見出し画像

今年はMUSIC AWARDS JAPANの投票メンバーに選んでいただいたので、自分なりのエントリー作品投票の印象をまとめておきたいと思います。

今年のMUSIC AWARDS JAPAN 2026では、大変恐縮なことに投票メンバーの一人に選んでいただきました。

「何でお前が?」という皆さんのお叱りや困惑の声が聞こえてきそうではありますし、正直私自身が一番驚いたんですが。

多分私が選ばれたのは、MUSIC AWARDS JAPANの投票制度の仕組みについても、ある程度理解して記事を書いてほしい、というCEIPAさんからのメッセージだと思いますし、投票メンバーに選ばれたことを記事で書いても良いと事務局の方に言われたので、まずは自分でエントリー楽曲への投票を終えた感想を開示可能な範囲で皆さんに共有しておきたいと思います。


投票メンバーに選ばれた経緯

まず、投票メンバーに選ばれた経緯ですが、ある日突然「投票メンバー登録のお願い」というメールが届きました。
正直、投票メンバーは音楽業界関係者だけだと思ってたのに、私のようなただのブロガーに何で?と思って、サイトもいろいろ調べたのですが、実は投票メンバー規定にはノミネートされたアーティストや関係者以外にも合計で9つのグループがありまして。

私はおそらくは7番目の「国内音楽業界関係者」の最後に記載されている「実行委員会で選定したメディア、ライター」というところで選んでいただいたのだと思います。

実際、個人的にも昨年のMUSIC AWARDS JAPANについては、Yahoo!ニュースに8本、言及した記事を入れるとnoteでも数十本と、日本のメディアの中では記事をたくさん書いた方の人間だとは自負していたので、そこを評価して頂いたものと思います。
音楽業界としては完全にアウトサイダーな人間である私を、音楽人5,000人の中に選んでいただいたのは大変光栄です。

一方で、今までは完全に部外者ということで好き勝手に記事を書かせていただいてもいたので、これはCEIPAさんからの「そこまで書くなら、ちゃんと中の仕組みも理解して書いてね」というメッセージなんだろうなとも受け止めました(汗)
 

実際に投票をしてみた率直な感想

で、実際にエントリー楽曲を投票させていただいた感想ですが。
想像以上に大変でした。

なにしろ、私の場合でも主要部門で5部門(Global Hit from Japanは海外の人が投票)、それ以外にも任意ですが35部門が投票対象部門になります。

投票自体は投票専用のウェブサイトが作ってありまして、ちゃんと1部門ずつ投票が終わるとチェックマークが付いて分かりやすい仕組みになっているので、投票システムのストレスはほとんど無いのですが、数が多いので大変です。

何しろ全78部門ですからね。
投票者によって対象部門数は異なるんだと思いますが、忙しいアーティストの方々がこの投票にコミットされるのは大変だろうなと思いますし。

つい部外者の立場からは、あんな部門も欲しい、こんな部門も欲しいと、勝手に希望を書いていましたが、実際に投票する側になってみると、これはあまり部門を増やしすぎると投票する側の精神がもたないな、とも思ってしまいました。 

また「音楽的に創造性、芸術性が優れていると思う楽曲/アーティストへの投票」を求められているのですが、私のような人間が音楽の創造性や芸術性を評価するのはお門違いだなと言うのもあり、個人的な投票はMUSIC AWARDS JAPANのコンセプトに照らして世界とつながろうという努力をしているアーティストや楽曲を中心に投票をさせていただきました。
 

投票のルールや仕組みについて

なお、実際に投票してみて良くできてるなと思ったのが、「エントリー作品/アーティストの中から最低2票〜最大5票を投票するものとする」という点。

発表会でも、自分に入れても良いんですよと言うやり取りがアーティストの方々となされていましたが、1票だけで投票できてしまうと自分だけ投票で終わってしまうリスクがあるところ、最低でも2票は入れないといけない仕組みなので、少なくとも自分以外のアーティストに1票は入れなければいけない構造になっているのは良いなと思いました。

ちなみに、投票システムはシンプルですけど本当に良くできていて、1つしか選ばないと先に進めませんし、6個以上は自動的に撥ねられるので、間違いは起こりにくい仕組みになってると思います。

また、主要部門以外の部門の投票が「任意」になっているのも重要だなと思いました。

私は今回初体験だったので、最初は全部門投票しなければいけないと思い込み、ほとんど楽曲を知らない部門についても、なんとか投票するべきなのかな、と悩んでしまったんですが。
それで無理矢理投票すると、結局知ってる曲にしか票を入れられないので、認知度が高い曲への投票に偏ってしまうリスクがあるんですよね。

あまり良く知らない部門についてはあえて投票しない選択をして、詳しい方にお任せした方が良いんだろうなと判断して、いくつかの部門は投票をしないことにしました。
(個人的には、その部門の楽曲を10曲以上知らないと投票できないという形にして、詳しい人だけがその部門を投票するようにしても良いのではないかなとも思いました。)
 

日本音楽の未来のために

なお、素敵だなと思ったのが投票システムの「はじめに」の画面に、「MUSIC AWARDS JAPANは、世界とつながり音楽の未来を灯す。というコンセプトのもと、投票メンバーの皆さまからの投票によってノミネート作品および最優秀受賞作品を決定いたします。」という文章とともに、その下に大きな文字で

日本音楽の未来のために、ご投票をお願いいたします。

と書いてあるんですよね。
これを見てから投票するのとしないのとでは投票に対する姿勢が変わるだろうなと、ちょっと感じてしまいました。

もちろん、MUSIC AWARDS JAPANの仕組みや体制に様々な批判があるのは認識していますし、今回投票メンバーに選んでいただいたことで、私自身も部外者として気軽に批判したり批評する側から、若干インサイダー寄りの人間として見られる側にシフトしてしまっているわけですが。

MUSIC AWARDS JAPANの基本的にはエントリーされたアーティストや音楽家同士がお互いに投票するという仕組みは非常に公平ですし、投票の仕組みに監査法人まで入れてちゃんとチェックしているという意味では、日本を代表する国際音楽賞の一つとして正しい道を歩んでいるように感じます。

もちろん、一方でビルボードジャパンのデータや投票という「量」を軸にした選考プロセスにより、漏れてしまうアーティストや楽曲もあるのも事実だと思うので、そうした曲を選ぶ音楽賞も別の仕組みで検討する必要が出てくるのかなとも思います。

MUSIC AWARDS JAPANとしても去年はYMOをシンボルとして取り上げ、タイムレスエコーとして矢沢永吉さんに出演してもらっていましたが。

今年もそういう企画をどう組み合わせて、「量」を評価するだけのアワードにしないように工夫されてくるのかにも注目したいと思います。

なお、今日21時からの雑談部屋「ミライカフェ」では、皆さんとこのあたりの雑談もできればと考えています。
タイミングが合う方は是非ご参加下さい。



いいなと思ったら応援しよう!

徳力基彦|エンタメビジネスウォッチャー ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このnoteでは、日本のエンタメのミライを密かに応援すべく公開メモを綴っています。 XのスペースとYouTubeライブで雑談部屋も開いてますので、よければ是非ご参加下さい。