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フィルター効果を完全再現? Scatter の性能を検証する

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レンズフィルターが要らなくなる? ディフュージョン系のフィルター効果を再現できる DaVinci Resolve の神プラグイン、Scatter の効果を実際のレンズフィルターと比較していきます。


発行部数:20


1. Scatter とは?

ハイライトを拡散させたり、輪郭をにじませたり、映像の質感をソフトにする上で、ディフュージョン系の光学フィルターは欠かせないアイテムといえますが、それを編集ソフト上で再現するプラグインとして開発されたのが、Scatter です。

Scatter - Video Village

Scatter は、Film Print Emulation ツールとして有名な Filmbox の開発で知られる、Video Village 社が手がけるプラグインで、DaVinci Resolve など編集ソフトに組みこんで、エフェクトの一部として使用することができます。最近では、2024 年公開の David Fincher 監督映画『The Killer』で使用されたことでも話題となりました。

THE KILLER Official Trailer - Netflix

一方、DaVinci Resolve 自体にも GlowHalation など、似たような効果を再現できるエフェクトがありますが、この Scatter は、フィルター選びをするような感覚で、ワンクリックでフィルター効果を再現できるという点に特徴があります。

実際、Scatter の設定画面を見てみると、Tiffen の人気モデル Glimmer Glass だったり、Schneider の人気モデル Hollywood Black Magic など、実在する光学フィルターの効果を再現した、15 種類のプリセット が用意されていることが分かります。

ということで、この Scatter のフィルター効果は、実際の光学フィルターの質感をどれだけリアルに再現しているのか? 検証していきたいと思います。


2. Black Pro-Mist

再現度:★★★★★

まずはじめに、ディフュージョン・フィルターの代名詞ともいえる Tiffen の定番モデル、Black Pro-Mist の効果を比較していきます。

Black Pro-Mist は、ガラスの内部に 黒い粒子 が散りばめられたフィルターで、シャドウの黒の締まりを維持したまま、ハイライトをソフトに拡散させるハレーション効果が得られる、という特徴があります。

初期設定の状態で、Scatter の Black Pro-Mist の効果を実際のフィルターと比較してみると、以下のようになります。

Black Pro-Mist は、黒の締まりを維持したままハレーション効果が得られる点に特徴がありますが、Scatter では、ハレーション効果のニュアンスを含め、その効果がかなり忠実に再現されています。

フィルターの番手(強さの段階)に関しても、実際の Black Pro-Mist フィルターと同じような状態が再現されています。

Scatter には、フィルター効果の強さを選択できる Strength という項目があり、たとえば、Eighth を選択すると Black Pro-Mist 1/8、Quarter を選択すると Black Pro-Mist 1/4 相当の効果が得られるようになっています。

明るさに関しては、Scatter では光学フィルターで起こる 光量のロス は再現されないので、実際に光学フィルターを使って撮影したものと比較すると、Scatter の方が、露出がすこし明るく出る傾向があります。

試しに明るさの差を揃えてみると、Scatter の方が、実際のフィルター効果よりもシャドウの浮きが抑えられ、すこし黒が締まった状態になります。

また、実際の Black Pro-Mist フィルターでは、ハレーション効果が 赤く シフトしますが、Scatter ではそうしたカラーシフト具合は再現されずに、ノーマルな色調になるような設計になっています。

続いて、Schneider の Black Frost の効果を比較していきます。


3. Black Frost

再現度:★★★★☆

Black Frost は、Tiffen の Black Pro-Mist と同じく、ガラス内部に 黒い粒子 が散りばめられた Black Mist 型のフィルターで、効果も Black Pro-Mist とよく似た感じになっています。

初期設定の状態で、Scatter の Black Frost の効果を実際のフィルターと比較してみると、以下のようになります。

Black Frost は、Black Pro-Mist と同じく黒の締まりを維持したまま、ハレーション効果を発生させる点に特徴がありますが、Scatter 上でも、わりと似たような効果が再現されています。

フィルターの番手に関しても、実際の Black Frost と似たような状態が再現されていますが、Scatter の方が、ハレーション効果がすこし控えめになっている印象です。

ハレーションの質感に関しては、実際は Black Frost の方が Black Pro-Mist よりも、輪郭がはっきりとした感じになりますが、Scatter 上では、その芯のあるシャープな質感は再現されていないようです。

また Black Pro-Mist と同じく、実際の Black Frost もハレーション効果が 赤く シフトする傾向が見られますが、Scatter では、そうしたカラーシフト具合は再現されておらず、ノーマルな色調になっています。

一方、実際に Black Frost フィルターを使った撮影クリップを見ると、ハイライトの微妙なグラデーション部分に 諧調の破綻(バンディングノイズ)が見られますが、Scatter ではそうした破綻もなく、よりなめらかなハレーション効果が再現されています。このあたりは、Scatter を使用する上での大きなメリットと言えます。

続いて、Tiffen の Black Diffusion FX の効果を比較していきます。


4. Black Diffusion FX

再現度:★★★★☆

Black Diffusion FX は、ガラス内部の 黒い粒子 と、ガラス表面の 腎臓型の凹凸(Lenslet)を組み合わせた複合型のフィルターで、解像感をやわらげながら、ハレーション効果をほのかに発生させる、という効果があります。

初期設定の状態で、Scatter の Black Diffusion FX の効果を実際のフィルターと比較してみると、以下のようになります。

Black Diffusion FX は、ハレーションを発生させながら、おもに輪郭をソフトにするという点に特徴がありますが、Scatter では、その質感がわりと忠実に再現されています。

フィルターの番手に関しても、わりとリアルに再現されているようで、Digital Diffusion FX 1/4 に相当する Quarter、Digital Diffusion FX 1 に相当する One は特に、そのフィルター効果が忠実に再現されている印象があります。

Black Diffusion FX は、ディフュージョン系のフィルターの中でも、効果が弱めにかかるモデルとして知られているので、イメージの解像感をほのかにソフトにしたい場面で、有効に使えるプリセットといえます。

続いて、Schneider の人気モデル Hollywood Black Magic の効果を比較していきます。


5. Hollywood Black Magic

再現度:★★★☆☆

Hollywood Black Magic は、Black Frost 1/8 と HD Classic Soft を組み合わせた複合型のフィルターで、ガラス内部に 黒い粒子と気泡 が散りばめられています。フィルターの番手を上げると、Black Frost によるハレーション効果は一定のまま、解像感をソフトにする HD Classic Soft の効果が強くなっていきます。

初期設定の状態で、Scatter の Hollywood Black Magic の効果を実際のフィルターと比較してみると、以下のようになります。

Hollywood Black Magic は、Black Diffusion FX とよく似たフィルター構造になっていますが、Scatter の効果と実際の光学フィルターの効果には、わりと乖離がある印象です。

具体的には、Eighth、Quarter など低めの番手では、実際のフィルターと似たような効果が再現されてものの、Half、One など高めの番手の効果は、実際のフィルター効果とわりと異なる感じになっています。

続いて、Tiffen の人気モデル Glimmer Glass の効果を比較していきます。

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