17.関係を壊さずに「NO」を言えるか
■このnoteを届けたい方
このnoteは、事業拡大や組織づくりに向き合う経営者・事業責任者の方、そして経営者の近くでご支援をされている方に向けて書いています。
■成長する社長は、「NO」も言える信頼関係をつくっている
信頼を得ている経営者ほど、目の前の売上は重視・追求する一方で、「自分たちの軸に反することは受けない・しない」という基準を明確に持っているように感じます。
起業をしていて、売上を伸ばしたくないという社長は少ないと思いますが、特に事業が成長軌道に乗り始めた時期や、反対に業績が低迷している時ほど、大きな案件や長期的な案件は魅力的に映ります。
ただ現実には、条件も考え方も、すべてが自社と完全に一致するような理想的なお話ばかりではありません。
そんな時、目の前の売上を優先して先方に合わせるのか。それとも、自分たちが大切にしているポリシーを守り、時には「NO」を言うのか。こうした岐路に立たされる場面は、経営をしていると少なくないと思います。
もちろん、条件が合わなければやらないと意固地になったり、相手の要望を突っぱねたりすることが正解ではありません。
前後の背景や関係性もありますし、いわゆる「落としどころ」を見つける努力は必要だと思いますし、時には、自分たちの考え方そのものをアップデートした方がいいよねということもあります。
ただ、成長している経営者のお話を聞いていると、単純に目の前の条件にYESかNOかと考えるのではなく、「この判断の先に、自分たちが目指す組織や会社であり続けられるか」「意見が違ったとしても、長く健全な関係を続けられる相手か」という未来を起点として、決めていることが多いように感じます。
最も難しいなと思うのは、自分たちの調子が悪い時に、売上としては喉から手が出るほど欲しい、条件も良い、でも自分たちが大切にしている部分とはズレている、という時です。
そこでこの考え方を優先するのか、その経営者や会社の「らしさ」が出るのだと思います。
■仕事にならなくても、つながりは絶ってはいけない
僕自身も駆け出しの頃、事業の立ち上げのご支援の相談をいただいたことがありました。
まだ駆け出しですし、案件として考えればとてもありがたいお話でした。ただ、先方が求めていた入り方・関わり方に対して、僕自身が「こういう価値を提供したい」と考えていたものとの間で、どうしてもズレがありました。
幾度か協議を重ねましたが、最終的には成立しませんでした。
当時は「せっかくいただいた話なのに」という気持ちもありましたし、もっと相手に合わせれば仕事になったかもしれません。
ただ、自分の考えていることを曖昧にせず、「僕はこういう関わり方や価値をしたい」と真摯にお伝えし続けたことで、仕事にはならなかった後も関係そのものが切れるということはありませんでした。むしろ今現在でも定期的にお誘いし合えたり、最近どうですか?と声を掛け合えるような関係が続いています。
こう言った話は、周りを見ればそんなに珍しいことではないのかもしれません。ただ当時の自分にとっては、今回書いていることに通じるような、改めて自分の向き合い方を考えるような、大きな体験でしたし、たぶん持ち続けていないといけないものなんだと今でも実感しています。
■「YES」だけが信頼ではない
仕事だけではないですが、例えば、何かのお誘いをお断りしたり、反対に、こちらから何かをご案内することに対して、相手との関係性を損ねてしまうのでは?と、特に気遣いの方であれば、そうした懸念を抱く方もいます。
そこに金銭などが絡んでくるようなお話になれば、なおのこと慎重になると思いますが、ただ相手との信頼関係をつくること=相手にYESと言い続けることは必ずしも同じではないのです。
一番気をつけねばいけないのは、自分本位や、私心を優先してはいないかだと思うのです。
例えば、切羽詰まっているときほど、どうしても自分たちの都合が判断に入りやすくなります。
例えば、それは、相手が少し引いていたり、お断りしたそうにしているのに、しつこく説得しようとしてしまったり、少しでも利益を得ようと立ち回ったり、話している相手を逃がさないようにしようと迫ることです。
もちろん事業をしていれば、目の前の人に買ってもらいたいとか、絶対に契約してほしいという気持ちはあります。ただ、それを続けていると、売上は立っていくかもしれませんが、関係性は不健全になっていくことがあります。
それを知っているからこそ、自分にとっても、もちろん相手にとってもならないと思えたことには「NO」と言えることだし、ときには相手にも言わせてあげることが大事なのだと思います。
僕自身、世の中にいる多くの経営者と比べれば、まだまだ経験は浅いですが、おそらく、多くの人から信頼の声を得ている経営者は「相手とYESもNOも言い合える関係を残す」ということを続けてきた人なのだろうと感じます。
■短期の売上より、長く続く関係を
経営をしている以上は、どうしてもその場で数字になるものに目が向きます。
でも、短期的には収益につながらなかった関係が、数年後に別の形で仕事になったり、紹介につながったりすることもあります。
もちろん、「断っておけば後で何か返ってくるはず」という打算的な話ではありません。そうではなく、自分たちの考え方を大切にしながら、相手の考え方も尊重し、仕事になるかどうかとは別にして、健全な交流や関係を残していく。そういう積み重ねが、結果として特定の顧客や案件だけに依存しない会社につながっていくのだと思っています。
目の前の売上を喪ってしまうのは痛い判断だとしても、「この判断の先に、自分たちが目指す会社や、相手との長期的な関係があるか」と考えられるかどうか、それを踏まえて、、必要な時にきちんとNOを言えるし、その先も継続できる関係を作れているか。
これが経営者が築くべき人間関係で最も大切なことですし、自らも実践していかねばいけないと思います。
◆ビジョンとのGAPや課題の優先順位を整理してみませんか
売上や事業を伸ばすうえで本当に大切なのは、行動量、そして「何から手をつけるか」の順番です。
とはいえ、「今の戦略や優先度が本当に正しいのか」を経営者が客観的に図るのは難しく、相談相手も、意外と多くありません。
そこで経営課題の優先順位を可視化する「社長カルテ」を提供しています。
これは新たな課題を見つけるのではなく、すでに顕在化している課題の中から、どこから着手すれば、一番売上・事業が伸びるのかを、約800名の経営者データと比較しながら整理・フィードバックします。
ご興味あれば、是非お気軽にお試し下さい。
▼ 社長カルテ (約5分・無料)
