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84代続く「事業承継」——出雲大社・千家家に学ぶ、後継者育成の本質

こんにちは!事業承継・相続に活用できる保険の専門家
事業承継のとくよし(@tokuyoshi_bs)こと、徳吉裕介です。

このnoteは日本一の保険営業マン・事業承継・資産運用のプロである私が、経営者・税理士・会計士向けに保険を活用した事業承継や資産運用のノウハウをお伝えしていきます。

先日、少し面白い雑学を耳にしました。「神社庁」という名前の組織があるけれど、あれは国の行政機関ではなく、宗教法人だという話です。

たしかに紛らわしいですよね。「〇〇省」「〇〇庁」と聞くと、つい国の機関を思い浮かべてしまいます。でも神社本庁(いわゆる神社庁)は民間の宗教法人で、全国約8万社の神社を包括する立場にあります。

この話を調べていくうちに、行き着いたのが伊勢神宮と出雲大社でした。そして気づいたのです。これはまさに「事業承継」の話だ、と。

筆者自身、皇室にゆかりのある方と接点を持たせていただく機会があり、伊勢や出雲といった「格式」の重みを肌で感じることがあります。数字や制度だけでは説明できない、何百年という時間が積み重ねてきた信頼——これは中小企業の事業承継を考えるうえでも、実は大きなヒントになります。



■ 伊勢神宮という「別格」

伊勢神宮は、神社本庁において「本宗(ほんそう)」という特別な地位にあります。全国8万社の頂点に立ち、天照大御神という皇室の祖神を祀る、日本神話上もっとも重要な神社です。

宮司には皇族または皇族に近い方が就任する慣例があり、他の神社とは一線を画す存在として扱われてきました。いわば「国全体の氏神」のような位置づけです。

■ 出雲大社と、千家家という「事業承継」

一方の出雲大社は、大国主大神を祀る神社です。国譲り神話——天照大御神に国を譲った側の神として知られ、伊勢とはある意味で対をなす存在とされています。

そして筆者が特に注目したいのが、出雲大社の宮司を代々務めてきた「千家(せんげ)家」の存在です。大国主大神の子孫と伝えられ、その世襲は実に84代続くともいわれています(諸説あり)。

【千家家の世襲に見える「事業承継」の要素】 ・経営理念(信仰)が変わらず引き継がれている ・屋号(社号)がブランドとして代々維持されている ・後継者教育が生まれた瞬間から始まっている ・無形の信用が、何百年もかけて蓄積されている

これは中小企業経営者が頭を悩ませる「事業承継」の要素と、驚くほど重なります。

■ 中小企業の事業承継との対比

もちろん、千家家の世襲と一般企業の事業承継を単純に比較することはできません。千家家の継承は「血統の正統性」という、お金でも制度でも代替できない資産によって支えられています。

一方、中小企業の事業承継は、後継者不在・株価評価・相続税といった、極めて現実的な壁と向き合わなければなりません。帝国データバンクの調査によれば、2025年時点で後継者不在率は50.1%に上り、同族承継(32.3%)よりも内部昇格(36.1%)が上回る「脱ファミリー化」が進んでいるとされています。

つまり、多くの企業にとって「血統」による自然な継承はもはや前提にできない、というのが現実です。

■ 「意図的な設計」でしか継がせられないもの

だからこそ、私たちが学ぶべきは千家家の血統そのものではなく、その「継承の構造」だと筆者は考えています。

千家家が幼少期から後継者教育を行ってきたように、一般企業も後継者育成を「自然に任せる」のではなく、意図的に設計する必要があります。

・後継者にいつから、何を教えるか ・経営理念やブランドをどう言語化し、引き継ぐか ・自社株の評価や税務上の論点をどう整理しておくか ・退職金や保険を活用した資金準備をどう組み立てるか

血統という土台を持たない企業だからこそ、こうした一つひとつを制度的に設計し、専門家と連携しながら備えていくことが、承継の成否を分けます。

■ おわりに

出雲大社の千家家という、日本で最も長く続く「事業承継」の物語は、私たちに継承の本質を静かに問いかけてくれます。

血統ではなく、意図的な設計によってしか継承できない普通の会社にとって、今日から何を準備できるか。それこそが、経営者ご自身と、支える専門家に問われていることではないでしょうか。

※本記事の税務・法律に関する記載は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断については税理士等の専門家にご確認ください。

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