技術で未来を設計し、人に価値を届けるー株式会社iCARE CTO 工藤 大弥氏
【経歴】
株式会社iCARE CTO 工藤 大弥氏
・2010年 日本電子専門学校卒業
・受託開発を行うベンチャー企業にてWebエンジニアとしてキャリアをスタート。
・シード期のスタートアップのリードエンジニアやCTOを経験
・2020年11月より業務委託にて株式会社iCAREにジョイン
・2022年1月より正社員となり、同年11月にVPoEに就任
・2023年8月にCTOに就任
SECTION1
“ゼロイチ”に惹かれて歩んできた道
Q:エンジニアとしてのキャリアスタートについて教えてください。
高校を卒業後、IT系の専門学校に進学しました。もともとは組み込み系の開発を専攻していたのですが、在学中に独学でWeb開発の面白さに惹かれ、次第にのめり込むようになりました。そんな中で、ソーシャルゲームの受託開発を行っていたベンチャー企業でアルバイトを始めたことが、私のエンジニアとしてのキャリアのスタート地点です。
その企業で数ヶ月ほど働いたある日、社長に「春からどうする?」という声をかけられたのがきっかけで、正社員として入社することになりました。当時は「新卒採用」という制度そのものに違和感があり、就職活動も全く行っていなかったので、むしろ自然な流れのように感じ、あまり迷うことなく決断することができました。
その会社には3年ほど在籍し、受託開発に携わる傍らで、自社サービスの開発にも携わる機会を得ることができました。その経験を通じて、幅広い技術領域に触れながら、自分の強みや興味を明確にしていくことができました。また、初めて転職エージェントの方と面談した際に「自分の市場価値」を客観的に把握できるようになり、少しずつ自信がついていきました。そして、働き方の裁量を求めてフリーランスとして独立するという選択を取りました。
Q:iCAREへ入社した経緯を教えてください。
フリーランスとして独立した後は、ありがたいことに多くのご縁に恵まれ、継続的にさまざまな案件をご依頼いただいていました。その中で、シード期のスタートアップにリードエンジニアとして参画したり、CTOを務めるといった責任のあるポジションを経験させていただく機会もありました。
しかし、そうしたハードワークが続くなかで心身に負荷がかかり、うつ状態に陥ってしまい、しばらく休職をした時期もありました。
iCAREに入社したきっかけは、現取締役 CPDO(Chief Product Development Officer)である石野から声をかけてもらったことです。石野とは過去にCTO Night&Dayというカンファレンスで会ったことがありました。そのご縁で、2020年11月から業務委託という形でiCAREに関わるようになり、その後、2022年1月に正社員として入社しました。
私自身の休職経験や、親族が過労によって倒れる場面を目の当たりにしてきたこともあり、「働く人の健康」や「メンタルヘルス」の重要性については、人一倍強い関心を持っています。そんな中で「働くひとの健康を世界中に創る」という明確なパーパスを掲げているiCAREと出会い、自然と共感し、この会社でなら自分の技術者としての経験を活かして社会に貢献できるのではないかと感じました。iCAREに出会えたこと、そしてこの理念に共感して入社できたことに、非常に強い縁を感じています。
SECTION2
組織設計と技術戦略
Q:現在、工藤様はCTOとしてどのような役割を担われていますか?
2025年の1月末までは、CTOとしての業務と並行して開発部の部長職も兼任しており、システム開発・運用プロセスの整備や組織づくりに注力をしてきました。特に、開発パフォーマンスの可視化やシステム・組織の中期課題整理、ミドルマネージャーの採用・育成に力を入れていた期間でした。
現在は、当社の主力プロダクトである「Carely(ケアリィ)」が来年でリリースから10周年を迎えるという節目でもあるため、さらなる未来を見据えての技術課題の解消や、技術ドリブンでのプロダクト価値の向上に注力しています。
それらの技術施策を推進するための体制強化の一環として、2025年2月に組織変更を行い、これまで弊社でテックリードやPdM(プロダクトマネージャー)を担っていた福傳(ふくでん)にVPoEとなってもらい、開発部の部長職も引き継ぎました。組織面をVPoEに任せられるようになったことで私自身は技術面のコミットメントを高め、直近ではR&Dチームでの活動に軸足をシフトしています。
このR&Dチームでは、生成AIを活用した新規サービスやプロダクトの研究開発を進めています。現在の具体的な取り組みとしては、紙で出力された健康診断結果をAI-OCR技術でデータ化し、業務効率やデータ活用を加速させるプロジェクトを実用化に向けて進行中です。
Q:マネジメントにおいて直面した課題は何ですか?
2023年にCTO兼開発部長に就任し、当時直面した一番大きな壁は、自分の考えている課題感がメンバーにうまく伝わらない、あるいは伝わり切らないということでした。30名を超える規模の組織をマネジメントするのは初めての経験だったこともあり、全員としっかり向き合いたいという気持ちはありつつも、なかなか一人ひとりと深く対話する時間が確保できなかったのです。
その課題に対処するためにミドルマネージャーの育成・採用に注力しました。部署やシステムの課題について全マネージャーが共通認識を持てるよう会議体を設計したり、人事評価基準の目線を合わせたり、暗黙知・ブラックボックス化していたマネジメント業務も仕組み化を進め、マネジメントチームで部の課題解決に取り組める体制を整えていきました。
現在では、開発組織全体のマネジメント・意思決定は福傳に引き継いでいますが、上述の仕組みを整えていたこともあり、比較的スムーズに移行できました。開発部のマネジメント体制が安定したことにより、目の前の問題だけではなく中期的な課題解決にも腰を据えて取り組めるようになり、これは非常に大きな成果の一つだと感じています。
Q:CTOとして、最も重視すべきテーマは何だと思いますか?
