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繊細なままで生き抜くために。母が子に伝える、小さなお金のロードマップ

世間のキラキラしたFIREとはちょっと違う、敏感な我が子へ贈る「自分の身を守る小さなお金のお話」。
お父さんとのリアルな家計やり取りや、貯金の8割を投資に回した母の実体験から、無理なく自分の足で生き抜く知恵をそっと紐解きます。
小学生のゲーム感覚の積立から20代の複利へとつながる、温かくて現実味のあるロードマップです。


はじめに:世間の「FIRE」とは少し違う話

あなたが生まれたとき、世の中では「FIRE」や多様な生き方がブームになっていました。

世間では「半FIRE」や「サイドFIRE」なんてお上品な言葉が流行っていますが、私の実態はそんな綺麗なものではありません。生活の大きな基盤は、間違いなく、伴侶であるお父さんの収入に支えられています。

「使わないが一番」の夫と、家計を回す妻のリアル

お父さんは「お金は使わないことが一番安全」と思い込んでいる、超がつくほどの慎重さんです。 だからこそ、家計を管理している妻として、まずはつみたてNISAでたんたんと積み立てることから始め、さらに確定拠出年金の掛け方も、元本保証の保険から少しずつ株式へとスライドさせていきました。

正直、お金のことについて説明するたびに保守的なことしか言わないので面倒くさかったですが、お父さんはそういう人なので仕方ありません。

我が家では家計簿アプリを共有しているから、いつでもお互いに何に使ったかを把握しています。お互いのキャッシュの流れや生活の気配をその透明な画面越しに共有し合っている、これが我が家の実戦です。

「ひきこもり資金」を形にしていく楽しさ

そうやってお父さんの慎重さに向き合いながら、一方で私自身は、20代の頃にコツコツと溜め込んでいた貯金の8割を資産運用へ思い切って回しました。

そうやって自分のなかの「怖さ」も乗り越えて、いつでも社会の理不尽から身を引いて、自分の城にこもるための資金――いわば、「ひきこもり資金」を少しずつ形にしてきたのです。

……というのは、まあ半分本当で。 本当のところは、ただ単に、世の中のモノの値段が変わっていく中で、お金の価値が目減りしないように守る仕組みや、資本のめぐり方を勉強するのが面白すぎたからなんだけれど。

なぜ「ひきこもり資金」が必要なのか

効率や成果で判断する世界では、事実と解釈をきれいに切り分け、人を「機能」として割り切るほうが、物事はスムーズに回っていくのかもしれません。

けれど、私たちのような内省型で感受性が高い人間には、そのやり方はどうしても合わないのです。人の痛みや温度をまっすぐに受け止めてしまうからこそ、心をすり減らしてしまいます。

だからこそ、生活費のすべてを「労働収入」だけに依存させないことが大切です。労働という単一のパイプラインしか持たない状態は、繊細さんにとってリスクが高すぎます。生活基盤のほかに、資本所得という「第2の柱」の芽を小さくても持っておくこと。それが現実的な生存戦略です。

お金に救われた、あの日の記憶

綺麗ごとを抜きにして言えば、この「ひきこもり資金」があったおかげで、私は実際に救われました。

正確な数字は忘れてしまいましたが、収益から引いた損失――おそらく30万円ほどの痛みを伴いながらも、「もうここにはいられない」と思ったとき、収益の大部分を占めていたチームを自分の意思できっぱりと離れる決意ができたのです。

人から「使うことには慎重くせに、いざ使ったあとの潔さというか、執着なさすぎ」と呆れられたことがあるけれど、あのとき私に牙を向いて守ってくれたのは、組織の温情でも未練がましさでもなく、自分でこつこつ貯めて、パッと手放す覚悟を持てたその資金でした。

もし、昔の私がこういうマネーリテラシーをもっと知っていたら、まわりに合わせすぎず、やりたいことに身軽に飛び込めていたのにな、と思います。だから、もし同じ気質を持つあなたがいずれ必要になったときの参考として、お守り代わりにこの記録を残しておきます。

【小学生の頃】お小遣いの使い方と、ゲーム感覚の運用体験

お金について自分で理解できるようになり、外でお買い物ができるようになった小学生の頃。 その時期は、お小遣いをどう使うのか(消費・浪費・投資のバランス)を自分で考えたり、試行錯誤したりする最初のタイミングになります。

さらに、こどもNISAなどを利用しながら資産運用に触れてみるものの、きっとこの頃はまだ仕組みなんて深くは理解できないでしょう。だからこそ、難しいことは抜きにして、まずはゲーム感覚で自分の口座の数字がどう動くかを見てみるくらいでちょうどいいのです。

【高学年の頃】小さな商売と、メルカリを通じた経験

高学年くらいになれば、フリマアプリを使って実際にモノを販売する体験もしてみると面白いかもしれません。

今のメルカリはAIが発達しているおかげで、商品説明文をつくるのも、取引相手とのメッセージのやり取りも、昔に比べてだいぶラクにできるようになりました。だからこそ、信頼の積み上げ方や、自分の力で小さな商売を回してお金を稼ぐ感触をつかむ第一歩として、小学生のうちにぜひ経験してほしいなと思っています。社会の小さな仕組みを自分の手で動かす、新鮮な面白さを味わえるはずです。

【20代の頃】泥臭い経験と、自分の稼ぎで築く資産

仕方のないことですが、20代という時期は、どうしても泥臭い経験や予測できない環境に飛び込むことが増えていきます。

だからこそ、そこで消耗しすぎないための保険として、最低でも収入の1割は資産運用(つみたてNISAや配当株など)に回すことを自分のなかのルールにしておくと動きやすくなります。

もっとも、口座の数字を眺めては「たったこれだけのお金を毎月積み立てて、本当に増えるの?」「こんな地味なことで本当に積み上がるの?」と、最初は誰もが疑心暗鬼になるものです。

けれど、小学生の頃にゲーム感覚で触れていた記憶があるからこそ、20代になったとき、あのとき聞いた「複利」のありがたみに、頭ではなく実体験として気がつけるはずです。 それを踏まえて今度は自分の稼ぎをどう動かしていくか。時間そのものを最大の味方にして、自分の身を守る盾を大きくしていく時期になります。

おわりに

「いつでも自分の居場所を自分で選べる」という盾さえあれば、この生きづらい世の中でも、自分の感受性を殺さずに、凛と静かに生きていけます。

働き方は自分で選んでいけばいい。 それまで母は、淡々と暮らしと子育てを楽しみつつ、自分の足元を面白がってアップデートしていきます。

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tomori|いつか、あなたへ ここまで読んでいただきありがとうございます。 誰かにご馳走してもらうことが、私のエンジンです。 共感できたら、背中を押してください。いただいた温もりで、また書きます。