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興津坐漁荘(おきつ・ざぎょそう)。



興津坐漁荘(おきつ・ざぎょそう)。
その名を口にするだけで、海の匂いと松風の音が、
ふっと胸に満ちてきます。
そんな時、突然雪 ❄︎ ❆ ❄ が舞い降りてきました。

ここはかつて西園寺公望が愛し、晩年を過ごした別荘。



駿河湾を借景に、庭は海へ、海は空へと静かに溶けていきます。

石畳を踏めば、時間は少しだけ歩みをゆるめ、

波のリズムに合わせて、心も自然と深呼吸する場所です。


そこは、観光地というより、「日本の夜明け前の静けさ」を
そっと保存した一枚の写真のような空間でした。
226事件での西園寺さんのエピソードを聞いて、
ほくそ笑んだ自分がいました。


「国は、力でなく、理性で動くべきだ」

二度も総理大臣になり、
その後は“元老”として首相選びに影響力を持ちましたが、
最後まで軍部の暴走には批判的でした。

だから晩年、東京を離れて選んだのが、あの 興津坐漁荘 だったのです。
政治の喧騒から距離を取り、松と海と富士山を眺めながら、
それでも日本の行く末を案じ続けた老人。



坐漁荘という名前も、味わい深いですね。
「坐して漁す」ザシテギョス=動かずして、世の流れを見つめる

まるで、
👉 波を読む漁師
👉 風を読む詩人
👉 時代を読む老人

そんな三役を同時に演じていたようです。

もし今日、あの縁側に座っていたら、同じ景色を西園寺も
見ていたと思うと感慨深いです。富士を見て、海を見て、
「この国は、美しいな」と小さくつぶやいたかもしれません。

政治家というより、最後は“日本という風景を守りたかった人”
そんな印象を、私は受けます。
二度目の坐漁荘でしたが、もしかすると、あの場所の本当の役割は
「日本の理性」を守るだけでなく、「一人の人間の心」を守る場所
だったのかもしれません。



今日私見た庭と海は、彼の“晩酌の風景”でもあったわけで――
そう思うと、少しだけ、潮の香りに
お酒の匂いが混じる気がして....

次に坐漁荘へ行ったら、
縁側でそっと心の中で言ってみようと思います

「今日は一杯、どうですか?」

きっと西園寺さん、
にこっと笑って、
富士の方を指さす気がします。

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