CTOという役割は、技術課題や開発組織の課題だけでなく、経営課題そのものに向き合う責任があると考えています。経営戦略や事業戦略に連動する形で、技術課題や開発組織の課題を見極め、戦略的に解決していくことが求められます。
一方で、急速に進化する生成AI技術、とりわけAIによるAIコーディングの分野に対して、CTO自身が実際に手を動かしてキャッチアップしていくことも2025年の動きとしては極めて重要だと考えています。今まさに「Claude Code」や「Devin」などのツールを実際に触りながら、現状何が得意で、どこまで実用に耐えうるかの肌感をタイムリーに掴むようにしています。
自律型AIコーディングエージェントの登場はソフトウェア開発において革命的で、このような技術の採用判断は、今意思決定するのか、1ヶ月後、あるいは3ヶ月後に判断するのかで、半年後の開発組織の成果や開発効率に大きく影響します。だからこそ、CTO自らが手を動かし、技術の“勘所”を磨いた上で、スピーディに意思決定していくことが重要だと感じており、今はそのための時間を積極的に確保しています。
SECTION3
自らの成長を導く、“任される力”の磨き方
Q:CxOになるために取り組んだことはありますか?
私は現在CTOを務めていますが「CTOになるために特別なことを意識的に取り組んできたか?」と問われると、実のところ、明確に「これをやった」と言えるものはないと思います。
iCAREでの自分のキャリアを振り返ると、開発チームのリーダーから始まり、マネージャー、VPoE、そしてCTOへと段階的に役割が広がってきました。
しかし、役職が与えられて動いたというよりも、役職が付く前からその領域に踏み込み、実質的にその役割を担っていた。
そのように取り組んでいる中で自然と役職が後からついてきたというように思います。
また、エンジニアとしてのプロダクト開発ということと、開発組織をマネジメントすること。このどちらも重要だと考え向き合っていたので、そういったところを会社が見て信頼してくれていたからCTOを任せてもらえたのかなと思います。
また、過去に大きな組織マネジメントの経験は浅かったものの、シード期のスタートアップで1度CTOを経験していたという背景も、iCAREで再びCTOというポジションを任されることにつながった一因かもしれません。ただし、何よりも重要だったのは、その時々で自分に与えられたミッションや課題に対して誠実に、全力で向き合ってきたことだと思います。
私は一貫して、エンジニアとしてのプロダクト開発に真摯に取り組む姿勢と、組織マネジメントの両方を大切にしてきました。技術的な観点だけでなく、ビジネスとしてのROI(投資対効果)も考慮しチーム全体をどう活躍させるかという組織的視点にも向き合ってきたからこそ、会社としても「信頼できる人物」として評価していただけたのではないかと思っています。
Q:CTOになれる人はどんな人だと思いますか?
CTOという立場を任されるような人とは、単に技術力が高いというだけでなく、開発現場や組織内に存在する課題を見つけ出し、自ら進んで解決に動ける人だと考えています。実際、開発や組織運営には常に何かしらの課題が存在します。その中で、「これは自分の業務範囲外だから」と距離を置くのではなく、課題を主体的に発見し、それを自分ごととして捉えて巻き取り、解決へと導いていけるかどうかが重要です。
また、視野を“個人単位”にとどめるのではなく、“会社全体”の観点で物事を捉え、組織やプロダクトにとって本当に必要なことは何かを見極め、それに対してアクションを起こしていける人こそが、自然と大きな責任と裁量を任されるようになると感じています。
結果として、そのような行動の積み重ねが信頼を生み、役職やポジションとしての「CTO」という道が見えてくるのだと思います。
SECTION4
プロダクトで社会に価値を届ける
Q:今後のビジョンを教えてください
今後は、中長期的な視点で技術戦略を推進する役割を担いながら、生成AIをはじめとした先進技術を活用した新規サービスの開発、そして技術的難易度の高いプロジェクトの推進に注力していきます。
こうした取り組みを通じて、「働くひとの健康を世界中に創る」というiCAREのパーパスの実現を、技術の力でより確かなものにしていきたいと考えています。そのために、数年後の社会や事業環境を見据えたうえで、今どのような技術投資を行うべきか、どのような価値を生み出すべきかを逆算的に設計し、戦略的に取り組んでいきます。
Q:最後にエンジニアの皆さんに向けて一言お願いします
エンジニアという職業には様々な魅力がありますが、私は自分の手でシステムを創り上げ、お客様や社内のメンバーが喜んでくれる。その価値を届けられることに魅力ややりがいを感じています。
iCAREでは、テクノロジーの力で企業に眠る様々な健康課題を解決しようと本気で向き合っている仲間たちがいます。そうした価値づくりに一緒にチャレンジしたいと思える方、誰かのために本気でプロダクトをつくりたいと思っている方に、ぜひジョインしてほしいと思います。
今回インタビューにお答えいただきました工藤氏がCTOを務める
株式会社iCAREはエンジニアを募集しています。
選考時には工藤氏と直接話すことが出来る機会もございますので
価値のあるものを作り、人が喜ぶものを作りたいというエンジニアの方々、
下記リンクよりぜひお問合せください。
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