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fuyuko1224
【毎週ショートショートnote】信号機ぶどう味
近年、視覚に頼らない交通システムとして「味覚信号」が普及した。
信号が青になると、運転手の口の中にぶどう味が広がる。赤になれば味は消える。目で確認しなくても信号の変化が分かるし、味で目が覚めるため、事故は大幅に減った。
もちろん、新しい技術が出てくるとバカも発生してくる。
信号無視で捕まった男が、
「ぶどうを食ってたから、赤になったのが分からなかった」
と言い訳したのをきっかけに、運転中のぶどうは禁止されたらしい。ぶどう禁止にするか以前に、運転中にぶどうを食う人間がどこにいる。どう見ても確信犯なのに、どうしてまかり通ると思ったんだ。
変な世の中になったなぁと思う。免許の視覚検査は味覚になったし、コロナ陽性で運転した場合、違反で捕まる。
でも、それ以上に気になることもある。友人を助手席に乗せて走っていたときのことだ。
交差点の手前でぶどう味が消え、私はブレーキを踏む。その横を一台の車が猛スピードで抜け、赤信号のまま交差点へ突っ込んだ。
すぐに角で待ち伏せてた白バイがサイレンを鳴らして追っていく。
友人が言った。
「あーあ、まーたブドウ狩りされてる味盲がいるよ。味覚バカ」
ここは、よく警察が張ってるブドウ狩りスポットで、捕まると「”青”きっぷさん」だの「ブドウ狩り」だの笑われるらしい。
技術や法律が変化することより、それにつられて進化する言い訳や言葉の方が、最近はよっぽど面白く感じる。
こちらの企画に参加させていただきました。
