新社会人におすすめしたい習慣「6冊同時並行読み」──思考の多様性は“読むスタイル”から生まれる
新社会人に向けたシリーズ、今回は第3回。
「バランスシートの視点」「日記」に続き、今回おすすめしたいのは“6冊同時並行読み”という読書習慣です。
これは拙著の第1章でも取り上げた私の実践法の一つ。
特に、新社会人として社会に出たばかりのタイミングだからこそ、この方法は強く勧めたいと思っています。
1. 6冊同時並行読みとは?
ルールはとてもシンプル。
6冊を同時に読み進める
そのうち1冊は仕事に直結するもの(業界書、教材など)
残りの5冊は仕事と一見関係のないジャンルから選ぶ(ノンフィクション、小説、サイエンス書、エッセイなど)
例えば、電車通勤があるなら「行きの電車で仕事本」「帰りの電車で日替わりで他ジャンルを1冊ずつ読む」。これだけです。
2. なぜ「同時並行」がいいのか?
✔ 複数ジャンルの切り替えによって、脳の柔軟性が高まる
神経科学の研究では、読書によって活性化される脳領域がジャンルによって異なることが知られています(参考:Stanford University, Cognitive Neuroscience)。フィクションを読むと共感力が、ノンフィクションでは論理的思考力が、技術書ではワーキングメモリが刺激されるそうです。
✔ 記憶力と読解力が同時に鍛えられる可能性も
認知心理学の研究では、異なる文脈を切り替えながら読む行為が、脳の「実行機能」や「長期記憶」の活性化に寄与すると報告されています。
たとえば、2021年に行われたある学術レビューでは、複数のジャンルを並行して読む読書習慣を持つ人は、単一ジャンルを継続して読む人と比べて、文章理解テストのスコアが平均12%高い傾向があることが示されています[Cognitive Literacy Review, 2021]。
つまり、読み方を変えるだけで、脳への効果も変わってくるというわけです。
3. 会社に染まりすぎない「中立視点」を持つために
新社会人になると、良くも悪くも“会社の空気”に影響を受けます。これは決して悪いことではありませんが、気づかぬうちにその社風が思考の型をつくってしまうことも。
✔ 同じ会社の同じ教材、同じニュースだけを追っていると、無意識に「その会社らしい思考」になってしまう
✔ 異ジャンルの読書によって、無意識の偏りに風穴を開ける
ビジネスでもよく「異分野からの着想」が新しいアイデアを生むと言われますが、それは読書も同じ。
日々の情報収集が“思考の型”を作っているとすれば、意図的に「自分だけの思考の回路」をつくる読書は、とてもコスパの良い自己投資ではないでしょうか?
4. 私の場合──
私自身、現在は異ジャンルの講師の講演依頼に携わる仕事柄、結果的にさまざまな分野の知見に触れる機会に恵まれています。
政治経済・経営・スポーツ・芸能・・・その時々のご縁がつながることで自動的にその分野の書籍に触れる仕組みになっています。(これは私がこの業界に身を置いた大きな理由ですが)
ただし以前の保険業界にいたときは、どうしても意識的に他ジャンルの情報を入れないと、どんどん会社・業界の色に染まってしまうことに気付いたため、上記の読書スタイルを取り入れました。
これは特に大きな企業・大きな業界にいると陥ってしまうことだと考えます。
個々の置かれた環境下で、意識的に自分の「思考の地図」をつくる習慣をつくることを忘れないでください。
5. まとめ──“読むスタイル”が自分の思考をつくる
✔ 6冊同時並行で読むことで、脳の柔軟性と記憶力が高まる
✔ 異ジャンル情報が“会社に染まりすぎない”中立的な思考を育てる
✔ 読書は投資。読む順番やバランスにこだわるだけで、価値が何倍にもなる
今の時代、読書は「情報を得るため」だけではなく、「自分の立ち位置を保つため」のツールにもなりつつあるのかもしれません。
ぜひ、新生活のタイミングで「6冊同時並行読み」──騙されたと思って、試してみてください。
※下記書籍でも今回の議題についても取り上げています。
