「Thanks Toshio」〜3日間1000キロ、4人で駆け抜けたアイルランド🇮🇪一周旅行
1998年10月24日、土曜日。
いつものように、コークのマーチャンツキーから旅は始まりました。
今回のメンバーは4人。
スペイン人🇪🇸のクレオ。
同じくスペイン人🇪🇸のオルガ。
イタリア人🇮🇹のサベリオ。
そして日本人🇯🇵の私、トシオ。
この頃の私は、週末になると仲間を誘ってレンタカーを借り、アイルランド各地を走り回っていました。
行きたい場所を決めて、車を手配して、みんなを乗せて出発する。
言ってみれば、勝手にツアーコンダクターです(笑)
でも今回の旅は、今振り返っても思います。
「よくこんな計画を立てたなぁ……」
3日間でアイルランドを駆け巡る弾丸旅行。
さあ、出発です!
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まずは西海岸の断崖へ
最初に向かったのは、西海岸にそびえるクリフの断崖。
写真の裏には、私の字でこう残っています。
October 24th Saturday
“Cliffs of Moher”

霧のように白いですね
この日は雨風が強く、
吹き飛ばされそうになりました💦
目の前には巨大な断崖。
その向こうには、どこまでも続く大西洋。
今見ても圧倒される景色です。
当時の私は、この景色を見て何を思ったのでしょう。
……たぶん、
「すげぇー‼︎」
くらいだったと思います(笑)
若かったですからね😄
そこから、さらに北へ。
途中で一泊し、翌日はコングという小さな街へ向かいました。
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ジョン・ウェインの『静かなる男』
コングには、ジョン・ウェイン主演の映画『静かなる男』ゆかりの場所がありました。
小さな街をみんなで歩きながら、しばし観光を楽しみます。

目で、音で癒されます
でも——
今回の旅で、私がどうしても行きたかった場所はさらに北にありました。
北アイルランド。
ベルファスト。
そして——
オマー。
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ハンドルを握る手から汗が止まらない
北へ進むにつれて、周囲の雰囲気が変わっていきました。
要塞のように見える場所。
厳重な警備。
そして武装した兵士たち。

私たちの緊張度を高めていきます
それまで走ってきたアイルランドとは、明らかに違う緊張感を私は感じていました。
そして——
とうとう検問です。
車を止められました。
「どこへ行くの?」
「目的は?」
そんな質問をされたのだと思います。
ところが私。
緊張しすぎて何も言えない💦
ハンドルを握る手から汗が止まりません。
すると——
助手席のクレオが、私に代わってテキパキと答え始めました。
私たちがどこへ向かっているのか。
何をしに来たのか。
落ち着いて説明してくれました。
私は隣で、
「クレオ……頼む‼︎」
という状態です(笑)
やがて兵士たちの表情が和らぎました。
そして最後には笑顔で、
「旅を楽しんでね!」
と私たちを送り出してくれました。
車が再び走り出した時の安堵感。
今でも覚えています。
いやぁ、クレオ。
頼もしかったなぁ。
普段は助手席で地図を広げて、私をナビゲートしてくれるクレオ。
この時は道だけでなく、私まで助けてもらいました(笑)
イネスが🇪🇸の妹なら、
クレオは🇪🇸の姉さん。
私にとって、そんな存在だったのかもしれません。
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オマーで平和を祈る
そして私たちはオマーへ向かいました。
そこには爆弾テロの傷跡が残っていました。

