第三章:悪役のオーディション 〜そして誰も悪くなかった〜
「どうして私が“悪い役”?……え、立候補してたの?」
悪役になりたかったわけじゃない。でも誰かが演じなければ、物語は動かない。――これは、愛されなかった者たちの祈りと赦しの物語。
人間目線(トラウマ持ちの被害者A):
あの人さえいなければ…。
あの出来事さえなければ…。
何度も何度も、心の中で誰かを責めてきた。
もう許せない。いや、たぶん一生ムリ。
そんな気持ち、あるよね。
でも、ある日ふと聞こえた気がしたんだ。
「あの時、イヤな役引き受けてごめんな」って。
……は? 何それ? ドッキリ?
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神目線(キャスティング担当):
そやそや、それやねん。
ほら、「今回は君、悪役でお願いできる?」って相談したらさ、
「あー…またかぁ。でもまあ、ええで」って快く受けてくれたんや。
悪役、ほんま大変やで?
ブーイングは浴びるし、評価は下がるし、カルマも重い。
でもその分、誰かの覚醒の鍵になるんや。
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人間目線(気づきかけた側の人):
じゃあ、あの人は…自分を犠牲にしてでも、私を目覚めさせようとして…?
……いやいやいや!でもあれは!暴言もあったし!
トウモロコシ投げられたし!(※猿ではない)
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神目線(記録係兼フォロー担当):
うん、それも台本通り。
ただし、人間目線では未完の台本や。
その真相に気づくかどうかは、君の人生という舞台の進行次第。
「許し」ってのは、思い出せなかった愛を、もう一度発掘する作業なんよ。
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人間目線(許す寸前の観客兼役者):
もしあの時、台詞を間違えたのが私だったら?
もし、あの人の本当の役は“試練の扉”だったとしたら?
……
わからないけど、
ちょっとだけなら――憎まないことを選べそうな気がした。
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ナレーション:
コントの中で悪役を引き受けた魂たち。
彼らは今も、舞台袖で静かに見守っている。
「怒ってくれてよかったよ」
「泣いてくれてありがとう」
「ちゃんと進んでるから大丈夫」
そんな声を、君は風の中に感じたことがあるだろうか。
そして――
許したとき、世界の台本は一行、静かに書き換えられる。
