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詩|月は累む (朗読可)




月は累む(つきはかさむ)



一枚ずつ

何かを累ねる

儀式のように


声の抜け殻

乾いた記憶

名を失った温度

月は

踏み分けることなく

ただ
敷いていく

白は白のまま

花は花のまま

蜜を蜜とし
順を尋ねず

しゃがみこむ

夜がやわらかくなり
微睡むと

肌の奥で

過去が匂い立つ



月は累む


敷かれたものすべてを


剥がさぬように

乱さぬように


その上には

月だけが
置かれている




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