1話『愛を知らぬ僕らは、死の契約から始まった』
はじめまして。数あるnoteの中からこちらの物語を見つけてくださり、ありがとうございます。
──これは、ひとつの契約から始まった、奇妙でやさしい物語。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
第1話
『死を望んだ少女と、虚無を抱えた男』
> 夜の路地、冷たい風が吹き抜ける。
濡れたアスファルトに、かすかな街灯の光が滲む。
その中を、ひとりの少女が歩いていた。
「ねえ、君。こんな時間に女の子がひとり歩き?危ないよ。」
その声はやわらかく微笑むようだったが、目は――どこまでも虚ろだった。
まるでこの世界のどこにも居場所がないとでも言うように。
女は、少しだけ顔を上げる。
一瞬も怯える素振りを見せず、彼をまっすぐ見つめて足を止めた。
「ねぇ……僕、君のこと、殺してもいいかな?」
その言葉は唐突で、まるで冗談のように軽やかだった。
だけど、どこまでも本気だった。
「……いいよ。」
静かな声だった。
「でもその前に、ひとつだけ、お願いを聞いてくれるなら。」
「え?」
男はわずかに目を細める。
「僕の聞き間違い? “いいよ”って言った?……お願い?」
「そう。私の知らないことを、教えてほしいの。」
「……何を?」
「“愛”..…を.…。」
沈黙が落ちた。
冷たい夜風の音だけが、ふたりの間を吹き抜けていく。
男は、ふっと肩を揺らしながら笑った。
「へぇ……“いいよ”っだって…。
僕も大概だけど、君もなかなかにヤバいね。」
「普通はさ、こういう場面って、怯えたり、驚いて逃げたりするところじゃない?」
「そうかもね。」
女は淡々と答えた。
「でも、私には……逃げる理由も、怖がる価値も、もうないから。」
男は一瞬だけ表情を曇らせたが、すぐに皮肉めいた笑みを浮かべた。
「それで? 愛を教えて、って……なぜ僕に?」
「知らないから。誰からも、教わらなかったから。」
女は答え、ふっと背を向けた。
「無理なら構わない。私の死は、私が決める。」
男の視線が、その背中を追う。
「……待って。つまり君は、自ら死を選ぼうとしてたってこと?」
「ええ。でもね、あなたに殺されるのはごめん。望まない終わり方は、選ばない。」
男は、わずかに肩をすくめる。
「僕が君に、愛を教える? この僕が?」
「できないでしょ。なら、これでさようなら。」
その声に、どこか寂しさが滲んでいた。
その背を、男が呼び止めた。
(……なに、この子。面白いんだけど。こんな子、見たことない)
「じゃあさ、少しだけ付き合ってみる? 僕にできるかどうか、試してみようか。」
「君が“満たされた”って思えた時、僕は君の命をもらう。
できなければ――その時は、君の自由だ。」
夜の街角に、奇妙な“契約”が結ばれた。
これは、死を望んだふたりの、
愛を知らぬふたりの、
不器用で、残酷で、やさしい、“愛”の物語。
🕯️登場人物
久坂 燈夜(くさか とうや)26歳
・薬剤師(元研究者)
・身長185cm
・明るい栗色の髪、左目の下に目立つほくろ
・どこか病んだ目をしている
・虚無を抱えながら生きる青年
蒼城 月(あおき るな)25歳
・福祉施設の事務職
・身長155cm
・銀髪のゆるふわロング、ブルーの瞳
・どこか儚げで、でも芯のある女性
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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※この物語と使用画像は、作者(tukito55)による完全な創作です。
画像はChatGPTを通じてAI生成したものであり、物語の雰囲気を伝えるためにオリジナルで作成しました。
※「星降る森のアトリエ」シリーズとは異なる世界観のストーリーです。
