写真5年目で行き着いたカメラの設定
今回の記事では、僕が写真を撮り続けて5年間かけて行き着いた、実際のカメラ設定(露出モード)について書きます。
ある程度カメラの操作に慣れていて、絞り・シャッタースピード・ISO感度といった基本的な用語がわかる方向けの内容になっています。まだそのあたりが不安な方は、以前の記事から読んでいただけると理解しやすいと思います。
なお、僕はSONYのα7RⅤを使っています。そのため、ソニー以外のメーカーのカメラをお使いの場合、今回紹介する機能自体がなかったり、名前が違ったりすることがあります。あらかじめご了承ください。
それでは結論から書いていきます。
結論:絞り優先+ISOオート、ただしISOオート低速限界を都度調整、明るさの変更は露出補正を使う
僕が今行き着いている設定は、シンプルに言うとこうです。
絞り優先モードを使い、ISO感度はオートに設定する。ただし「ISOオート低速限界」だけは、被写体に応じてその都度サッと変更する。ダイヤルに露出補正を割り当て、明るさの変更に使う。
これだけです。ただ、この「ISOオート低速限界」という部分が今回の一番のポイントになります。
ISOオート低速限界とは何か、なぜ重要なのか
ISOオートモードには、たいてい「ISOオート低速限界(あるいは最低シャッタースピード)」という設定項目があります。これは、「シャッタースピードがこの数値より遅くなりそうになったら、その前にISO感度を上げて速度を保ってね」とカメラに指示しておく機能です。
これを撮影前にサッと設定しておくことで、あとは絞りだけを意識していればよくなります。逆にこれを設定していないと、絞り優先で撮っている最中に気づかないうちにシャッタースピードがどんどん遅くなっていき、「あれ、被写体ブレしてる」ということが普通に起きます。特に暗い場所や、レンズを絞り込んで撮っているときに起こりやすい失敗です。
また、ISOオート低速限界という設定にすぐにアクセスできるようにボタンの設定をしておくのも大事です。僕は人差し指の当たるボタンにマイメニューを開く操作を割り当て、そのマイメニューの中にISOオート低速限界を入れています。いちいち項目を探す必要もなく、カメラの持ち方を変えずに最速でアクセスできるようにしています。
ISOオート低速限界をあらかじめ決めておけば、この「気づいたらブレていた」という事故を防ぎながら、撮影者は絞り値の調整だけに集中できるようになります。
「ISO感度は100であるべき」という考えを捨てる
ここで一つ、大事な考え方の話をさせてください。
カメラの知識がついてくると、多くの人が「ISO感度はできるだけ低く、できれば100(最低値)にすべきだ」という考えに陥りがちです。実際、画質を最大限に良くしたいという意味では、この考え方自体は間違っていません。ISO感度を上げるほど、写真にはノイズ(ザラつき)が乗りやすくなるからです。
ただ、写真において大事なのは画質の綺麗さだけではありません。被写体によっては、画質よりも優先すべきことがあります。
例えば、動きの速い動物を撮るとき。ここでしっかり動きを止めて撮りたいなら、シャッタースピードを速くする必要があります。そのためには、ISO感度を上げてでもシャッタースピードを稼ぐべきです。ISO100にこだわってシャッタースピードが確保できず、被写体がブレてしまっては本末転倒です。
また、今の時代は現像ソフトによるノイズ除去性能が格段に良くなっています。以前ならISO感度を上げるとノイズが目立って諦めるしかなかった場面でも、今は現像時にかなりの部分をきれいに除去できます。この点も、「ノイズを恐れてISO感度を上げるのをためらう」必要が薄れている理由の一つだと思っています。
とはいえ、シャッタースピードの数値をいちいち確認しながら、その都度ISO感度のダイヤルを手動で回して調整していては、シャッターチャンスを逃してしまいます。
そこで活きてくるのが、先ほどのISOオート低速限界です。あらかじめ「このシャッタースピードより遅くなったらISOを上げる」というラインを設定し、ISO感度自体はオートにしておく。これで、撮影者は絞り値だけを意識していればよくなります。カメラが状況に応じて、勝手にISO感度で帳尻を合わせてくれるからです。
実際に僕が使っている目安は、こんな感じです。
動きの遅い動物を撮るとき:1/250〜1/500秒
素早く動き回っている動物を撮るとき:1/1000秒以上
特に動き物を狙っていないとき:1/焦点距離秒以上(例えば200mmのレンズなら1/200秒以上、という考え方です)
この数値はあくまで僕自身の経験から落ち着いた目安なので、被写体との距離や、どこまでブレを許容するかによって多少調整が必要になります。ただ、最初の基準としてはかなり使いやすい数値だと思っています。
レンズの焦点距離によっても、低速限界は変える
もう一点意識しているのが、レンズの焦点距離に応じてISOオート低速限界を変えるということです。先ほど「特に動き物を狙っていないときは1/焦点距離秒以上」という目安を紹介しましたが、これはまさに焦点距離とシャッタースピードの関係を表したものです。
望遠レンズになるほど、手ブレの影響が大きくなるため、同じ被写体ブレを防ぐにしても、より速いシャッタースピードが必要になります。逆に広角レンズであれば、多少シャッタースピードが遅くても手ブレしにくい傾向があります。
そのため、レンズを交換したり、ズームで焦点距離を大きく変えたりしたタイミングでは、ISOオート低速限界の値も合わせて見直すようにしています。
例外:じっくり撮る風景写真はMモード
ここまで絞り優先+ISOオートの話をしてきましたが、すべての撮影でこの設定を使っているわけではありません。
風景写真など、被写体があまり動かず、じっくり構図や設定を追い込んで撮れるシーンでは、マニュアル(M)モードで全ての値を自分で決めています。こういう場面ではシャッターチャンスを急ぐ必要がなく、逆にすべてを自分でコントロールした方が、狙った通りの一枚に仕上げやすいからです。
つまり、動きがあってスピード感が求められる撮影は「絞り優先+ISOオート」、じっくり向き合える撮影は「マニュアル」という使い分けをしているということです。
まとめ:設定に悩む時間が減り、撮影に集中できるようになった
この設定に落ち着いてから、撮影中に設定をあれこれ弄る時間がぐっと減りました。その分、目の前の被写体や、構図、シャッターチャンスそのものに意識を向けられるようになったのが、一番の変化だと感じています。
基本は絞り優先モード+ISO感度オート
ISOオート低速限界を、被写体に応じてその都度サッと調整する
「ISO感度は100であるべき」という思い込みを捨てる
レンズの焦点距離が変わったら、低速限界も見直す
じっくり撮れる風景写真などはマニュアルモードで対応する
5年かけてようやくここに行き着きました。この設定がすべての人にとっての正解ではないと思いますが、同じようにカメラの設定に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
