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#08 猫と花と、願いのかたち |北沢川緑道→烏山川緑道→豪徳寺


朝は、静かに始まった。

北沢川緑道。
桜は、ほぼ満開のように見えた。

枝いっぱいに広がる淡いピンク。
光を受けて、空ごとやわらかくしている。

その下で、小さな花も咲いていた。
白、青、淡いピンク。

足元に広がる春のグラデーション。 ノースポール、ネモフィラ、プリムラ。 暖かな日差しを浴びて、みんな上機嫌に咲いていました。

高いところでは桜が、
低いところでは名も知らない花たちが、
それぞれの高さで春をつくっている。

ここは、かつて川だった。
北沢川

見えない水の上に、
花が重なっている。

流れは地下に隠れても、
その場所には、何かが残る。

だから、春はここから始まる。

歩きながら、烏山川緑道へ。

北沢川と烏山川の分岐点にて。 どちらに行こうか一緒に考えてくれているような、不思議なフォルムの像。 柔らかな日差しの中、静かに時を止めている姿が印象的。

ここもまた、かつての川。
烏山川

桜は少し落ち着いて、
代わりに色の違う花たちが目に入る。

白はやわらかく、
赤は光を受けて輪郭を持ち、
黄色は低い位置で静かに咲いている。

ビオラの黄色、スモモの白、そして椿の赤。

その中で、猫に会った。

二匹。
陽だまりの中で、動かない。

花は揺れているのに、
猫だけが時間から切り離されたように静かだ。

水が流れていた場所には、
なぜかこういう存在が残る。

説明はできない。
けれど、納得はできる。

そのまま、豪徳寺へ。

白が、急に増える。

豪徳寺

招き猫。
同じかたちの中に、違う願い。

江戸の頃、井伊直孝が
猫に招かれて雷雨を避けたという話がある。

それが、この無数の猫の始まり。

境内の外では、
桜が少しだけ残っていた。

けれど、ここでは主役ではない。

北沢で見た桜、
烏山川で出会った猫、
そして、ここに置かれた願い。

それぞれが、別の場所で立ち上がり、
歩くことでひとつにつながる。

花は高さごとに咲き、
桜は道の始まりを告げ、
猫は時間を止め、
願いは最後に置かれる。

どれも強くない。
けれど、確かにそこにある。

朝の光の中で、
それらが静かに重なっていた。

ミッションメモ

北沢川緑道・烏山川緑道散策

ミッション:北沢川緑道・烏山川緑道散策(18連、9.21キロ、2h19m) 場所:東急世田谷線山下駅→同線宮の坂駅
観測ログ:桜は北沢川で立ち上がり、花は道を満たす。
猫は烏山川で時間を止め、願いは豪徳寺に集まる。
分かれていたものは、歩くことでひとつになる。

外部URL

豪徳寺

北沢川緑道

烏山川緑道


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