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雨の日と独身女性。年収400万円東京一人暮らし

天気予報では、午後から雨だった。
なので、傘を持っていなかった。
朝の天気予報を見たときは、まだ降っていなかったから。

家を出て10分くらいで雨が降ってきた。
少しなら大丈夫だと思って、そのまま歩いた。
全然大丈夫ではなかった。
駅に着くころには、髪も服も少し濡れていた。
靴の中まで濡れた。
朝から気分が悪い。

駅には、傘を持っている人がたくさんいた。
透明のビニール傘。
折りたたみ傘。
大きな黒い傘。

私だけ手ぶらだった。

雨の日に傘を忘れる人として、かなり分かりやすい。

会社に着いてから、コンビニで傘を買った。
700円くらいした。
家には折りたたみ傘がある。
玄関に置いてある。

朝の私に言えたらいいのに。
朝の私に言いたいことはいろいろある。
でも、朝の私には会えない。
仕方がない。

昼休みになっても、雨は降っていた。
今日は寝坊してお弁当を作れなかったので、コンビニでお昼を買った。
おにぎりと味噌汁。
温かい味噌汁がおいしかった。

午後も仕事。
窓の外を見ると、ずっと雨が降っている。
雨の日は、会社の中まで少し静かな気がする。

仕事が終わって外に出る。
まだ雨だった。

朝買った傘を開く。
今度はちゃんと傘がある。

駅まで歩く。

雨の音がする。

車が通る音。
傘に雨が当たる音。
遠くで電車が走る音。

いつもなら気にしない音が、今日はよく聞こえる。

スーパーに寄って、割引きのお惣菜を買った。
それからプリンも買った。
雨の日なので、ということにした。

家に帰る。
濡れた傘を置く。
玄関のドアを閉める。
その瞬間、外の音が少し遠くなる。
静かな部屋。

上着を脱ぐ。
手を洗う。
誰もいない。

当たり前だけれど、こういうときに一人暮らしなのだと思う。
「ただいま」と言っても、返事はない。
言ったこともない。
たぶん、言ったら少し怖い。

買ってきたお惣菜を食べる。
テレビをつけるか迷った。
今日はつけなかった。
雨の音が聞こえていたから。

食べ終わって、洗い物をする。
水の音がする。
食器を拭く。
また静かになる。

こういう時間が、最近は少し好きになった。
誰かと話さなくてもいい。
誰かに合わせなくてもいい。
急いで帰る必要もない。
明日の予定を聞かれることもない。
ただ、自分の部屋で、自分のためにごはんを食べる。
それだけ。

以前は、この静けさを寂しいと思うこともあった。
今も、たまには思う。
特に夜が長い日は、誰かがいたら違うのかなと思う。

でも、誰かがいたらいたで、テレビの音がうるさいとか、電気を消してほしいとか、たぶん別のことを考えている。
人間は面倒である。
私も人間なので、もちろん面倒である。

雨はまだ降っている。
窓の外は暗い。

プリンを食べる。
甘い。

今日はこれでいいと思った。
静かな部屋に、スプーンがカップに当たる音が響く。
少し寂しい。
でも、少し落ち着く。

一人暮らしの夜は、何も起こらない。
何も起こらないけれど、それはそれで、ちゃんと一日が終わっていく。

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