月は累む(つきはかさむ)
一枚ずつ
何かを累ねる
儀式のように
声の抜け殻
乾いた記憶
名を失った温度
月は
踏み分けることなく
ただ
敷いていく
白は白のまま
花は花のまま
蜜を蜜とし
順を尋ねず
しゃがみこむ
夜がやわらかくなり
微睡むと
肌の奥で
過去が匂い立つ
月は累む
敷かれたものすべてを
剥がさぬように
乱さぬように
その上には
月だけが
置かれている
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