【解散で逃げ切れるのか】セクハラ認定の南城市長が「辞職せず」議会を強制リセット──問われるのは法よりも“信義”
10月6日午前11時前、沖縄・南城市役所。古謝景春市長が議長室を訪れ、無言のまま解散通知書を手渡した。時計の針は10時59分。記者たちがマイクを向ける中、彼の口から出たのはわずか数語——「辞職しません。やってないから」。
正直、聞いていて力が抜けた。セクハラ認定を受けた市長が、議会の不信任に対して「議会の方を解散する」という政治的カウンターパンチ。こんな逆転劇、地方自治の現場でそうそう見られるもんじゃない。
■ 第三者委が「認定」した9件の行為
市の第三者委員会が5月に認定したのは、市職員へのセクハラおよびパワハラ。
ホテルでの呼び出し、キスの強要、チークダンスの強要など、合計9件に及ぶ。
報告書は辞職を提言したが、古謝市長は「一貫して否定している」と主張。
さらに、9月22日には女性職員に「ハグしたさーね」と語る録音データが報道で公開され、全国的に批判が高まった(沖縄タイムス「録音データで明らかに」)。
■ 議会の判断と「最後通告」
南城市議会は9月26日、不信任案を賛成15、反対3、退席1で可決(琉球新報「不信任可決の経緯」)。
辞職か、議会解散か。
地方自治法187条が定める「首長の選択猶予」は、10月6日が期限だった。
結果、市長は辞職を拒み、議会を解散。選挙管理委員会は11月9日投開票を有力日程として調整を進めている(TBS NEWS DIG「市選管の見通し」)。
■ 「筋違いの解散」と専門家の指摘
法政大学の白鳥浩教授は「二元代表制では、首長は議会の決定を尊重する義務がある。自身の不祥事を議会に転嫁し、解散を行うのは権力の乱用にあたる」と批判している。
確かに、制度上は解散できても、倫理上はアウト。
“やってない”と叫ぶ前に、説明責任を果たすのが先じゃないか。
■ 市民が払う「2,000万円」の代償
市によると、議会選挙にかかる費用は少なくとも2,000万円。
結局、そのツケは誰が払う?もちろん市民だ。
「ハラスメント否定のための解散」ほど、市民無視の政治判断も珍しい。
■ それでも信任を問える制度の皮肉
仮に次の市議会で再び不信任案が可決された場合、今度は市長失職が確定する。
つまり、今回の解散は「一時しのぎ」に過ぎない。
市民は、11月の選挙で“信を問う”チャンスを得た形だ。
■ 「全部やってない」その一言の軽さ
会見で古謝市長は「全部やってない。どこかで分かりますから」と語った。
しかし、その“どこか”とはどこなのか。
被害者や職員、市民が知りたいのは、事実の所在と説明責任だ。
政治の世界では、「逃げ切り」はしばしば戦略になる。だが今回のような人権と信頼に関わる案件では、それは通用しない。
議会を解散しても、世論は解散できない。
今日のワンフレーズ
「否定は言葉でできる。でも、信頼の再建は言葉じゃできない。」
さて、あなたはどう思う?
「やってない」と言い切る首長に、市の未来を任せられると思う?
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