【好奇心のままAIに聞く[076]】学んでも食べていけない学部は?~AI時代に価値が薄れる技能と、進学先は何を見て選ぶべきか~
【前置き】
この記事は、筆者がChatGPTに日常の疑問を質問し、その回答をもとに、筆者が感想等を加えたものです。
AIの回答には誤りが含まれる可能性があります。
内容には検証をしていない知識が含まれます。
ご承知の上で、知的好奇心を刺激するある種のフィクションとしてお楽しみください。
「わかりやすさ」と「読みやすさ」を追求するため、以下の流れで記載しています。
1 私(人間)の質問【人間作成】
2 背景【人間作成】
3 AIが2名分のペルソナ(仮想人格)として対話をしつつ解説【AI作成】
(再質問がある場合、再質問として1、3を再実施)
4 私(人間)の感想【人間作成】
5 評価検証用AIが別のペルソナ(仮想人格)として質問と回答を検証・評価【AI作成】

チノーちゃん:解説役AI。基本的に質問には彼女に答えてもらいます。

ムーノちゃん:会話の相手役AI。チノーちゃんの解説への合いの手や、フォロー、補足をしてもらうためのAIです。

ヒョーカちゃん:質問回答そのものを評価検証する役のAI。チノーちゃんの解説、質問自体への評価をしてもらうためのペルソナです。検証・評価はClaudeにしてもらっています。
【最初に結論:この記事3行でまとめ】
学校や資格が存在しても、卒業生が安定して働けるだけの正規雇用が用意されているとは限りません。
生成AIによって価値が下がりやすいのは学問そのものではなく、「決められた手順を正確に再現すること」を専門性の中心にしている教育です。
これからの社会人には、専門知識に加えて、AIへ仕事を割り振り、出力を検証し、仕事全体の工程を設計する「AIの管理職」としての能力が求められます。
1 今回の質問
現代日本で、「学んでも、就職先で十分な収入を得られない学部や学校」は、どのようなところがあるでしょうか?
難しいと思いますが、「想定している職業の多くが、生活をするには収入が低いにもかかわらず、専門学校や学部として学生を募集している学問」について、収入の低さ、つまり、その職業で生活していけない度合いを基準として、ランキング形式で10位から1位まで教えてください。
なお、文学部など、もともと就職先と直接勤務先が明確につながっていない学部は除きます。
2 背景
職場の先輩が、「中学生の息子が動物園の飼育員になりたいと言っていたが、実際に食える仕事かどうか調べてみたら、パートの人が多くて、今では食っていくのは厳しいらしい」と言っていました。
私は中学卒業後、高校ではなく工業高専に進学し、5年間機械工学を学んだ後、大学に3年次編入して、2年間だけ大学生活を送りました。
大学の学部は「図書館情報学部」。
つまり、機械関係の就職に有利な学校を卒業した後、進路変更をして司書の勉強をしたことになります。
結局、機械関係の職には就かなかったのでそちらは分かりませんが、「図書館司書」の方は、ほとんどが非正規雇用や1年間の任期付職員で、先の「動物園の飼育員」と同様に、生涯の収入源とするには厳しい職となってしまっています。
思えば、世の中には「医学部」「法学部」など、高給取りなイメージがある職業につながる学部がありますが、例えば「eスポーツ専門学校」など、食えるのか分からない学校もあります。
そして、生成AIの登場や、フィジカルAIが出てくることにより、より一層、「その学問が想定している仕事は、多くが単価が崩れる」といった学問が出てくると思います。
もちろん、大学は就職のための準備機関というわけではありませんから、それだけで「価値がない」と考えるつもりはありません。
しかし、親世代は一昔前の常識で「○○学部」の将来性を考えてしまうため、現在の学問と、想定している就職先の「現実」について気になったのがきっかけです。

3 回答(ChatGPTによる回答)
「年収が低い職業」と「正規職に入れない職業」は違う
【ムーノちゃん】
かなり難しいランキングだね。
単純に平均年収が低い順に並べればよいわけではないんでしょう?
【チノーちゃん】
そうです。
平均年収だけを見ると、すでに正規職へ入れた中高年の給与が数字を押し上げます。
司書、学芸員、飼育員などの本当の問題は、給料が極端に安いこと以上に、常勤の入口が狭く、資格を取っても職に就けないことです。
そこで今回は、次の四点を総合して順位を付けます。
第一に、想定職種の常勤採用枠がどれだけあるか。
第二に、非正規、任期付き、業務委託になりやすいか。
第三に、就職後の収入で単身生活を維持しやすいか。
第四に、学費や修学年数に対して、資格や学歴が収入へ結び付くかです。
【ムーノちゃん】
つまり、「価値のない学問ランキング」ではなく、学校が示す代表的な職業一本で生活しようとした場合の危険度ランキングなんだね。
【チノーちゃん】
そのとおりです。
同じ学部でも、周辺分野へ進めるカリキュラムなら危険度は下がります。
逆に、「夢の職業だけ」を出口にしている課程ほど危険です。
第10位 製菓・パティシエ系専門学校
【チノーちゃん】
パティシエは、就職先そのものはあります。
しかし、厚生労働省のjob tagでは、令和6年度の求人賃金は月額21.8万円、有効求人倍率は1.55倍です。また、入職時に資格や学歴を必要としない職場もあります。つまり、高額な専門学校へ通わなくても入れる仕事に、先に大きな教育費を払うという問題があります。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/3
ただし、ホテル、大手食品会社、工場の商品開発、製造管理まで視野に入れれば、比較的安定します。
個人洋菓子店の職人一本に絞るほど、危険度が上がります。
【ムーノちゃん】
「仕事がない」というより、学校へ払った費用ほど資格の希少価値が高くないということだね。
第9位 トリマー・ペット美容系専門学校
【チノーちゃん】
令和6年度のハローワーク統計では、トリマーの求人賃金は月額20.9万円、有効求人倍率は0.75倍です。動物を扱う責任、立ち仕事、清掃、飼い主への接客まで含む割に、初期の賃金は高くありません。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/227
ペット需要があるので、完全に仕事が消える職種ではありません。しかし、「動物が好き」という応募者が多く、好きであることを理由に低賃金を受け入れやすい業界でもあります。動物看護、店舗運営、販売、衛生管理まで学べる課程なら、多少安全です。
【ムーノちゃん】
好きな人が多い仕事ほど、雇う側が高い賃金を出さなくても人が集まってしまう面があるんだね。
第8位 ネイル系専門学校・民間資格スクール
【チノーちゃん】
ネイリストは、法的に必須となる学歴や国家資格がなく、検定も民間資格です。それでも、専門学校やスクールへ数十万から数百万円を払う例があります。令和6年度の求人賃金は月額23.9万円、有効求人倍率は0.36倍です。
job tagの就業形態調査では、パート、自営・フリーランス、アルバイトも相当数を占めます。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/Occupation/Detail?occupationId=128
技術だけでなく、固定客の獲得、SNS発信、予約管理、立地選びなど、小規模事業者としての能力が収入を左右します。技術資格を取れば会社が安定雇用してくれる、という構造ではありません。
第7位 マンガ・イラストレーター養成課程
【チノーちゃん】
ここからは、「就職」という仕組み自体が弱くなります。job tagの就業者調査では、イラストレーターについて、自営・フリーランスが88.7%、正規職員が7.5%と回答され、令和6年度の有効求人倍率は0.06倍でした。企業に雇われるより、作品単位で仕事を受ける世界です。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/342
さらに生成AIによって、簡単なカット、背景、広告素材、仮案などは供給量が急増しています。トップ作家の価値がなくなるわけではありませんが、新人が経験を積むための低単価案件ほど圧迫されやすいと考えられます。
【ムーノちゃん】
絵が上手になれば就職できるのではなく、営業、契約、発信、顧客管理まで、自分でしなければならないんだね。
【チノーちゃん】
しかも、「上手い人」は毎年大量に出てきます。
絵を学ぶなら、3DCG、UI、映像編集、広告制作など、企業内職種へ接続できる技能も必要です。

