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タイムトラベラーNo.9:ロスジェネ says "Be Alright,Good Bye".~アジカン リクエストファン投票順に曲感想⑱~


タイムトラベラー

 喜多さん作&ボーカル曲。

 軽快な曲。とにかく楽しい。イントロのドラムプレイが良い。
 大サビ前の間奏でハードロック調になるお約束は、分かっていてもテンションが上がる。ギターやばい。ex『ダンシングガール』

 歌詞は、タイムトラベラーが

凍りつく大西洋を行けば
生き延びた動物たちのパラダイス

を発見する。…という絵空事を君が綴る、という内容。

光を導くもの 日陰でちょっと探す

という「暗い時間だってMY GENERATION」的なくだりがある通り、歌詞を読むと切実な願いの唄でもあることが良く分かる。

君が願うこと 聞かせてよ 今夜も

Be Alright

 ”オールライト”。アジカンを表現するこの言葉がここで出るのは驚いた。
(ゴッチの著書『何度でもオールライトと歌え』、♪『All right part2』、その他歌詞に書いてないものも含めて曲に「オールライト」は頻出)
 
 イントロから鳴っているのはパイプオルガンか(ゴッチ曰く「チャーチオルガン」)。実物を使ったわけではなく、キーボードのサポートメンバーさんが弾いてくれたらしい、ありがとうございます!!
 お互いを讃える曲に相応しいアレンジだと思う。

 歌い出しから、健さん(喜多健介)のギターによるワンフレーズが繰り返される。これがまた良い。アウトロにも登場する。

予定もなくなって あの頃に僕らは
「会いたい」なんて シンプルな言葉を手にして

だけど ここに集ったろう そうさ
We gon be Alright

また散らばっても そうさ
We gon be Alright

 今作は、ライブが中止になったりしたコロナ禍を経ての再集結、そしてまたあのようなことがあっても再び集まれるだろう、というメッセージが良い。

 大サビの大合唱で胸が熱くなる。

 アウトロは、先に挙げた健さんのギターによるワンフレーズ、そしてピアノが、優しさや温かさを感じる余韻を残していると思う。
 ただ一方で、切なさや寂しさも感じるのは私だけだろうか。 

 今回はとくに、アルバム『プラネットフォークス』のライナーノーツが結構参考になった。リンク先は『Be Alright』。


トラべログ

 アルバム『ワールド ワールド ワールド』の前半クライマックス。

虚構の街を遠く眺めて
画面をさすらう ふらふら
眼孔の奥に飛び散るのは余計な字面
熟々 想うよ

の部分の、ギター(00:26~00:50)。そして

手触りのない そんな言葉の飽和
埋もれるよ いつも

の「いつも」と次のメロの繋ぎの部分のドラム(01:02~01:05)が好き。

 ここまでの歌詞は、ネットあるいはゲームの世界の描写だと思われる。画面には風景(虚構の街)だけでなく、「余計な字面」が散らばっているというわけだ。「字面」→「じづら」→「つらつら」と続く言葉遊びも秀逸(「熟々」と書いて「つらつら」と読むの知らなかった…)。


 サビについて、下記の歌詞の部分。

一瞬の邂逅を
告げるサヨナラを

 「サヨナラを」の、ゴッチのボーカルとギターのハモリが気持ち良い。気持ち良いハモリのお手本という感じ。

そして、いわゆるブリッジ(?)の部分。

路面 湿った雨の匂い
嗅覚で そう 未来を知る
電線の共鳴 風の道
嗅覚で そう 現在に出会うよ

ここ好きすぎるなあ。

 右耳から聴こえるギターの「フワフワ」した感じもいい。MVを作るんだとしたら『ブルートレイン』的なものが良さそう。

 ラストサビに入るときのテンポが良い。これはアジカンの特徴だったりするのかな。

No.9

 奇しくも、アルバムと同じ順序になった。

 前曲『トラべログ』から、曲間ほぼなしでドラムからスタートしているように聴こえる。

 アルバムの前半で「外に出よう」(大意)という結論になった矢先に、沖縄の平和祈念公園から見た青へと景色が飛ぶ。
 だいぶ遠いところまで「トラベル」してきたんだな、という印象を持つ。で、次の曲『ナイトダイビング』は自分の生活圏内に戻って、夜の街を行くことになる。さて、この曲についての考察を進めよう。


 何気なく聴いていたけど…

ミスター・パトリオット
もう誰も泣かさないで
錆び付いた手で もう何も壊さないで

 サビで帯同するギターとベースで、似たフレーズを繰り返しているようだ。ここ気持ち良いな!!踊れる!!

 歌詞は重いが、踊れるダンスロックになっていると思う。

ゴッチ曰く
「当時は、こんな悲しくて切実な曲で踊ってみせることに意味があると考えていた」(注:『Wonder Future』の曲解説『芋虫』回答編にて)


さよならロストジェネレイション

<<いつかは全部全部全部全部なくなってーそれでもせめてー。>>

 ダルそうな歌い方がアジカンの魅力の一つ。台詞みたいな歌。ポエトリーリーディングというやつか?これ以前のアジカンにはなかったタイプの曲だなと思う。

 右耳から聴こえる高いギターの音色が優しい。(アルペジオ?)

 そして、とにかく歌詞が良い。

「将来の夢を持て」なんて無責任な物言い
1986に膨らんだ泡と一緒に弾けたの

のところなんか、何もかも上向きだった時代を忘れられない大人や為政者たちに対する静かな怒りのようなものを込めて歌いたい(←おまえが?)。

 とはいえ、いざというときは、自分で踏み出すしかないんだよな。

神様気取りで深く暗い沼の「自分探し」より
窓を開け その外側は何処へだって続いている

 んだからさ。

 「暗い」なんて君が嘆くような時代、もう僕らで終わりにしたいぜ。

 過去をいつまでも思い出したり自分探しに費やしたり、そういうタイムトラベラー「ばかり」にならずに、「現在(いま)を生きることに何か希望を感じたい」よね。

さあ、檻を出よう。そして

<<君に会いに行こう>>


おわり


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