入院日記 ⑤ 見たかった手術、そして長い一日 ー 2026/6/25(木)R8
今日は肩の手術の日だった。
朝から絶食、11時から絶飲となったが、思っていたほど空腹はつらくなかった。
午前中はラウンジで過ごした。
登録販売者の勉強を進めるというより、自分の体の中で起きていることを考えていた。
肝臓や膵臓、消化の仕組み。
食べ物が入らなくなった今、体はどのようにエネルギーを使っているのだろう。
そんなことを考えながら、自分なりに気持ちを整理し、noteの記事も書いた。
それらは11時までには一段落した。
11時からは飲み物も飲めなくなり、病室へ戻った。
そこからが長かった。
勉強をする気にもなれず、ただベッドの上で過ごした。
手術は午後1時開始の予定だったが、予定より遅れていた。
トイレのことも気になる。
いつ呼ばれるだろう。
今だろうか。
まだだろうか。
時計を見るたびにそんなことを考えていた。
やがて手術に向けた準備が始まった。
手術着に着替える。
血栓予防のための弾性ストッキングを履く。
髪をまとめてもらう。
もういつでも手術室へ行ける状態になった。
それでも、まだ待つ。
準備が終わってからの時間は、不思議なくらい長く感じた。
ようやく呼ばれ、看護師さんと一緒に手術室へ向かった。
手術台には自分で上がり、自分で横になった。
機械が取り付けられ、点滴がつながれる。
その時、手術室には独特の音楽が流れていた。
クラシックではない。
ロックとも少し違う。
どこか闘いへ向かうような、不思議な音楽だった。
先生はその音楽に集中しているようだった。
私は以前から、できることなら手術を見てみたいと思っていた。
もちろん現実には無理だと分かっている。
それでも、自分の肩の中で何が行われるのか見てみたかった。
手術が怖いというより、純粋に知りたかったのである。
骨はどんな状態だったのか。
どのように戻したのか。
プレートはどう付けたのか。
私はこれまでいろいろ調べてきた。
だからこそ、自分の場合は実際どうだったのか知りたかった。
しかし、それを見ることはできない。
麻酔科の先生から声をかけられた。
「麻酔を入れますよ」
その後の記憶はない。
次に気が付いた時、私は自分の病室にいた。
手術室を出た記憶もない。
病室へ戻った記憶もない。
右手には点滴。
肩には手術の跡。
足には血栓予防の機械。
それらを見て、
「ああ、終わったんだ」
と思った。
そして片手でLINEやメールを打った。
心配してくれている人たちに、無事終わったことを伝えたかった。
今こうして振り返ると、不思議なことに、私の中には恐怖の記憶があまりない。
長い待ち時間。
独特な音楽。
気が付いたら病室だったこと。
そして、
「見たかったな」
という気持ち。
もしもう一人の自分がいて、手術を見学できたらどんなに面白かっただろう。
そんなことを考えている。
きっと私は、怖がるより先に知りたくなる人間なのだろう。
今日はそんな一日だった。
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