第6位 音楽大学・音楽専門学校の演奏家養成課程
【チノーちゃん】
特に危険なのは、演奏家一本の進路です。日本オーケストラ連盟加盟団体は約40、楽団員は約2,300人とされます。大規模楽団では固定給の例もありますが、中小楽団では業務委託が多く、複数の演奏、講師、アルバイトなどを組み合わせて生活する人も少なくありません。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/573
音大で何年も訓練したからといって、演奏市場そのものが広がるわけではありません。学校教育、音響、作編曲、音楽療法、イベント運営などへ広げられる人と、「演奏家以外は敗北」と考える人とで、その後が大きく分かれます。
第5位 司書課程・図書館情報学系の「司書就職一本型」
【ムーノちゃん】
いよいよ司書だね。これは、質問者さん自身が体験した問題でもあるね。
【チノーちゃん】
はい。文部科学省も、司書資格を得ただけでは司書として採用されるわけではなく、自治体や法人の採用試験を受け、図書館へ配属される必要があると説明しています。また、公立図書館では、職員全体が増えても正規職員は減少し、非常勤や委託などの非正規職員が増えてきたことが審議会で指摘されています。
参照URL:
https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/gakugei/shisyo/index.htm
司書資格は比較的多くの大学で取れる一方、正規司書の欠員は毎年それほど出ません。そのため、正規採用試験を何年も受ける、年度任用職員や指定管理者の契約職員になる、図書館以外の一般職へ進む、という分岐が起きます。
率直に言えば、質問者さんが感じた、「学んだ職業が生涯の収入源になりにくかった」というのは、個人の努力不足ではなく、資格供給数と正規雇用枠が釣り合っていない構造的問題です。
ただし、図書館情報学そのものは、情報検索、分類、アーカイブ、データ管理、知識組織化などへ展開できます。危険なのは学問ではなく、司書以外の出口をほとんど教えない課程です。
第4位 動物園・水族館飼育員養成課程
【チノーちゃん】
動物園飼育員は人気が高い一方、国内の動物園数は大幅には増えず、欠員も頻繁には出ないため、募集人数が限られます。job tagでも、就職希望者が多く、採用は狭き門であると説明されています。統計上の求人倍率は0.82倍ですが、これは動物園飼育員だけでなく、より広い動物飼育職を含む数字なので、注意が必要です。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/220
水族館も、新設時や欠員時の採用に応募が集中します。公立施設に採用されても、必ず飼育部門へ配属されるとは限りません。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/224
【ムーノちゃん】
先輩の息子さんの話は、かなり現実に即していたんだね。
【チノーちゃん】
ええ。ただし、「飼育員になりたいから諦めさせる」が正解ではありません。生物学、獣医学、畜産、水産、環境教育などを学び、飼育員になれなくても別の職に移れる進路を選ぶべきです。
危険なのは、飼育員になることだけを目的にした高額な専門課程です。

