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「楽しみにしていた予定なのに、当日になると行きたくなくなるとき」|月綴堂 心読み

予定を決めたときは
確かに楽しみだったのです

行ってみたかった場所
久しぶりに会える人
少し前から気になっていたお店

何を着ていこうかと考えたり
その日のために
ほかの予定を空けておいたり
「楽しみだね」と
誰かと話していたり

それなのに
当日の朝になると
なぜか突然
行きたくなくなることがあります

起きて
時計を見て
あと何時間で支度をしなければならないのかと考えた瞬間

心が少し
重たくなる

「……家にいたいな」

そんな気持ちが
ひょっこり顔を出すのです

昨日までは楽しみだったのに
どうしてなのでしょう

支度をするのが面倒
外へ出るのが面倒
人に会うのが面倒
移動するのも面倒

そしてついには

「なんで予定なんて入れたんだろう」

とまで思ってしまう

けれど.…
行ってしまえば
案外楽しかったりするのです

笑って
話して
美味しいものを食べて
帰るころには
「行ってよかったな」
と思っていたりする

だから余計に
当日の自分が
よく分からなくなるのでしょう

「本当は行きたくなかったのかな」
「楽しみにしていたのも嘘だったのかな」
「私は付き合いが悪いのかな」

そんなふうに
自分の気持ちまで疑ってしまうことがあります

けれど
楽しみにしていることと
その場所へ向かうための力があることは
本当は
少し違うものなのです

家にいる心は
まだ内側を向いています
そこから
顔を洗って
服を選んで
髪を整えて
持ち物を用意して
時間を気にしながら家を出て
人のいる場所へ向かう

私たちは何気なくしていますが
心にとっては

「内側にいた自分を、外の世界へ連れ出す」

という小さな切り替えでもあります
元気な日は
その境目を軽々と越えられます

けれど
少し疲れている日
考えることが多かった日
ひとりで過ごす時間が足りなかった日

心の余白が少なくなっている日は
その小さな境目が
いつもより高く感じられることがあります

そうなのです
行きたくないのではなく

「出かけるところまで辿り着くのが、少ししんどい」

そんな日もあります

ですので
当日になって行きたくなくなったからといって
昨日まで楽しみにしていた気持ちまで
嘘にしなくてもよいのです

会いたい気持ちと
今日はひとりでいたい気持ち
出かけたい気持ちと
家から出たくない気持ち

その二つは
同じ心の中に
一緒にあってもよいのです

そして
もうひとつ…
「行けばきっと楽しいから」
そう思って
出かける日があってもよいでしょう

少し億劫だったけれど
支度をして
玄関を出て
帰るころには楽しかった
そんな日も
たくさんあります

けれど反対に
今日はどうしても
心が外へ向かない
そんな日まで
「行けば楽しいはず」
という言葉で
無理に連れ出さなくてもよいのです

楽しみにしていた予定を断ることには
少し罪悪感が伴います
相手に悪い
せっかく予定を空けてもらった
楽しみにしてくれていたかもしれない

自分から誘ったのに
そう思うほど
休みたいという自分の気持ちを
わがままのように感じてしまう

もちろん
約束には相手がいます
急に予定を変えれば
困らせてしまうこともあるでしょう

だから
自分の気持ちだけで
何もかも決めてよいということではありません
けれど

「今日は少ししんどい」と感じている自分まで
責めなくてもよいのです

行くのか
休むのか
その答えを出す前に
まずは少しだけ
自分へ尋ねてみてください

「私は、この予定が嫌なのだろうか」
それとも
「今日はただ、疲れているのだろうか」
その二つを分けてみるだけで
心の見え方は
少し変わることがあります

もし
予定そのものは楽しみなのに
支度を考えただけで億劫になっているのなら
全部を一度に考えなくてもよいのです

まず起きる
顔を洗う
服を着る
玄関を出るかどうかは
そのあと決めてもよいでしょう

反対に
ひとつずつ進めてみても
どうしても心が重たいのなら
今日は休むという選択を
考えてもよいのかもしれません

心はいつでも
昨日と同じだけの力を
持っているわけではありません

楽しむことにも
誰かに会うことにも
外へ出ることにも
ほんの少し
力が必要な日があります

ですから
楽しみにしていた予定なのに
当日になって行きたくなくなったとしても
「あんなに楽しみにしていたのに」


昨日の自分と今日の自分を
喧嘩させなくてもよいのですよ

昨日のあなたは
本当に楽しみにしていた
今日のあなたは
少し家にいたい
どちらも
そのときのあなたの
本当の気持ちなのでしょう

楽しみにしていた気持ちを
嘘にしなくてもよいのです
そして
今日少し疲れている心も
怠け者にしなくてよいのです

今の自分には
外へ向かう力が
どのくらい残っているだろう

今夜はただ
そこを静かに
確かめてみてください
行くことを選んでも
休むことを選んでも
自分の心を置き去りにせず
決められたのなら
それでよいのです

心には時折

楽しむための力さえ
少し足りなくなる日があるのですから
🌙



🌙 今夜、もうひとつ月明かりを辿るなら.…

【月夜の処方箋|第七帖】誰にも会いたくない夜に|心をひとりへ戻す三つのこと

人と過ごすことが嫌いなわけではないのに
今日はなぜか、誰にも会いたくない

そんな夜に
外へ向き続けた心を、自分のもとへ戻す三つのことを綴っています

【月夜の処方箋|第六帖】何もしていないのに、なぜか疲れている夜に|心の力を…

大きなことをした覚えはないのに
なぜか、心も身体も重たい
理由の見えない疲れを抱えた夜に

心の力を静かに休ませるための処方箋を綴っています
今夜のあなたに、もうひとつ心惹かれるものがあれば
どうぞ、その先へ…🌙

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