愛嬌は愛着につながる
『&Premium』最新号(2025年12月号)は、「コーヒーとお茶と、わたしの時間。」という特集。
文筆家の木村衣有子さんが、ワイスケドリッパーを紹介してくれている。
ハンドドリップでコーヒーを淹れはじめたきっかけとして、
「19歳のときにお付き合いしていた人がコーヒー好きで。一緒に楽しみたくて...」
というなんとも愛らしいエピソードが冒頭に置かれながら、途中、「コーヒーを淹れて飲むことは、コミュニケーションにも似ています」とはさまれたとおり、彼女自身が刊行して(あるいは書いて)いるZINで言及している、「ベルク」「六月の鹿」「ツバメコーヒー」のコーヒー豆が並ぶ。
「〈KONO〉は壁があり、「ワイスケドリッパー」は柱があるだけ」
というように、「ワイスケ」とは「ワイヤースケルトン」の略であり、「黒スケ」(あるいは「コロ助」)みたいな愛嬌があるものにしたかったという理由で決めた名前だったけれど、(コーヒーとの)壁がないコミュニケーションが目指されている、とも言える。
「『ワイスケ』は壁がない分、じわじわと抽出されるのでコーヒーが重たくなります。ネルドリップで淹れたコーヒーに近いイメージというか......」
ドリッパーのみならず何事も速さが求められる世界で、じわじわという時間感覚は、コーヒーのみならず大事にしていきたい、とあらためて思わせてくれる。

