泣き虫ユニバース 第6話|涙のスポーツ選手、世界記録を狙う!
⏰ 17:55の魔法、泣き虫ユニバース第6話をお届けします。
月曜の涙と笑いを、あなたのひとときに。
プロローグ
泣き虫村の朝は、今日も静かに始まった。
けれども一人だけ、すでに全力で走っている男がいる。
短パンにスニーカー、首にはタオル。
その手にはバケツいっぱいの──涙。
【スポーツ選手】「今日こそ世界記録だ! 涙100m走、スタートォォ!」
彼はバケツを抱えて走り出す。
ざばぁぁぁと水しぶき……いや、涙しぶきが飛ぶ。
村人たちは「また始まった」と笑いながら道をよけた。
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種目紹介
スポーツ選手には、いくつもの競技がある。
• ハンカチ往復走:濡れたハンカチを乾いたハンカチと交換し続ける。
• ティッシュ開封タイムトライアル:新品の箱をいかに速く開けられるか。
• 涙リレー:バケツで涙を次の走者に渡し、こぼさずにゴールを目指す。
どれも泣き虫村にしか存在しない種目だが、彼は真剣そのもの。
「村記録」や「自己ベスト」では満足できない。
彼は常にこう叫ぶ。
【スポーツ選手】「俺は“世界記録”を狙うんだ!」
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試合開始
フェスティバルの日。
広場にコースが設けられ、観客席が熱気に包まれていた。
【司会(私)】「第一種目、“涙100m走”──スタート!」
ピストルが鳴ると同時に、選手はバケツを抱えて全力疾走。
バシャバシャと涙がこぼれるたび、観客の声援が飛ぶ。
【観客】「もっと速くー!」
【観客】「涙がもったいないー!」
ゴールしたとき、バケツの中身は半分になっていた。
でも彼は誇らしげに叫ぶ。
【スポーツ選手】「こぼれた涙も記録のうちだ!」
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仲間の乱入
次の種目は「ティッシュ開封タイムトライアル」。
彼が真剣な顔で箱に手をかけたとき、研究者が割り込んできた。
【研究者】「その瞬間の速度を測定したい! データを取らせてくれ!」
【スポーツ選手】「邪魔するな! 世界記録がかかってる!」
二人はティッシュ箱を挟んで火花を散らす。
だがその瞬間、外交官がチョコアイスを差し出した。
【外交官】「ここは冷静に。アイス条約です」
【探検家】「よし、じゃあ勝負は“涙リレー”で決着だ!」
【コレクター】「やさしさポイント、観客に分配しますね」
気づけば仲間全員が競技に巻き込まれていた。
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涙リレー決戦
コースの端から端まで、バケツで涙をつなぐリレーが始まる。
スポーツ選手は第一走者。
こぼさないように、でも全力で走る。
バトン代わりのバケツを渡すたび、観客から大歓声が上がる。
涙が光に反射して虹のように舞った。
【司会(私)】「アンカーはスポーツ選手本人! 果たしてゴールは──!」
最後の直線。
彼の手のバケツには、ほんのわずかな涙しか残っていなかった。
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クライマックス
ゴールテープが目前に迫ったそのとき──
観客席から子どもの声が響いた。
【子ども】「がんばれー! 涙がなくなっても、応援はあるよー!」
その声に、スポーツ選手の目から新しい涙があふれ出した。
彼は走りながら泣き、涙をバケツに溜め、ゴールと同時に高々と掲げた。
【スポーツ選手】「結論──涙は尽きない! 応援があれば、何度でも湧き出す!」
観客は総立ちになり、拍手と嗚咽の渦になった。
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エピローグ
試合後、選手はバケツを置いて、仲間たちと座り込んだ。
探検家がティッシュを差し出し、研究者が記録をノートに書き、
外交官がアイスを割って配り、コレクターが「ありがとう」を箱に入れた。
【スポーツ選手】「世界記録は……また次だな」
【仲間たち】「うん、でも今日は最高だったよ」
夕暮れの空に、笑いと涙が一緒に響いた。
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【司会(私)】「スポーツ選手のソロ回、これにて閉幕──」
【誰か】「……結局、村記録じゃないですか」
広場はまた、やさしい笑いと涙に包まれた。
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つなぐ|HIROMI🌸
平和の種を蒔く人
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