50代・女性・未経験からの転職は無理?|実は8割が、今も働いています【Her Shift】
求人サイトを開いて、条件を「未経験可」で絞り込んでみる。出てくるのは、なんとなく若い人の写真ばかり。年齢の欄に「50代」と打ち込む指が、少し重くなる——そんな経験はないでしょうか。「50代で未経験からなんて、もう選べる立場じゃない」と、応募する前から諦めてしまう気持ちは、私たちもよくわかります。この記事では、その思い込みがどこまで本当なのか、実際の数字を確かめながら、50代・未経験からでも動き出すための現実的な道を整理します。
先に、ひとつクイズです。50〜54歳の女性のうち、働いているか、働く意思がある人(労働力率)の割合は、何%だと思いますか。
答えは、81.6%です(※1)。55〜59歳でも77.3%あります。40代前半(83.0%)・40代後半(83.9%)と比べても、大きく落ち込んではいません。つまり、周りの50代女性の8割前後は、今もなんらかの形で働いているか、働く準備をしているということです。「50代はもう蚊帳の外」というイメージほど、実態は寂しいものではなさそうです。

とはいえ、「働いている人が多い」ことと「未経験から転職できる」ことは、また別の話です。ここから、一つずつ壁を見ていきます。
壁①:「そもそも50代向けの求人が少ない」という壁
正社員の求人だけに絞った有効求人倍率(仕事を探している人1人あたり、何件の求人があるかを示す数字)は、令和8年6月時点で1.00倍です(※2)。全体の有効求人倍率1.18倍とほぼ変わらない水準で、正社員の求人が極端に少ないわけではありません。ただし正直にお伝えすると、この数字は全年齢・全性別を含む全国平均で、50代・未経験に絞った数値ではないため、体感とはズレがあるかもしれません(※2)。
もう一つ、50代を名指しした求人の窓口もあります。ハローワークが35〜59歳を対象に専門で開拓している「中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人」は、令和7年度の1年間で全国約23万件にのぼり、そのうち約2万2千件で就職が実現しました(※3)。対象年齢が59歳までなので、50代はまるごとこの枠に入ります。正直にお伝えすると、就職につながった割合は1割ほどです。それでも、「50代向けの求人なんてほとんどない」というイメージほど、絶望的な状況でもなさそうです。
数はゼロではない。次に気になるのは、採用してもらえるかどうかという壁です。
壁②:「未経験だと、採用のハードルが高い」という壁
50代からの転職で不安を感じる方が多いのは、「経験のない自分を、会社が本当に採用してくれるのか」という点だと思います。この感覚は、根拠のないものではありません。求人の中には、入社後に長い時間をかけて育てる前提で、「35歳未満」といった年齢の条件を付けているものが実際にあります。年齢を理由にした募集は法律で原則禁止されていますが、長期勤続によるキャリア形成を目的とした若年者向けの育成枠は、例外として認められているためです(※4)。50代の方は、その枠には応募できないというのが事実です。
一方で、会社の側の事情も変わってきています。定年を65歳未満に定めている会社は、定年の引き上げ・廃止・65歳までの継続雇用のいずれかを行うことが法律で義務づけられています(※5)。新規採用の場面に直接の義務があるわけではありませんが、社員を長く雇い続ける前提に変わりつつあるのは確かです。
もう一つ、正直にお伝えしたい数字があります。今働いている50代女性のうち、正社員として働いている人の割合は、50〜54歳で32.9%、55〜59歳で28.2%です(※1)。裏を返せば7割前後の方が非正規の働き方をしているということで、「正社員」という枠への競争が、体感として厳しく感じられる一因かもしれません。ただし先ほどのクイズの通り、労働力率そのものは8割前後を保っています。「もう遅い」とあきらめて動くのをやめている人ばかりではない、ということでもあります。
制度の壁と、採用の壁。この二つを踏まえたうえで、次はどう動けばいいのかという話に移ります。
壁③:「何から始めればいいか、わからない」という壁

