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美術館の楽しみ方 

美術館に行くのは楽しい。


『美術館に行くのは好きですか?』とある友人に聞かれたので 好きだと答えたら、自分は美術館の楽しみ方がいまいち難しい、と返された。

何かを持って帰らなければ行った意味がない気がして、難しく感じるのだそうだ。
頭がいい彼らしい答えだと思った。


わたしもできれば、美術館で得た知識がどんどん蓄積されて詳しい人になっていたら良いのにと思う。

展示の説明文はわりと読み、音声ガイドも借りる。でも〇〇派とか、年代とか、誰々と交流があったとか。そういうことはすぐ忘れてしまう。よっぽど心に残ったエピソードしか覚えていられないし、何なら名前も忘れてしまったりする。

悲しいかな 今部屋に飾られているポスターの画家の名前が、2人とも出てこない。調べなければ絶対出てこない自信がある。
パリの絵ばかり描いていた人と、ヴェネチアばかり描いていた人。


そういう訳だけど、美術館は楽しい。
どれか好きな絵が1枚見つけられたらいいと思って行く。

好きな絵が見つかった時、それを手軽なサイズとお値段で家に持ち帰れるポストカードがあるのも楽しみのひとつだ。

人に送ったものもあるけれど、大抵は手元に残っているのでポストカードを見ていけばわたしの美術館歴が遡れる。


初めての美術館は愛知県。7〜8歳の時だと思う。
この時はポストカードを3枚、自分で選んで購入している。
特にこの絵に何かすごく惹かれて、ずっと眺めてしまったのを覚えている。大きくて、水色がきれいで、何の絵か全くわからない。

 ジョアン・ミロ 『絵画』

スペインの画家で、こどものような自由な感性で描いた人らしい。わたしが人生で1番最初に、好きと思った絵だ。


このときの経験が影響してかそうでないか 中学は美術部に入った。好き勝手に創作していい部活だったけれど 中でも気に入ったのは油絵。

緑の森を描くのに、まず赤や黄色などの全然違う色の絵の具をキャンバスに載せる。水彩と違って、厚みでも描く。
油絵の具の匂いも含めて、深くて重みのある世界。

渋くてダンディーな顧問の先生がいつも片手にしていたコーヒーの香りも相まって、あの空間は独特だった。静かで濃密で時間がゆっくりしていた。

油絵、またチャンスがあれば趣味にしてみたい。


ちなみに、ミロの他に小学生の時に気に入った絵はこちらの2枚。

マックス・エルンスト『ポーランドの騎士』
黒田清輝『暖き日』

なかなかに難解そうな絵と、日本の渋い絵を選んでいる。今だったら3枚とも選ばないと思う。
特にシュールレアリスムと言われるような絵は、子どもの時のほうが感覚的に惹かれるのかも。

こういう仕方で感性の記録が残るのは面白い。


近々また美術館に行こうと思っている。今のわたしはどんな絵を選ぶだろうか。

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