Photo by
lemonysnow
病院物語(十四日目)
しかし、それは長く続かなった。洋子ねーさんはじっと僕を見つめていた。
その愛くるしい顔を見ていたら、心の底から何やら蜃気楼みたいにもやもやっとしたものが湧いてきた。顔が上気してくるのがわかる。
「何か用。」僕の変化を悟られまいとして少々ぶっきらぼうに聞いた。洋子ねーさんはまだ僕の顔をしげしげと眺め続けた。
そして唐突に「太郎くーん、どうして顔が赤いの。」と聞いた。
僕は大変うろたえて、なんでもないや、と少々どもりながら参考書やらノートやらをそそくさとバックに放り込んで、一目散に部屋へと駆けた。後ろから、走らないでという声が追いかけてきた。