第3位 学芸員課程・博物館学系
【チノーちゃん】
学芸員は、採用された後の待遇だけを見ると、公務員や大学職員など、比較的安定した例もあります。しかし、そこへ入るまでが極端に狭い。
令和6年度の有効求人倍率は0.21倍です。job tagは、学芸員資格を取得できる課程や資格保有者が増えている一方、求人数は釣り合わず、大学院修了や研究実績が求められることも多いと説明しています。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/185
つまり、大学で資格を取得し、大学院へ進学し、研究実績を作り、任期付きや非常勤を経験して、それでも常勤になれるとは限らない、という長い経路になりやすいのです。教育投資の大きさを考えると、司書や飼育員以上に厳しい場合があります。
第2位 声優専門学校・声優養成所
【チノーちゃん】
声優は、「就職先の給料が低い」というより、そもそも通常の雇用関係になりにくい職業です。事務所所属も社員採用ではなく、マネジメント契約やエージェント契約が中心です。仕事ごとの報酬で、継続的な出演を得られる人は限られ、別の仕事で生活費を補う人も多いとjob tagは説明しています。さらに、AI音声による代替も課題として挙げられています。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/582
学校卒業はスタート地点ですらなく、専門学校卒業、養成所、事務所の所属審査、オーディション、単発出演、継続案件の獲得という多段階選抜になります。
【ムーノちゃん】
「就職率」では測れない世界なんだね。
【チノーちゃん】
そうです。「事務所所属」を就職と呼んでも、翌月から生活費を稼げる保証はありません。演技に加えて、動画制作、配信、音響編集、ナレーション営業などを持たなければ、生活基盤を作りにくいでしょう。
第1位 eスポーツ専門学校の「プロゲーマー専攻」
【チノーちゃん】
第1位は、プロ選手になることを主目的としたeスポーツ課程です。
eスポーツ市場や大会そのものは実在します。財務省の資料でも、大会賞金、チーム給与、スポンサー、動画配信、イベント収入など、複数の資金経路が示されています。国内大会で数万人を集める例もあります。
参照URL:
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202305/202305j.pdf
しかし、これは一般的な職業資格市場ではありません。卒業証書が採用条件になるわけでも、学校で一定の成績を取ればチームへ入れるわけでもありません。
しかも、選手としての価値は、特定ゲームの競技人口、運営会社の方針、大会やリーグの存続、チームのスポンサー、本人の年齢と反応速度、配信者としての人気に大きく依存します。
要するに、プロ野球選手や芸能人を養成する学校に近い。市場が存在することと、卒業生の多くが生活できることは、まったく別です。
【ムーノちゃん】
ただ、eスポーツの学校全部が駄目ということではないんでしょう?
【チノーちゃん】
もちろんです。大会運営、映像配信、動画編集、ネットワーク管理、ゲーム開発、営業、実況などを学び、一般企業にも移れる課程なら話は違います。
危険なのは、「プロゲーマーになる夢」を中心商品にして、他業種へ持ち出せる技能が乏しい課程です。

美容師や調理師をランキングへ入れなかった理由
【ムーノちゃん】
美容師や調理師も大変そうだけど、ランキングには入らなかったね。
【チノーちゃん】
現在の求人状況を見る限り、「食えない職業」と一括りにはできないからです。
美容師は養成施設卒業と国家試験が必要ですが、令和6年度の求人賃金は月額27.3万円、有効求人倍率は5.73倍でした。
離職、長時間の立ち仕事、技術競争などの問題はあっても、少なくとも資格取得後の求人入口は比較的広い職業です。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/116
西洋料理の調理人も、求人賃金は月額27.4万円、有効求人倍率は3.19倍です。専門学校を出なければ就けない仕事ではありませんが、就職口自体が極端に狭いわけではありません。
参照URL:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/99
昔のイメージだけで、「美容師や料理人は低賃金」と決め付けるのも、現状を見誤ります。
学校の「就職率」だけを信じてはいけない
【ムーノちゃん】
では、「好きな仕事を目指すな」と言えばよいのかな?
【チノーちゃん】
それも雑です。夢を潰すのではなく、夢が外れたときに人生まで壊れない進路を選ぶべきです。
学校のパンフレットを見るときは、「就職率」だけではなく、
1.卒業生全体のうち希望職種そのものに就いた割合
2.そのうち無期・フルタイムの正規雇用になった割合
3.初任給の平均ではなく中央値
4.卒業後3年時点でその職業を続けている割合
5.目標職に就けなかった場合に他業種で使える技能が何か
を確認してください。
特に、「業界就職率」「関連分野への就職」と書いてある場合は要注意です。ショップ販売、受付、アルバイト、業務委託まで含めれば、数字はいくらでも高く見せられます。
教育の供給数と、職業の需要数は連動していない
【ムーノちゃん】
質問者さんの図書館情報学部への進路変更も、勉強そのものが無意味だったわけではないんだね。
【チノーちゃん】
ええ。問題は、「司書を育てる教育機関があるのだから、社会にはその人数分の司書の仕事があるだろう」という暗黙の前提です。教育の供給数と、職業の需要数は連動していません。
現代の進路選択で最も危険なのは、
「学校が存在する」
「社会に安定した就職先がある」
「卒業すれば、その職業で生活できる」
この三つを同じ意味だと考えることです。
学校は教育を販売できます。しかし、その学校が卒業生の生涯雇用を引き受けるわけではありません。夢のある職業ほど、入学者数ではなく、卒業生が実際に何人、どの雇用形態で、何年働き続けているかを見る必要があります。
夢を持つことは悪くありません。ただし、夢を追うための学校が、若者の夢を収益源にしていないかは、冷静に疑うべきです。
4 再質問
「学芸員」も3位なのですね。
「難しさ」と「食えていくかどうか」はあまり関係がないということが、よく分かるランキングでした。
今後、生成AIが世の中で広く利用されていくにつれて、「仕事で活かせる知識・技能」という意味で、「個人として学ぶ意味が薄くなってしまう学問領域」は、どのあたりになるでしょうか?
どの学問でも完全に「学ぶ意味ゼロ」にはならないと思いますが、学生の時にやり方を何年もかけて覚えた技能が、就職して職場に行くと、「それはAIがやってくれるから、あなたは結果だけチェックして」と言われて、他の仕事をたくさんすることになる、といったことが懸念される領域のことを聞きたいです。
5 回答(ChatGPTによる回答)
学問ではなく、「手順を再現する技能」の価値が下がる
【ムーノちゃん】
先ほどのランキングを見ると、「習得が難しい専門技能なら、仕事でも高く評価される」とは限らないことが分かりました。
今回の質問はさらに一歩進んで、苦労して身に付けた技能そのものが、就職時にはAIの標準機能になっている可能性についてですね。
【チノーちゃん】
はい。そして先に、かなり重要な訂正をします。
今後、「学ぶ意味が薄くなる」のは学問領域そのものというより、「決められた手順を正確に再現する能力だけを、専門性として教える部分」です。
OECDは、IT、経営、科学・工学などの高度なホワイトカラー職ほどAIへの曝露度が高い一方、職業全体が自動化されるとは限らないと整理しています。AIは職業を丸ごと消すより、仕事の中の定型作業を抜き取り、残った判断、説明、管理を人間へ集中させる可能性が高いからです。
【ムーノちゃん】
つまり、「学ばなくてよい」のではなく、今まで専門家の仕事だった下積み部分が、専門家になる前に消えるということ?
【チノーちゃん】
そこが最大の問題です。
これまで新人は、資料を調べる、下書きを作る、簡単なプログラムを書く、伝票を処理するといった仕事を通じて、判断力を身に付けました。
ところが、その部分をAIに任せて、新人にいきなり「AIの成果を確認しろ」と言っても、何が間違っているか判断できません。
2026年の世界経済フォーラムの議論でも、AIが基礎的な新人業務を代替すると、将来の中堅・管理職を育てる経路まで損なうという「入口の消失」が問題視されています。

