AIに相談すると、とりあえずの答えは出る。でも、悩みが消えるとは限らない
AIに相談すると、とりあえずの答えは出ます。
仕事を続けるべきか。新しいことを始めるべきか。生活習慣を変えるにはどうすればいいか。買おうか迷っているものは、本当に自分に必要なのか。
自分一人では同じところをぐるぐる考えてしまうことも、AIに話せば、原因を整理して、いくつかの選択肢に分けてくれる。
それぞれのメリットとデメリットを並べて、「まずはこれを試してみてください」と、次の行動まで教えてくれます。
いや、本当に便利なんですよね。
相談する前より、状況は確実に分かりやすくなっている。
それなのに、画面を閉じたあと、悩みだけがそのまま残っていることがあります。
答えは出た。情報も増えた。やるべきことも分かった。
でも、なぜか動けない。決められない。気持ちが軽くならない。
そんな経験は、たぶん僕だけではないと思います。
答えが出たことと、動けることは別だった
僕は2か月以上、noteを更新していませんでした。
その間、何も考えていなかったわけではありません。
これまでの記事を分析する。自分らしい文章を探す。AI編集部を作る。これから書きたい企画を整理する。
AIに相談すれば、やるべきことはいくらでも出てきました。
立派な運営計画も作れたし、記事案も増えていった。
それでも、記事は公開されませんでした。
本業の仕事や撮影が重なっていたという現実もあります。でも、それだけではなかった気がします。
どうすれば読まれるのか。どんな記事が自分らしいのか。AIをどこまで使うのか。
答えを増やすほど、考えなければいけないことまで増えていたんです。
AIは地図を作ってくれた。
でも、地図を持っただけでは歩き始められなかった。
僕に必要だったのは、note運営の正解を完成させることではありませんでした。
夜に考えていることを話す。AIに記事の形へ整えてもらう。朝になったら、自分の文章になっているか確認する。
まずは、それだけでよかった。
悩みを完全に解決したから再開できたわけではありません。
悩みが残っていても始められるくらい、最初の一歩を小さくしたんです。
紙一枚にまとめたら、悩みは消えた
僕は毎月、AIと一緒に先月の成果を振り返っています。
先月の収入。読んだ本と、その内容。今、興味があること。
俳優業のトレーニング時間を確保できたか。副業や学習にどれくらい時間を使えたか。個人的にやりたいことは、どこまでできたか。
それらをAIに渡して整理してもらい、次の月の目標を決める。
最後は紙一枚にまとめて、いつでも見えるように壁へ貼っています。
これだけ聞くと、かなりちゃんとしているように見えます。
自分が何をやったのかも見える。次に何をするのかも決まっている。頭の中だけで考えていたことが、紙一枚に整理されている。
目標を立てた瞬間は、悩みが消えるんです。
「よし、来月はこれをやろう」と思える。
ところが、一か月後にその紙を見返してみると、書いたとおりに実行できていないことがあります。
習慣として続けられたものはある。でも、目標までどれくらい進んだのかは分かりにくい。
トレーニング時間を作ろうと決めた。でも、仕事が重なって後回しになった。
本を読んだ。副業の勉強もした。個人的にやりたかったことにも少し手をつけた。
それぞれ少しずつ進んでいるのに、最初に書いた目標へ本当に近づいているのかは、よく分からない。
可視化はできた。習慣になったこともある。
でも、達成できたのかどうかが見えにくい。
そこで、またAIに相談する。
すると、今度は改善案が出てきます。
目標をもっと小さくしましょう。数字で測れるようにしましょう。優先順位を決めましょう。週ごとに振り返りましょう。
どれも間違っていない。
でも、やることはまた増えていきます。
悩みが消えたのは、目標を立てた瞬間だけだった。
そのあとには、「どう実行するか」という次の悩みが増えていた。
「決めること」と「続けること」は別だった
目標を立てることには、意味があると思います。
先月を振り返らなければ、自分が何をしてきたのかも忘れてしまう。紙に書かなければ、忙しい毎日の中で、やりたいことは簡単に後回しになります。
ただ、目標を決めたことで、実行まで終わったような気持ちになっていたのかもしれません。
目標が見えること。
行動を始めること。
それを続けること。
できたかどうかを確かめること。
これは、全部別の段階なんですよね。
AIは、目標をきれいに整理できます。
でも、予定どおりに動けなかった日の疲れや、急に入った仕事、その日に気持ちが向かなかったことまで、紙の上の計画には入っていません。
だから必要なのは、もっと完璧な目標ではなかった。
できなかったときに、すぐ全部を失敗扱いしないこと。
予定から外れたときに、戻れる場所を作っておくこと。
一か月後の結果だけでなく、今週一度でもできたことを見つけること。
目標を、未来の自分への命令ではなく、迷ったときに戻る方向として使うことなのかもしれません。

AIには、できなかった理由を聞いてもらう
それからは、AIへの聞き方も少し変えた方がいいと思うようになりました。
「来月の目標を作って」と頼むだけではなく、
「今月、一度でも自然にできたことは何だった?」
「できなかったのは、時間がなかったから? それとも目標が多すぎたから?」
「来月も残したいことを、一つだけ選ぶなら何?」
と聞いてみる。
AIに結論を決めてもらうのではなく、自分の判断を確かめるための質問を作ってもらうんです。
AIに新しい目標を作ってもらう前に、今月の自分がどこで止まり、どこなら動けたのかを聞いてもらう。
答えが出たあとも悩みが残るなら、さらに答えを足す必要はないのかもしれません。
自分はどこで止まったのか。何なら無理なく続いたのか。そもそも、今月やることを増やしすぎていなかったか。
そこを一緒に探してもらう。
AIの役割は、正しい道を言い渡すことではなく、自分で選ぶための足元を照らすことなのだと思います。
悩みを消すより、悩んだままでも決められるようにする
AIに相談しても、悩みが完全に消えるとは限りません。
でも、それはAIが役に立たなかったということでも、自分の意志が弱いということでもない。
人間は、正しい答えだけで動いているわけではありません。
自分の生活に合う形を探して、一度やってみて、結果を見て、また考える。その時間が必要なこともあります。
だから僕は、AIに悩みを消してもらおうとするのを、少しやめてみようと思います。
代わりに、次の三つを聞いてみる。
今月、一度でも自然にできたことは何だったか。
できなかったのは、意志の問題ではなく、どこに無理があったのか。
来月も残したいことを、一つだけ選ぶなら何か。
答えは、AIが出してくれる。
でも、その答えを自分の生活の中でどう使うかは、やっぱり自分で決めるしかない。
悩みをなくしてから進むのではなく、悩みが残ったままでも、今の生活に入る次の一歩を選べるようにする。
AIとウェルビーイングをつなぐなら、僕はそこから考えてみたいです。
ただ、ここでまた一つ問題が出てきます。
残したいことを一つ選ぼうとしても、僕にはやりたいことが多すぎるんです。
俳優のトレーニングもしたい。本も読みたい。副業の勉強もしたい。noteも続けたい。個人的に試してみたいこともある。
AIに相談するたび、それぞれに必要な行動が見えて、ToDoだけが増えていく。
気がつけば、前へ進むために作ったはずのリストを見て、もう一杯一杯になっていました。
次に考えなければいけないのは、やるべきことを増やす方法ではなく、何を今はやらないのかを決める方法なのかもしれません。

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