全ての人々に平和なくらしを
与えてください
そう思いながら4人で神に祈りました
写真の裏には、当時の私が書いた文字が残っています。
“Bomb scene in Omagh.”
フェンス越しに現場を見つめました。
そこは観光地ではありません。
実際に多くの人たちが犠牲になった場所です。
私たちは4人で、その場所に立ちました。
そして——
ただ静かに、平和を祈りました。
何を話したのかは、もう覚えていません。
もしかしたら、ほとんど何も話さなかったのかもしれません。
でも、それでよかったのだと思います。
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ダブリンの夜
長いドライブを続け、私たちは首都ダブリンへ。
その日の夕食のことです。
みんなで食卓を囲んでいると、突然隣にいたクレオが私に話しかけました。
「トシオ、今日までのドライブありがとう。」
そして、
「ここまで無事に私たちを連れてきてくれて、ありがとう。」
さらにクレオは言いました。
「今夜はお礼を込めて、あなたの分は私たちが払うわ。」
そして——
“We will invite you!”
私は驚きました。
そして、とても嬉しかった。
クレオが話している横を見ると——
向かい側に座るオルガもサベリオも、
うん、うん。
笑顔で頷いています。
きっと私のいないところで、3人で相談していたのでしょう。
「今日はトシオにお礼をしよう。」
そんなことを話していたのかもしれません。
その光景が、なんとも温かかった。

クレオからの感動的なスピーチを
思い出させてくれる写真です
国籍も違う。
育った場所も違う。
出会ってから、それほど長い年月を一緒に過ごしたわけでもありません。
それなのに——
なんだか家族みたいだな。
そんな気持ちになりました。
旅を計画したのは私です。
みんなと一緒に行きたい場所があって、好きでハンドルを握っていただけ。
お礼を言ってもらおうなんて、一度も考えていませんでした。
でも、みんなはちゃんと見ていてくれた。
長い距離を運転していたこと。
慣れない土地を走っていたこと。
そして、みんなを無事にここまで連れてきたこと。
料理がどうだったのか。
何を食べたのか。
もう覚えていません。
でも——
あの時の3人の笑顔は覚えています。
有名な観光地よりも。
豪華な料理よりも。
誰かの何気ない一言の方が、ずっと心に残ることがある。
あの夜の夕食は、
私にとって忘れられない“ごちそう”になりました。
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そして、コークへ
翌日、私たちはコークを目指しました。
途中では強風に見舞われ、びしょ濡れになったりもしました。
緊張する場面もありました。
長い長い運転。
今考えれば、かなり無茶な旅です。
3日間で、おそらく1000km近く走ったのではないでしょうか。
それでも——
誰一人、文句を言わなかった。
クレオも。
オルガも。
サベリオも。
私の無茶な計画に、最後までついてきてくれました。
そして長い旅の最後。
遠くに見慣れたコークの街が見えてきました。
その瞬間——
「無事に帰ってこれた……」
ものすごくホッとしたことを覚えています。
事故もなく、4人全員が無事に帰ってきた。
それだけで十分でした。
⸻
「ありがとう、トシオ」
旅が終わった時、みんなが言ってくれました。
「これから先も一生の思い出になったよ。」
そして——
Thanks Toshio!
「ありがとう、トシオ。」
あれから長い年月が経ちました。
改めて思います。
旅は、一人では作れない。
ハンドルを握る人がいる。
助手席で地図を広げてくれる人がいる。
一緒に笑ってくれる人がいる。
雨に濡れてもついてきてくれる人がいる。
そして——
自分が困った時には、助けてくれる人がいる。
だから、旅になる。
クレオ。
オルガ。
サベリオ。
みんな、あの旅を覚えているかな。
私は今でも覚えています。
写真を見るたびに、
4人で走ったアイルランドの道が蘇ってきます。
そして、ダブリンの食卓で——
クレオが話す横で、
オルガとサベリオが笑いながら、
うん、うん。
と頷いていたことも。
あの時は言えなかったかもしれないから、
28年近く経った今、もう一度言わせてください。
いえいえ、わたしこそ。
クレオ、オルガ、サベリオ。
一緒に旅をしてくれて、ありがとう。
みんな、ありがとう!

まさに4人の絆が生んだ
素晴らしい旅になりました
🇮🇪🚗🇪🇸🇪🇸🇮🇹🇯🇵