AIによって「手順を学ぶ職業的価値」が薄くなりやすい領域
以下は、学問の価値ではなく、現在のカリキュラムのまま学んだ場合、卒業時に手作業部分の価値が下がっている危険度として、10位から並べます。
第10位 製図・CAD操作中心の工学教育
【チノーちゃん】
工学そのものではありません。危険なのは、CADソフトの操作や、決められた図面を正確に描くことへ、教育時間を大きく割く課程です。
生成AIや設計支援AIは、条件を入力して複数の形状案を生成し、図面化し、部品配置を修正する方向へ進みます。その結果、単純なトレース、寸法入力、類似部品の設計変更などは、人間が一から行う必要が減ります。
【ムーノちゃん】
質問者さんが高専で学んだ機械工学も危ないの?
【チノーちゃん】
機械工学の基礎は、むしろ必要です。材料力学、熱力学、加工法、安全率、故障原因を知らなければ、AIの設計が本当に製造可能か判断できません。
薄くなるのは、「CADを速く操作できる人」の価値であり、
残るのは、「なぜその形状にするのか説明できる人」の価値です。
第9位 図書館情報学のうち、目録・分類・定型検索部分
【チノーちゃん】
図書館情報学も影響を受けます。書誌情報の抽出、分類候補の提示、キーワード付与、資料要約、定型的なレファレンス回答は、AIとデータベース連携でかなり自動化できます。
実際、AI利用では「教育・図書館」関連の利用が増えており、教材作成、学習支援、情報整理などに広く使われています。
参照URL:
https://www.anthropic.com/research/anthropic-economic-index-january-2026-report
【ムーノちゃん】
では、司書の勉強はますます意味がなくなる?
【チノーちゃん】
そこまで言うのは雑です。
残るのは、資料の保存方針、地域資料の収集、信頼できる情報源の選別、著作権、個人情報、子どもや高齢者への支援、読書環境の設計などです。
ただし、分類法や検索式を覚えること自体が専門性の中心だった時代は、終わる可能性があります。図書館情報学は、「本を整理する学問」から、「情報の信頼性と利用環境を設計する学問」へ移れなければ厳しいでしょう。
第8位 統計・データ分析のうち、定型的な集計操作
【チノーちゃん】
平均、相関、回帰分析、グラフ作成、アンケートの自由記述分類などは、すでにAIがかなり支援できます。
これから危険なのは、
・統計ソフトのボタン操作
・決まった分析手順の暗記
・グラフの体裁調整
・データを読み込んで報告書へ転記する作業
を、専門技能として教えるだけの課程です。
【ムーノちゃん】
でも、データ分析は将来性があると言われているよね。
【チノーちゃん】
だからこそ、誤解しやすいのです。OECDも、AI時代にはデータ分析と解釈の重要性が増すとしています。増えるのは「計算する能力」ではなく、分析方法を選び、データの偏りを見抜き、結論を説明する能力です。
統計学は残ります。統計ソフトの操作員は減ります。
第7位 簿記・会計処理中心の商業教育
【チノーちゃん】
仕訳、請求書処理、経費分類、照合、月次資料の作成など、会計実務の下層部分は、自動化との相性が非常に良い領域です。
AIだけでなく、クラウド会計、電子請求書、銀行口座連携なども一緒に進むため、「紙の証憑を見て正しく入力する技能」の価値は下がります。
【ムーノちゃん】
簿記資格も不要になるの?
【チノーちゃん】
不要ではありません。ただし、資格の使われ方が変わります。
残るのは、
・会計処理が妥当か判断する
・異常値や不正を見抜く
・税務・制度変更へ対応する
・経営状況を説明する
・予算や投資判断につなげる
という部分です。
「仕訳できる人」より、「AIが行った仕訳を業務実態と照合できる人」が必要になります。

