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詩|桜を喰む (朗読可)



桜を喰む』(さくらをはむ)




花屋の前で立ち止まる

窓の向こう
整えられた花たち

色が揃い
香りが舞う

目を閉じる

ひとひら摘む

舌にそっとのせ

噛まずに
体温に
馴染ませる

指先には
やわらかさを残す

やがて
ひっそりと
喉が鳴る

香りだけが
口内で余韻となる

春が内側で
静かに崩れた

ゆっくり瞼を上げ
ガラス越しの花に目を戻す

あの花には
まだ誰もふれていない


桜を喰む


外から内へ春を運ぶ
咲き損ねた季節が
ここにある




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