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中東を「イスラエル vs アラブ」で理解する人はもう古い

「ほんまかいな?」から始まる話

SNSを見ていると、時々こんな投稿に出会う。

「イスラエルとアラブが組んでいるから石油は上がらない」

多くの人はこう思ったはずだ。

「ほんまかいな?」

その反応は実に健全である。

なぜなら、この文章は一見するとかなり乱暴だからだ。

中東といえば普通こう考える。

イスラエル vs アラブ世界

これは学校でもニュースでも長年語られてきた構図だ。

実際、1973年にはアラブ諸国が連携し
石油を政治兵器として使った。

それが

オイルショック

である。

つまり当時の世界は

イスラエル vs アラブ

という単純な対立で動いていた。

しかし今回拡散されたツイートは
その常識をひっくり返す。

「イスラエルとアラブが組んでいる」

この表現はかなり雑だが、
実は完全なデタラメではない。

問題のツイートはこちらである。

X投稿動画

ここで語られている内容の元ネタは
経済学者の解説動画である。

動画では中東情勢について
次のような趣旨が語られている。

中東は一枚岩ではない

そして

アラブ=反イスラエルではない

という点だ。

中東情勢と石油市場の解説

SNSではこの議論が

「イスラエルとアラブが組んでいる」

という一文に圧縮されて広がった。

つまり

方向は間違っていないが、かなり単純化されている

というのが実態である。

中東の対立構造は変わった

では実際の構造はどうなっているのか。

ここで重要なのは

イラン

である。

現在の中東政治は
この国を中心に回っている。

ざっくり言えば勢力は二つある。

イラン陣営

・イラン
・シリア
・ヒズボラ
・ハマス

そしてもう一つが

湾岸諸国

・サウジアラビア
・UAE
・バーレーン

ここで重要なのは

湾岸諸国はイスラエルよりイランを警戒している

という事実だ。

理由は単純である。

イランは

・革命国家
・ミサイル開発
・核問題
・地域影響力拡大

などを進めている。

つまり湾岸諸国から見ると

地域覇権を狙う国家

なのである。

その結果起きたのが

アブラハム合意

である。

アブラハム合意の背景

2020年

・UAE
・バーレーン

がイスラエルと国交を正常化した。

これは中東史では
かなり大きな転換点だ。

つまり現在の構図は

イスラエル vs アラブ

ではない。

むしろ

イラン vs その他

に近い。

この変化を理解していないと
SNSの議論はすべて奇妙に見える。


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だが便利な言葉ほど、思考停止を招く。

石油価格は「戦争」で決まるわけではない

中東で戦争が起きると
必ず言われることがある。

「石油が上がる」

これは半分正しい。

だが半分間違いでもある。

石油価格を決める最大の要因は

供給

だからだ。

つまり重要なのは

・生産
・輸送
・市場期待

である。

戦争そのものではない。

過去を見ても
中東で衝突が起きても

石油価格が暴騰しないケース

はいくらでもある。

では何が起きると
本当に危険なのか。

それが

ホルムズ海峡

である。

この海峡を通る石油は

世界の約20%

と言われる。

ホルムズ海峡の石油輸送の重要性

もしここが封鎖されれば
世界経済は即座に衝撃を受ける。

つまり石油価格の本当の問題は

戦争ではない

物流である

湾岸諸国は市場安定を望む

もう一つ重要な点がある。

それは

産油国の思惑

だ。

湾岸諸国は石油を売って
国家を運営している。

つまり彼らにとって重要なのは

価格の乱高下ではない

安定した市場

である。

石油価格が暴騰すると
世界経済は減速する。

すると

石油需要が減る

つまり産油国にとっても
長期的には損になる。

そのため

湾岸諸国は

・供給維持
・市場安定

を望む。

ここまで理解すると
SNSの議論も少し違って見える。

「イスラエルとアラブが組んでいる」

という表現はかなり乱暴だ。

だが

中東が一枚岩ではない

という指摘は
完全な間違いではない。


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SNSは世界を単純化する

今回のツイートで
一番面白いのは内容ではない。

拡散の仕方である。

SNSは構造的に

単純な物語

を好む。

たとえば

・善 vs 悪
・正義 vs 悪
・西側 vs イスラム

このような対立だ。

しかし現実の国際政治は
そんなに単純ではない。

むしろ

・宗派
・歴史
・経済
・地政学

これらが複雑に絡み合う。

中東は特にそうだ。

だから

イスラエル vs アラブ

という理解は

1970年代の世界観

なのである。

現在の中東は

イラン問題

を中心に回っている。

つまり

・イスラエル
・湾岸諸国
・アメリカ

この三者が

部分的に利害を共有する

という奇妙な構図が生まれている。

これは50年前なら
ほとんど想像できなかった。

「ほんまかいな?」は大事な反応

今回の話で一番重要なのはここだ。

疑うこと

である。

SNSの情報は

・短い
・刺激的
・単純

だ。

しかし世界は

長く

複雑で

矛盾している。

だからこそ

「ほんまかいな?」

という反応は健全なのである。

疑問から始まる思考こそが
世界を理解する最初の一歩だからだ。


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今日のワンフレーズ

世界は単純ではない。
単純に見えるときほど、疑ったほうがいい。

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