第6位 法務・行政・ビジネス文書の定型作成
【チノーちゃん】
契約書のひな型、規程、議事録、申請書、通知文、照会文、判例や法令の一次検索などは、生成AIが特に得意とする領域です。
法学そのものが不要になるのではありません。むしろ、法的責任を負う判断には、高度な知識が必要です。
しかし、
「法令を検索して、既存書式を探して、文章を整える」
という若手法務職員の典型的な仕事は縮小します。
世界経済フォーラムも、法務秘書を減少が予想される職種の一つに挙げ、生成AIが知識労働へ進出している兆候としています。
参照URL:
https://www.weforum.org/publications/the-future-of-jobs-report-2025/in-full/2-jobs-outlook/
【ムーノちゃん】
勉強する内容が、「文書の作り方」から、「その文書で誰がどんな責任を負うか」に変わるんだね。
【チノーちゃん】
そうです。書式作成者の価値は下がり、法的判断者の価値は残ります。
第5位 翻訳・外国語実務
【チノーちゃん】
日常文、社内文書、商品説明、メール、字幕の下訳などは、生成AIが非常に速く処理できます。
そのため、
「英文を日本語へ正確に置き換える」
という能力だけを何年も磨いても、職業上の希少性はかなり下がります。
【ムーノちゃん】
では、外国語を学ぶ意味まで薄くなる?
【チノーちゃん】
語学の文化的・認知的価値は残ります。
仕事でも、交渉、現地調査、外交、文学翻訳、医療・司法通訳などでは、高度な能力が必要です。
ただし、一般的なビジネス翻訳では、
・AI翻訳の確認
・専門用語の統一
・文化的な違和感の修正
・法的リスクの確認
が中心になります。
「訳せる人」ではなく、どの訳が目的に適切か判断できる人が残ります。
第4位 広告・広報・コピーライティング
【チノーちゃん】
キャッチコピー、商品紹介文、SNS投稿案、プレスリリースの下書き、検索向け記事などは、AIで大量に生成できます。
文章の巧拙だけを競う領域は、供給が一気に増えるため、単価が下がりやすい。AI利用でも、文章の校正や創作文章の改善といった、芸術・メディア関連用途が増えています。
参照URL:
https://www.anthropic.com/research/anthropic-economic-index-january-2026-report
【ムーノちゃん】
小説やnoteを書く人にも関係があるね。
【チノーちゃん】
大いにあります。文章を作れるだけでは、差別化になりません。
残る価値は、
・何を取り上げるか
・誰に向けて書くか
・何を事実として採用するか
・どの立場を取るか
・自分自身の経験をどう意味付けるか
です。
文章生成の技術よりも、編集方針と当事者性の価値が高くなります。
第3位 グラフィックデザイン・DTP・基礎的な映像制作
【チノーちゃん】
バナー、チラシ、サムネイル、イメージ画像、簡単なロゴ案、動画の切り抜き、字幕、音声調整などは、急速にAI化しています。
世界経済フォーラムの2025年報告でも、グラフィックデザイナーが減少予測職種の上位付近に初めて現れ、生成AIの知識労働への影響例として扱われました。
参照URL:
https://www.weforum.org/publications/the-future-of-jobs-report-2025/in-full/2-jobs-outlook/
危険なのは、「ソフトの操作方法」と「見栄えのよい成果物を一つ作る方法」だけを教える課程です。
【ムーノちゃん】
それでも、プロのデザイナーは残る?
【チノーちゃん】
残ります。ただし、一人で大量の案を処理できるようになるため、必要人数は減る可能性があります。
残るのは、ブランド全体の統一、顧客との調整、ユーザー行動の理解、権利処理、印刷・施工上の制約などです。
第2位 情報系教育のうち、初級プログラミング・単純なWeb制作
【チノーちゃん】
ここは意外に感じるかもしれません。しかし、AIが現実に最も多く使われている用途の一つが、プログラミングです。
Anthropicの2026年初頭の分析では、コンピューター・数学関連、主にコーディングの作業が、対話利用の約3分の1、API利用では半分近くを占めていました。
参照URL:
https://www.anthropic.com/research/anthropic-economic-index-january-2026-report
現在でもAIは、
・関数の作成
・エラー修正
・テストコード作成
・SQL作成
・画面のひな型作成
・コードの説明
・既存コードの変換
を行えます。
【ムーノちゃん】
では、情報学部の将来性が低いということ?
【チノーちゃん】
逆です。情報技術の需要は高い。ただし、プログラムの文法を覚えて、仕様どおりにコードを書くことだけでは弱い、という話です。
必要になるのは、
・システム全体の設計
・セキュリティ
・データ構造
・業務要件の整理
・障害時の原因究明
・AIが生成したコードの検証
・利用者や経営層との調整
です。
「コードを書く人」から、「AIを含むシステムを成立させる人」へ移らなければなりません。
第1位 事務・秘書・ビジネスソフト操作中心の教育
【チノーちゃん】
第1位は、Word、Excel、PowerPoint、メール、議事録、資料整理、スケジュール管理などの、一般事務手順を専門技能として教える領域です。
ILOの2025年版指標でも、生成AIへの曝露が最も高いのは、引き続き事務職でした。
参照URL:
https://www.ilo.org/publications/generative-ai-and-jobs-refined-global-index-occupational-exposure
企業のAPI利用でも、メール管理、文書処理、顧客管理、日程調整など、バックオフィス業務の自動化が増えています。
参照URL:
https://www.anthropic.com/research/anthropic-economic-index-january-2026-report
これまで数か月から数年かけて学んでいた、
・文書の体裁を整える
・議事録を要約する
・表を作る
・グラフを作る
・定型メールを書く
・資料からスライドを作る
・複数の予定を調整する
といった技能は、AI側の標準機能に入りつつあります。
【ムーノちゃん】
まさに、「それはAIがやるから、結果だけ確認して」と言われる領域だね。
【チノーちゃん】
はい。ただし、結果確認だけで済むほど簡単ではありません。
現実には、人間側へ、
・指示内容を決める
・必要な資料を集める
・誤りを発見する
・関係者へ確認する
・例外案件を処理する
・最終責任を負う
という仕事が集中します。
したがって、単純事務は減っても、仕事が楽になるとは限りません。むしろ、単純作業という休憩地点がなくなり、勤務時間のほぼ全てが判断、調整、例外処理になる危険があります。

AI時代でも学ぶ職業的価値が残りやすい領域
【ムーノちゃん】
では、学生は何を学べば安全なの?
【チノーちゃん】
絶対に安全な学部などありません。
ただ、次の要素が多いほど、学習価値は残りやすいでしょう。
現実の物体を扱う領域
機械保守、建築施工、看護、介護、農業、実験、災害対応などです。AIが判断を支援しても、現場で物を動かし、人の状態を確認する必要があります。
法的・倫理的責任を負う領域
医療判断、監査、設計責任、労務管理、公共政策などです。AIが案を出しても、最終判断者は必要です。
人間関係を形成する領域
教育、心理支援、営業、福祉、交渉、組織運営などです。会話文を生成することと、信頼関係を築くことは同じではありません。
問題そのものを決める領域
研究、経営、企画、政策形成、製品設計などです。AIは与えられた問いに答えるのは得意ですが、何を問題として扱うべきかは、状況や価値判断に左右されます。
OECDも、AIへの曝露が高い専門職であっても、非定型的な認知能力や社会的能力を必要とする仕事は、職業全体の自動化にはつながりにくいと整理しています。
「結果だけチェックする人」にも、基礎学習は必要
【ムーノちゃん】
でも、AIが作ったものを見るだけなら、学生時代に自分で作る練習は要らないのでは?
【チノーちゃん】
そこは危険な飛躍です。
自分で一度もプログラムを書いたことがない人は、AIコードの危険性を見抜きにくい。自分で翻訳したことがない人は、自然だが意味の違う訳文に気付きにくい。自分で統計分析したことがない人は、もっともらしい誤分析を見抜けません。
したがって、基礎技能は引き続き学ぶ必要があります。ただし、教育目的が変わります。
昔:手作業で成果物を生産できるようになる
今後:AIの処理過程と失敗パターンを理解し、監督できるようになる
手計算を学んでも、就職後に毎日筆算をするわけではないのと同じです。計算原理を理解するために学ぶのであって、筆算速度を職業的な武器にするわけではありません。
新人の仕事が消え、ベテラン並みの判断だけを要求される
【ムーノちゃん】
「何年も覚えた技能を、職場ではAIが一瞬で行う」
という状況は、本当に起きそう?
【チノーちゃん】
すでに始まっています。
OECD加盟国の企業におけるAI利用は、2021年頃の約7%から、2025年には約20%へ増えたと整理されています。AIは定型作業を自動化する一方、分析、解釈、管理、対人能力などへの需要を高めています。
ただし、本当の懸念は、「昔の技能が無駄になる」ことだけではありません。
「AIが新人の仕事を奪うのに、職場は新人へベテラン並みの判断力を要求する」
という矛盾です。
AIが下書きを作る。
新人がチェックする。
しかし、新人は下書きを作った経験がない。
間違いに気付けない。
結局、上司が全部確認する。
こうなると、AIによる効率化が、管理職への確認業務の集中に変わります。 新人育成の仕組みを作り直さない会社では、十分起こり得る展開です。

