「食欲」という言葉を伸ばしてペラペラにしようと試みた
「食欲」という言葉を生地に見立てて…
うどんとかパスタの生地を伸ばして伸ばして伸ばしまくったらペラペラになるでしょ?それをもっともっと伸ばしたら透けて見えるくらいペラッペラになるはず。
ペラペラエッセイも同じなんじゃないかと思った。
【食欲】───この言葉を伸ばして伸ばして伸ばしまくったらペラペラエッセイになるのかな?という試み。
食欲という言葉をネットで調べてみた。
それを食べたいと思う欲望。飲食についての欲望。
欲望。まさにその通りだ。
何が?私の中で渦巻く抑えようのない衝動が。
最近とにかく食べてしまう。晩御飯を食べ終わって食器を下げたその流れで、ストックしているスナック菓子の袋をひょいと摘んでいつもの定位置に戻り、そのまま食べ始める。それも毎日のように。
さすがにヤバいと思って、また食べようとしていたら俺を止めてくれと妻に頼んだ。翌日、当たり前のようにスナック菓子の袋を開けようとした私に妻は「食べないって言ってたよね?」と釘を刺してくれた。ちゃんと聞こえてるし意味も理解しているのに、私はそのままスナック菓子の袋を開けて、「あぁ…もう開けちゃった」と言う。そのあと「フードロスするわけにはいかないから…」と付け加え、スナック菓子をペロリと平らげる。
なんてだらしない人間なのだ。書いてるだけでも吐き気がする。でも相変わらず食欲はある。
なぜ食べ続けてしまうのだろう。病気なのかな?そういう病気もあると聞いたことがある。病気なら仕方ないよねと、おやつに手を伸ばしそうになる自分が恐ろしい。依存症みたいなものだ。
「あなたは病気です。治療をしましょう」と診断されるとどうなるんだろう。ヤバいと思って気をつけるのか、それなら仕方ないと開き直るのか。開き直りそうな自分が怖いし憎い。
食欲の秋が近づいている。いや、もうすでに秋なの?教養がないからわからない。ネットで検索すると気象庁の定義では9月1日から秋とのこと。もう秋ならばこの食欲にも納得がいく。早く冬が来てほしい。食欲がおさまるはずだから。
そんなことを書いているこの瞬間にも私はおやつをつまんでいる。最近お気に入りの「絶品かっぱえびせん 浜御塩とわさび味」をつまんでいる。「絶品かっぱえびせん 浜御塩とわさび味」をつまんだ指でスマホをタップして文字を入力している。きっとこの記事も絶品になるはずだ。どれどれ、いったいどれくらい絶品になったのか読んでみよう。そう思って振り返った自筆の記事は思っていた以上に普通だった。
これでいい。これでいいのだ。
私の目が涙でいっぱいなのは、ワサビがツーンとしたからである。泣いてなどいない。
振り返り
思ったほど食欲という言葉をペラペラに伸ばせなかった。それもまた私のペラペラさであり、そんな私をペラペラエッセイは何も言わずに今日も包み込んでくれる。
おしまい
