唐松岳 | 家族登山は子育てリベンジ
急遽、娘も加わることになり、家族三人で一泊二日の唐松岳登山へ。
初日は晴れ間が見られませんでしたが、翌朝、思いがけない絶景に出会えました。
一方、下山では、娘が怖さで動けなくなるというハプニングもありました。
そんな娘とのやり取りを通して、家族登山は、私にとって「子育てリベンジ」の場にもなっていることに気づきました。
懐かしい八方から、唐松岳へ
7月最初の週末、急遽娘も加わった唐松岳登山でした。
その週は、
是非唐松岳に行きたいと思いながら、毎日天気予報とにらめっこをしていました。
キャンセル料のかからない期限となる3日前、改めて天気予報を確認したところ、なんとか雨には降られずに済みそう!
眺望は期待できないかもしれないけれど💦
ということで決行することにしました。
唐松岳は2696mの高山です。
初めて、家族で立山雄山(3003m)に登った時、娘は途中で、軽い高山病のような症状が出てしまいました。
今回は一週間ほど前から睡眠や食事に念入りに気を配り、体調を整えてもらいました。体調管理の一環として、漢方も渡しました。
登山初日、天気は曇り。
新幹線で長野駅まで行き、そこからバスで白馬八方バスターミナルまで行きます。
ゴンドラと2本のリフトを乗り継ぎ、八方池山荘へ。そこから登山開始です。
八方というと、その昔何度もスキーで来ていました。
アダムという名のゴンドラは何度も乗った記憶があり、懐かしすぎる、、、
夏に来たことはなく、この歳になって登山でくることになるとは、、、感慨深いです。

そんな思い出に浸りながら、八方池山荘に到着。
ニッコウキスゲやコバイケイソウがきれいに咲いていました

そこから登山開始です。
八方池は予想どおり、曇りで逆さ白馬三山を観ることは出来ず、、、
しかし、時折雲間から覗く山々の姿にドキドキしながら本格的に登っていきます。

今回大きな想定外は残雪!
チェーンスパイクを使うほどの状態ではなかったものの、想像以上に残雪があり、一歩ずつ慎重に進みました。
なんとかそこをクリアしたところ、次に現れたのは道幅の狭いザレた登山道。
そこで、娘は怖がってしまい歩くのにかなり苦労しました。
私は「下山時大丈夫かな、、、」との不安が、、、
そして頂上に近づくにつれ、難易度が増していきます。


やった!唐松岳頂上山荘が見えた!


雲の向こうに待っていた絶景
天気はもちましたが、やはり周囲はガスっていたため、その日はそのまま美味しい夕食を食べて寝ました。

次の日の朝、日の出前(4時ごろ)
「晴れているよ!」
夫の声に、急いで身支度をして外へ!
ほんとだ!
日の出前の唐松岳が目の前に。

そして日の出。

「朝食まで時間があるから、先に唐松岳に登っちゃおう!」
と決め、唐松岳山頂へ。

朝日を浴びた剱岳と立山連峰が、美しくそびえ立っていました。

北アルプスの山々の奥には、槍ヶ岳が見えました。


隣には白馬連峰。

朝日を浴びた雲海も幻想的です。

唐松岳頂上山荘の向こうには五竜山荘も見えます。

これらの絶景を家族それぞれ堪能して、山荘で朝食を頂き、いざ下山です!
怖さで動けなくなった娘
さて、下山では、登りで娘が難儀した登山道と残雪があります。
娘も不安に思っていたようでした。
その場所に差しかかると怖さで動けなくなってしまいました。
夫:支えているから大丈夫!こうしないとだめだよ
夫は、娘の身体を支えながら、足の置き方を伝えます。
それも必要なことでしたが、怖さで身体が動かなくなっている娘には、まず、その気持ちを言葉にすることが必要なのかもしれない。
そこで私は、心理学で学んだことを思い出しました。
私:そうしたいと思っても、身体が動かないんだよね
娘:うん、そう、できない
娘の中にあるであろう気持ちを言葉にし、隣に立ちました
私:私と同じように足を動かしてみてね
そう声をかけながら一緒に足を運ぶと、娘もなんとか動けるようになり、
その道をクリアできました。
次は残雪です。
娘は、前日からの疲れと、先ほどの登山道での緊張から脚に力が入りにくい状態になってきています。
残雪の上で何度か足を滑らせ、尻もちをついてしまいました。
夫:こうやって歩かないと!
夫はアドバイスをします。
私:力が入らないんだよね
娘:うん、、、脚に力が入らない
娘は疲れから、教えられたとおりに足を動かすこと自体が難しくなっていたようです。
そんなやり取りをしながら、なんとか残雪を通過しました。
今からでも遅くない
娘:ここまでくれば、あとは難所はないね
夫と私:そうだね
そう答えながら、私は、
こんなに大変な思いをして、登山そのものが嫌になっていないだろうか、、、
それ以上に、「やっぱり自分はだめだ」
と、自信を失っていないだろうか。
そんなことが気になってきました。
4年前、甲状腺がんを経験したことをきっかけに、私は心理支援の道を志し、心理学を学び始めました。
その過程で、さまざまな気づきがありました。
その一つに、今も後悔していることがあります。
それは、
自分の子育てで「娘を褒めることが少なかった」ということ。
娘には、もっと自分の力を信じ、自信を持って生きてほしい。
けれど、娘を十分に褒めてこなかった私の関わり方も、影響しているのではないか。
心理学を学ぶ中で、そう考えるようになりました。
娘はもう大人になっています。
そのことに気づいたとき、
今さら、どうしたらいいのだろう。
と思いました。
でも、今からでも遅くない。
これからは、娘のよいところや頑張りを、きちんと言葉にして伝えよう。
そう思ったのでした。
そうだ!今こそ褒めなくちゃ!
怖い中、本当によく頑張った。
去年の燕岳以来、それほど山行を重ねていない中で、唐松岳に登頂できたのはすごい!
とりあえず思いつくままに褒めてみました。
そして、
転ぶと、何もかも嫌になるくらい落ち込むよね。
お母さんも階段から落ちたとき、本当に落ち込んだよ。
と、階段滑り落ちの時の思いを伝えてみました。
その言葉が、娘にどれほど届いたのかはわかりません。
けれど、山頂で目にした絶景は、ザレた登山道の怖さや、残雪を歩いた苦労を大きく上回ったようです。
下山後、娘は、
また山に行きたい!
と言っていました。
家族登山。
それは、私にとって「子育てリベンジ」の場にもなっているのかもしれません。
過去の子育てをやり直すことはできません。
けれど、大人になった娘との関係は、今からでも育てていくことができます。
一緒に山に登り、娘の頑張りを認め、同じ景色を眺める。
山は、そんな機会も与えてくれるようです。
※唐松岳登山に娘が加わった経緯はこちら↓
※階段から落ちた話はこちら↓