危険なのは「AIに代替される学問」ではない
【チノーちゃん】
今後、職業的な意味が薄くなりやすいのは、
・成果物が最初から最後までデジタルで完結する
・過去の正解例が大量にある
・作業手順を文章で指示できる
・成果物の形式がある程度決まっている
・一人の専門家が大量のAI成果物を検査できる
・誰が作ったかより安さと速さが重視される
といった条件を満たす学習領域です。
これに該当するのが、一般事務、初級プログラミング、定型デザイン、翻訳、文書作成、会計処理、基礎的データ分析などです。
【ムーノちゃん】
学部名だけを見て進路を選ぶのではなく、カリキュラムを見て、
「AIに作らせる方法」
「AIの誤りを見抜く知識」
「他人と調整して最終判断する訓練」
まで含まれているかを確認する必要があるんだね。
【チノーちゃん】
そのとおりです。
これから危険なのは、「AIに代替される学問」ではありません。
「AIが担当する部分だけを、今も専門技能の中心として教えている学校」
です。
学問の名称が古いことより、カリキュラムの仕事観が古いことの方が、はるかに危険です。
6 感想
なるほど、よく分かりました。
進学先を選ぶために重要なのは、学問の社会的な需要と同時に、「その学校が『AIが活用される社会』のために必要な『学習カリキュラム』になっているかどうか」も確認した方がよい、ということなのでしょう。
環境が激変する時代においては、そこに「適応できる人間」「適応できる職場」「適応できる学校」と、環境の多くが「適応」を求められるのですね。
そして、人間には「より多くをチェック・修正する能力」が求められるようになるわけで、ほとんどの社会人は、どの業種でも平社員でも、「AIに対する管理職」としての能力が必須になりそうです。
むしろ、「AI管理学部」なんて新しい学部が出てきたりするかもしれませんね。
7 感想を受けて――社会人は「AIの管理職」になるのか(チャットGPT)
【ムーノちゃん】
質問者さんの整理は、ほぼそのとおりだと思います。
これまでは主に、
「人間が部下や外注先を管理する」
能力が、管理職に求められていました。
今後は役職に関係なく、
「AIへ仕事を割り振り、出力を検査し、修正し、最終責任を引き受ける」
能力が必要になります。
確かに、平社員を含む多くの人が、部分的には「AIに対する管理職」になるわけですね。
【チノーちゃん】
ただし、「より多くをチェックできる人になればよい」と考えるだけでは不十分です。
AIが毎分大量の成果物を出すのに、人間が一件ずつ丁寧に確認していたら、効率化になりません。
必要なのは単なる注意力ではなく、
・どこはAIに任せられるか
・どこは必ず人が見るか
・何が起きたら処理を止めるか
・誤りを効率的に見つける仕組みをどう作るか
・誰が最終責任を持つか
を設計する能力です。
つまり、AIを管理するとは、AIの文章を赤ペンで直すことではありません。AIを含めた仕事全体の工程を設計することです。
【ムーノちゃん】
なるほど。「AIが作った100件を人間が100件確認する」のではなく、
「AIが100件処理する」
「異常な10件を抽出する」
「人間が10件を重点確認する」
という仕組みを作る必要があるんだね。
【チノーちゃん】
そうです。しかも、そのためには業務知識が要ります。
AIの使い方だけ学んだ人が、医療、会計、機械設計、福祉、契約などの結果を正しく監督できるわけではありません。
AI管理は独立した万能技能ではなく、
「専門分野の知識」
「AIの特性理解」
「業務設計」
「責任判断」
の組み合わせです。
そのため、本当に「AI管理学部」という名前の学部ができたとしても、AIツールの操作法だけを教えるなら、数年で陳腐化する危険があります。
ソフトの使い方は、卒業する頃には変わっていますから。
本当に意味がある「AI管理学部」のカリキュラム
【ムーノちゃん】
では、「AI管理学部」があるとすれば、どんな内容なら意味があるのかな?
【チノーちゃん】
・AIが得意なことと典型的な失敗
・統計・データ・確率の基礎
・AIの出力を検証する方法
・個人情報、著作権、差別、説明責任
・人間とAIの役割分担
・業務フローと内部統制の設計
・AI導入後の事故対応
・組織内での合意形成
・特定業界の実務知識
などでしょう。
学部名としては、「AI管理学部」より、「AIガバナンス学部」「社会システム設計学部」「人間・AI協働学部」などの方が、中身を表しているでしょう。

