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浜田省吾さんの歌から辿り着いた「ほびっと」跡地を訪ねる (岩国市)

私は岩国市出身、1973年生まれです。

1970年代前半。
ベトナム戦争の時代、岩国市には「反戦喫茶」があったといいます。 
その名は「コーヒーハウス ほびっと」。 


この「ほびっと」のすぐ近くの今津川の対岸には米軍基地があります。
当時の若者がここで反戦を語り、ベトナム戦争時に多かった「反戦米兵」を迎え入れては交流していたそうです。

「ほびっと」跡地は当時の家から自転車で普通に行ける距離。
また、「ほびっと」の近くに祖父母の家もありました。
「ほびっと」はベトナム戦争終戦(1975年)過ぎまで存在していたそう。
2歳ではさすがに記憶はないのですが、幼少期に「ほびっと」の前を通ったりしているのだろうと思います。 


そんな「ほびっと」に、当時予備校生だった浜田省吾さんが隣町の大竹市から通っていたそうです。 

私は浜田さんの音楽が好きです。
ただ好きというより、人生の折々で背中を押してもらっています。

浜田さんの歌に「いつかもうすぐ」という曲があります。 
その中で歌われている“米軍キャンプの傍にある小さな店”というのはこの「ほびっと」のことだそう。 
ここで働いていた“あの娘”を迎えに来たのに、あの娘は5月に若い兵隊とカリフォルニアに行ってしまっていた… という内容の失恋ソング。

この歌を知った当初はまだ18で、「切ない気持ちを歌った曲」という印象でしたが、年齢を重ねるほどに、その背景にある“時代”が気になるようになりました。

基地の街。
反戦。
若い兵士。
そして、そこにいた名もなき人たち。

好きな歌の中に、自分の故郷がある。

それは誇らしいというよりも、不思議な感覚です。
まるで、自分が知らなかったもう一つの岩国が、歌の中に保存されているように感じます。


「ほびっと」があったという場所へ実際に行ってみました。 

今は空き地というか、駐車場のような場所。
本当に当時の生活圏内そのものです。目を瞑っても歩けるくらい。 

ここで若き日の浜田さんが何を見て、何を思い、
のちにあの歌へとつながっていったのか。

そう考えると、この何でもない普通の景色が、急に立体的に見えてきます。


母に聞くと「ほびっと」を知っていると言います。
そして驚いたのは、ほびっとを舞台にした小説「朝はだんだん見えてくる」の著者、岩瀬成子さんとクラスメイトだったそう。
これまたすごい。

・故郷に反戦喫茶があった
・浜田省吾さんもこの店に通い、そして歌が生まれた
・岩瀬成子さんと母はクラスメイトだった
・ベトナム戦争当時の空気を、いま、知りたい

様々な要素が折り重なり、「ほびっと」についての多角的な興味がますます止まりません。 


ほんの50数年前の出来事。けれど時代は徐々に移り、私はその時代の空気感をリアルには知りません。

好きな浜田さんの歌をきっかけに、「その時代を知りたい」という思いがムクムクと膨らんでいます。

今ならまだ聞いて調べて当時を知ることができます。
そして自分なりに考えてみたい。
「ほびっと」という名前を、これから少しずつ辿っていこうと思います。



音楽から始まった問いが、
故郷の歴史へとつながっていく。

それはきっと、今をどう生きるかを考えることにも、どこかでつながっているはずです。



いつかもうすぐ / 浜田省吾 (LINE MUSIC 試聴)

朝はだんだん見えてくる / 岩瀬成子

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jazztrumpet_河村貴之 サポートくださる皆様、そのお気持ちがとても励みになります。ありがとうございます^_^ 不定期ではありますが、日常の中での想いを”伝わる記事“にしてお届けできるよう、今後も心を込めて執筆を続けていこうと思っています。