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絶望が 希望に変わった時 人は….

私の肩を 叩きそして涙する。

鏡に写る その顔
片側の口角が上がり笑っている。

ひと月前 カルテを観た時 絶望感に
包まれた。
“やれるだけやってみましょう”
両側顔面麻痺 反応無し。
誰もが 初めてだった。

来る日も来る日も 休み無く
アイススティクで冷やして 
解し 繰り返す。

閉じぬ瞼 閉じぬ唇 まるで 微動だにせぬ
能面でしかなかった。



ある日 焦るトレーナーを 森へ誘った。
そう ここには 屋上庭園がある。
秋の風は とても優しく心地よい。
いつしか ここで セラピーを受けるのが
自然になった。

そして 毎日毎日。
アイウエオの口の練習
瞼を閉じる練習。

細やかな変化に 手を叩き
喜ぶ。
そんな積み重ねだった。
そして 秋風の心地よい午後

鏡の中の 私は 笑っていた。


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