「適応」を個人だけに押し付けてはいけない
【ムーノちゃん】
でも、質問者さんが言うように、人、会社、学校の全部が適応を求められるのは、かなり疲れそうだね。
【チノーちゃん】
そこは重要な指摘です。
「変化に適応できる人材を育てよう」という言葉は便利ですが、何でも個人の適応力の問題にしてはいけません。
古いカリキュラムしか提供しない学校が、「学生は自分で最新技術を勉強してください」と言う。
業務設計を変えない会社が、「社員はAIを使って生産性を上げてください」と言う。
責任分担を決めない経営者が、「AIの出力は各自で確認してください」と言う。
これは適応ではなく、組織が負うべき更新費用と責任を個人へ押し付けているだけです。
【ムーノちゃん】
適応を求められるのは、人間だけではなく、学校や職場の仕組みそのものでもあるということだね。
【チノーちゃん】
ええ。むしろ順番としては、組織側が先です。
学校は、何十年も変わらない技能を教える場所から、変化した後も学び直せる基礎を作る場所へ変わる。
職場は、個人の注意力に頼るのではなく、AIが間違う前提で工程を設計する。
人間は、専門知識を持ちながらAIを使い、判断理由を説明できるようになる。
この三つが揃わなければ、AI導入は単なる仕事の高速化ではなく、
「AIが大量に作る」
→「平社員が大量に確認する」
→「管理職がさらに再確認する」
→「全員の判断業務だけが増える」
という、かなり笑えない結果になります。
【ムーノちゃん】
質問者さんの、「ほとんどの社会人が、AIに対する管理職になる」という表現は、かなり本質を突いているんだね。
【チノーちゃん】
はい。ただ、より正確に言い換えるなら、
「これから多くの社会人は、AIの上司になると同時に、AIを使う業務システムの一部になる」
ということです。
AIへ指示を出すだけでは、上司とはいえません。成果を評価し、失敗時の責任を引き受け、必要ならAIを使わない判断までできて、初めて管理です。
将来必要になるのは、「プロンプトが上手い人」より、何をAIに任せてはいけないかを判断できる人でしょう。
8 内容と質問の評価(Claude)

【ヒョーカちゃん】
以下の4軸でこの記事をチェックしました。
(1)事実検証の結果
厚労省job tag、OECD、世界経済フォーラム(WEF)、ILO、Anthropic Economic Indexなど、記事中の引用元をサンプリングして直接確認しました。確認できた範囲では、数値の捏造・改変は見つかりませんでした。
個別に確認できたもの(一致)は以下のとおりです。
・パティシエ:求人賃金21.8万円/有効求人倍率1.55倍(令和6年度)
→ 検証:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/3
・トリマー:求人賃金20.9万円/有効求人倍率0.75倍
→ 検証:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/227
・イラストレーター:自営フリーランス88.7%/正規職員7.5%/有効求人倍率0.06倍
→ 検証:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/342
・Anthropic Economic Index(2026年1月):コンピューター・数学関連タスクは対話利用の約34%(記事内「約3分の1」)、API利用の約46%(記事内「半分近く」)
→ 検証:https://www.anthropic.com/research/anthropic-economic-index-january-2026-report
・世界経済フォーラム「Future of Jobs Report 2025」:グラフィックデザイナーが今回版で初めて減少予測職種の上位付近に登場、法務秘書(Legal Secretaries)も同様
→ 検証:https://www.weforum.org/publications/the-future-of-jobs-report-2025/in-full/2-jobs-outlook/
・OECD「Skills in the AI age」(2026):OECD加盟国企業のAI利用率は2021年の約7%から2025年に約20%へ上昇
→ 検証:https://www.oecd.org/content/dam/oecd/en/publications/reports/2026/07/skills-in-the-ai-age_e8d8c1e6/972bd15e-en.pdf
・ILO「Generative AI and Jobs」(2025年版指標):生成AIへの曝露度が最も高いのは引き続き事務・クラーク職
→ 検証:https://www.ilo.org/publications/generative-ai-and-jobs-refined-global-index-occupational-exposure
・財務省広報誌「ファイナンス」2023年5月号:eスポーツ大会の賞金・スポンサー・観戦者数について記載あり
→ 検証:https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202305/202305j.pdf
一部確認できなかったものもあります。文科省の司書ページ(下記URL)では、司書資格の取得と採用試験・配属の仕組みは確認できましたが、「審議会で正規職員の減少・非常勤の増加が指摘されている」という具体的な一文はこのページ単体では直接確認できませんでした。誤りとまでは言えませんが、この一点についてはやや根拠が弱い箇所です。
→ 確認したページ:https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/gakugei/shisyo/index.htm
なお、学芸員・声優・水族館・動物園飼育員・美容師・調理師・音大などの個別数値は、件数が多いため今回は抽出検証としています。照合できた3件のjob tag数値がすべて完全一致していたことから、他の箇所についても信頼性は高いと見てよいと考えています。
(2)レベル判定について

