言葉が部屋に響くと
、
空気が……ぴりっと張り詰めた。
背筋に寒気が走った。

その瞬間……

部屋の隅から──

低くて、不気味な声が聞こえてきた。


【……覚えているか?】


振り向くと、そこに誰かが立っていた。
最初は何故かA君だと思った。


けれど──

目が……異常に、深く、黒くて、

吸い込まれそうに見つめられて、

僕は、直感した。

……これは、違う「何か」だ。

その黒い目の奥に
、
過去の記憶が一気に溢れ出す。

最後にあの言葉を交わしたとき
、
僕たちは何かを呼び寄せてしまった。

そうだ!
A君が消えた理由!

なぜ今まで、僕は忘れていたんだ?

【……覚えているか?】

それは……僕の耳の、
すぐ横で囁いた。

恐怖で体が硬直する。
思わず後退る
。
目を合わせてはいけない。

僕はもうはっきりと思い出してしまった。

……あの言葉を、もう、口にしてはいけない。

【もう一度、言葉を交わそう】

喉の奥が、ヒュッと鳴った。

……そして、
僕の口から、
あの言葉が……
また……

止まらない。
泣きながら。
必死に口を閉じようとする。



でも、止まらない。


部屋が、暗くなる。
耳元に、無数の声
何かが、
一斉に僕を取り囲む。


頭の中で、
繰り返し、繰り返し、
鳴り響く。

音が、形を持ち始める。
それが……僕を、
飲み込んでいく。

「助けて」と叫びたかった
。
でも、言葉にならない。


代わりに──
呪文のように、あの言葉が
次から次に……
僕の喉から、溢れ出す。

それに応えるように──

周囲の声は、どんどん、増えていった……



……そして、
気がつけば朝だった。

部屋に「それ」の姿はなく、

僕は気を失っていたようだ。

あれが夢だったのか、
現実だったのか
、
今となっては、もう……わからない。


ただひとつ、わかることがある。


暗闇にいると──


耳元で、あの言葉が囁かれる気がして
、
毎晩……怖くてたまらない。


そして……


鏡に映る自分の顔、
その目が、
日に日に……


深く、黒くなっているような気がする。



🌱台本を読んでくださった方のご紹介

台本を読んでくださった方の音声作品のご紹介ページです(掲載は把握できている範囲に限られます)朗読していただきありがとうございます

雨岩たくみ様

宮乃森 美琴 様