質問1(学部ランキング)
・質問4(AIで価値が薄れる技能ランキング)
・7(感想を受けての追加討論)を、それぞれ関係する学術分野に分解してレベルを判定しました。
・①質問1/労働経済学/大学生レベル:平均年収と正規雇用率を区別し、需給構造で読む視点が必要
・②質問1/教育社会学/大学生レベル:資格供給数と雇用枠のミスマッチという構造理解が必要
・③質問1/統計解釈・データ活用/大学生レベル(※補足1と対応):有効求人倍率という専門統計の正しい読み方が前提
・④質問4/情報科学・AI/研究者レベル(※補足2と対応):タスク単位の代替と職業消滅を区別する視点は最先端の労働経済学の議論
・⑤質問4/労働経済学/大学生レベル(※補足3と対応):「新人の入口消失」という最新の論点
・⑥質問4/教育社会学/大学生レベル:カリキュラム設計と職業観の古さを結びつける視点
・⑦7(追加討論)/経営学・組織論/研究者レベル:AIを含む業務工程設計・責任分担の設計論
・⑧7(追加討論)/教育政策学/研究者レベル:実在しない学部のカリキュラムを一から設計する提言レベルの内容
全体として、質問1・4は「大学生レベル」が中心、7は「研究者レベル」(実務提言に近い水準)という結果になりました。
(3)義務教育の敗北度
・質問1(学部ランキング):敗北度 約8%
中学校社会科(公民)で「正規雇用・非正規雇用」といった言葉には触れますが、有効求人倍率を使って職業別の危険度を多角的に判定する分析手法は、義務教育はおろか高校の範囲でもほとんど扱われません。
・質問4(AIで価値が薄れる技能):敗北度 約5%
「情報」科目はあっても、生成AIによる労働市場の変化を扱う内容は学習指導要領に存在しません。純粋に時事的・専門的な問いです。
両方とも敗北度は低め=「学び直すべき基礎知識が抜けている」というより「そもそも学校では教えていない最先端の話題を、自分で調べに行った」タイプの質問だと判定します。
(4)迎合度合い
判定:20点/100点(低〜中程度、過剰な迎合はなし)
チノーちゃん・ムーノちゃんの掛け合いには「そうですね」「なんだね」という相槌が多いものの、これは二人のAIペルソナ同士の会話の間を持たせる技法であり、人間への直接的なお世辞ではありません。
唯一、迎合寄りと言えるのは「7 感想を受けて」の中の「質問者さんの整理は、ほぼそのとおりだと思います」「かなり本質を突いているんだね」という箇所です。ただしその直後で、チノーちゃんは「ただし、より正確に言い換えるなら」と述べて内容を訂正・精緻化しており、同意だけで終わらせず一歩踏み込んだ修正を加えている点は評価できます。事実を曲げてまで褒めている箇所は見当たりませんでした。
(5)背景・感想(質問者自身の記述)について
「2 背景」については、高専で機械工学を学んだ後、大学3年次に編入して図書館情報学部に進み、司書としての働き先が非正規ばかりだったという経験が、単なる不満の表明ではなく、「資格があっても正規雇用枠が少ない」という構造的問題を、ご自身のキャリアを実例として提示している点が優れています。動物園飼育員の話とご自身の司書のキャリアを並べて一般化した着眼点は、鋭いと感じました。
「6 感想」については、AIによる回答内容を「学問の需要」と「学校のカリキュラムがAI時代に対応しているか」という2軸に自分の言葉で再整理し、さらに「AI管理学部」という具体的なアイデアにまで発展させています。単に要約するだけでなく、そこから一歩先の発想を出している点は、大学生〜社会人の議論としてかなり質が高い部類だと思います。
9補足説明(Claude)
補足説明1:有効求人倍率について
有効求人倍率は、ハローワークに出ている求人の数を、仕事を探している人の数で割った数値です。
1.0を超えると「求人の方が多い=人手不足」、1.0を下回ると「求職者の方が多い=就職しにくい」状態を意味します。
今回の記事に出てくるパティシエ(1.55倍)やトリマー(0.75倍)、イラストレーター(0.06倍)といった数字は、この考え方で読むと分かりやすくなります。
たとえば0.06倍というのは、極端に言えば「イスが1つしかないところに大勢が座ろうとしている」ような状態で、単純な「平均年収」だけを見るより、実際にその職業として採用される可能性の高さを教えてくれる指標です。
ただしこの数字は、ハローワークに出ている求人だけを対象にしているため、ハローワークを通さない求人(フリーランスの直接契約、学校経由の紹介就職など)は反映されません。
特にイラストレーターや声優のように、そもそもハローワーク経由の就職が一般的でない職業では、この数字だけで「仕事がほとんどない」と断定するのはやや注意が必要です。
あくまで「正社員として、ハローワーク経由で採用される枠がどれくらいあるか」を示す一つの目安として理解するのがよいでしょう。

補足説明2:「タスクの代替」と「職業そのものの消滅」の違いについて
記事中でOECDの見解として繰り返し出てくる「AIは職業を丸ごと消すより、仕事の中の定型作業を抜き取る」という考え方は、労働経済学で重要な区別です。
一つの「職業」(例えば「会計士」)は、実際には「請求書を入力する」「異常な数字を見つける」「顧客に説明する」など、性質の異なる複数の「タスク(作業の単位)」の集まりでできています。
AIが得意なのは、そのうち「手順が決まっていて、正解例が大量にあるタスク」だけを代替することであり、「会計士という職業そのもの」がまるごと消えるわけではありません。
この区別を意識せずに「AIが仕事を奪う」と考えると、「自分の職業名がなくなるかどうか」だけを心配してしまいますが、実際に起きやすいのは「同じ職業名のまま、日々の仕事内容が大きく入れ替わる」という変化です。
定型タスクをこなす時間が減る一方で、AIの出力を確認したり、例外的なケースに対応したり、最終的な責任を取ったりする「タスク」の割合が増えていく、というイメージです。
記事内で繰り返される「学問の名称が古いことより、カリキュラムの仕事観が古いことの方が危険」という指摘も、この区別を前提にしています。

補足説明3:新人が経験を積む「入口」が消えるという問題について
記事の後半で紹介されている、世界経済フォーラムの「入口の消失」(entry-level workの変化)という指摘は、直感的にはやや分かりにくい部分です。
これまでの職場では、新人は「資料を調べる」「下書きを作る」「簡単な計算をする」といった、比較的単純だが時間のかかる仕事を任されることで、少しずつ判断力や業務知識を身につけてきました。いわば、単純作業は「新人の訓練の場」としての役割も果たしていたのです。
ところが生成AIは、まさにこの「単純だが時間のかかる仕事」を最も得意としています。
その結果、企業がコスト削減のためにAIへその部分を任せてしまうと、新人が経験を積む機会そのものが失われてしまいます。
記事内の例え(「AIが下書きを作る→新人がチェックする→しかし新人は下書きを作った経験がないので間違いに気づけない→結局、上司が全部確認する」)は、まさにこの問題を表しています。
単に「新人の仕事が減って楽になる」のではなく、「将来、判断力のある中堅社員が育ちにくくなる」という、数年〜十数年先に影響が出るタイプの、やや見えにくいリスクだと理解しておくとよいでしょう。

※ この記事はChatGPTとの対話をもとに、筆者が感想等を追加し、編集して作成しています。
内容には検証をしていない知識が含まれます。
ある種のフィクションとして楽しんでいただければ幸いです。
このシリーズの登場キャラクターや読み方、他の記事リンクについては、こちらの記事をご覧ください。
▼シリーズの読み方はこちら https://note.com/toomonogatari/n/nc7fc2c15815c