壁①・②で見てきた構造は、努力だけでは越えにくい部分もありました。ただ、だからこそ探し方を変えることには意味があります。
一つ目は、さきほどのハローワークの中高年層向け求人です。「限定・歓迎求人」は経験を問わないものが多く、選考が面接だけというケースも少なくありません(※3)。二つ目は、ミドル・シニア層の転職を専門に扱うエージェントです。自分ひとりで検索するより、条件に合う求人を絞り込んで紹介してもらえる分、探す手間も選考の的外れも減らせます。三つ目は、職種そのものの視野を広げてみることです。
たとえばドライバー職は、資格や経験が応募の壁になりにくい仕事の一つです。タクシードライバーは普通免許があれば応募でき、仕事に必要な二種免許は入社後に会社の負担で取れる会社が一般的です。
二種免許の受験資格に上限年齢の定めはなく(※6)、実際にタクシードライバーの平均年齢は56.8歳というデータもあります。
収入の面でも、一つの目安になる数字があります。タクシードライバーの年収は、全国平均でおよそ450万8千円、50代前半でおよそ494万3千円、50代後半でおよそ481万3千円というデータもあります(※7)。40代後半のピーク(521万3千円)からはゆるやかに下がるものの、全国平均は上回ったままです。この平均には定年後に再就職した方も含まれるため、実際の水準は会社によって差があります。
3つの入口を知っておくだけでも、動き方はだいぶ変わってきます。ただ、いいことばかりを並べて終わるのも、正直さを大切にしたいこの記事らしくありません。
正直に:大変なところも
ここまでいい面を中心に伝えてきましたが、正直にお伝えしておきたいこともあります。中高年層向け求人も、就職につながった割合は1割ほどで、応募すれば必ず決まるわけではありません。転職エージェントも、担当者との相性や、希望条件に合う求人が今あるかどうかに左右されます。正社員として働く50代女性が3割前後にとどまっているとおり、転職できたからといって、収入や働き方の希望がすべてかなうとは限りません。ドライバー職も、専門職や高収入を求める仕事と比べれば選択肢の一つに過ぎず、誰にとっても正解というわけではありません。「これさえやれば大丈夫」という近道があるわけではない、というのが、ほんとうのところです。
まとめ:選択肢と判断材料
50代・未経験という条件は、転職を諦める理由には、必ずしもならないというのが、数字を見てわかったことです。8割前後という労働力率が示すとおり、同じように迷いながら動いている人は、実はたくさんいます。中高年層向けの求人窓口を訪ねること、ミドル・シニア層に強いエージェントを頼ること、そして職種の視野を広げてみること。道は一つではありません。
ドライバー職も、その選択肢の一つです。どの道を選ぶにしても、大事なのは「自分の暮らしに、無理なく重なるかどうか」だと思います。
この記事は、女性のためのドライバー転職サービス**「Her Shift(ハーシフト)」**(運営:株式会社Unitas)がお届けしました。

Her Shiftは、女性向けに特化し、タクシー・バス・配送のドライバー職を横断して扱う転職支援サービスとして日本初(※当社調べ、2026年7月時点)。求人票ではわからないこと——女性が何人働いているか、トイレや更衣室、シフトの融通、子育てとの両立のしやすさ——を会社にじかに聞いて、一人ひとりに合った職場探しをお手伝いしています。
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この記事について 株式会社Unitas(Her Shift運営)。子育てと仕事を両立しながら働く社員が多くいる会社です。「働き続けられるかな?」を考えるときに何がわかっていると安心か、同じ目線で考えながら、会社にじかに聞いた情報をもとにお届けしています。 記載のデータは執筆時点の公開情報に基づきます(各記事内に出典を明記)。
※1 厚生労働省雇用環境・均等局「令和6年版 働く女性の実情」。女性の年齢階級別労働力率(40〜44歳83.0%・45〜49歳83.9%・50〜54歳81.6%・55〜59歳77.3%)、年齢階級別正規雇用比率(40〜44歳38.5%・45〜49歳36.6%・50〜54歳32.9%・55〜59歳28.2%)、いずれも令和6年のデータ。非正規雇用の割合は100%から正規雇用比率を差し引いた値。https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001572307.pdf ※2 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」。有効求人倍率(季節調整値)1.18倍、正社員有効求人倍率(季節調整値)1.00倍。いずれも全年齢・全性別を含む全国計の数値で、50代女性に限定した数値ではない。年齢別・性別に絞った有効求人倍率は、月次の本統計では公表されていない(未確認)。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74767.html ※3 厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人」。令和7年度に全国で開拓した中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人は約23万件、そのうち約2万2千件で就職が実現。対象年齢は令和7年度より35歳〜59歳に拡大。求人は経験不問が共通条件で、選考が面接のみのケースも多いとされる。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hgk_28168.html(2026年8月確認、掲載ページに具体的な公表日の記載なし) ※4 厚生労働省「労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化について」Q&A。労働施策総合推進法にもとづき、労働者の募集・採用における年齢制限は原則禁止だが、省令で定める例外事由の一つに「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から若年者等を対象として期間の定めのない労働契約の締結を目指す場合」があり、この場合に限り年齢の上限(35歳未満とする例が多い)を設けた募集が認められている。https://www.mhlw.go.jp/qa/koyou/kinshi/qa.html ※5 厚生労働省「高年齢者雇用安定法の概要」。定年を65歳未満に定めている事業主は、①65歳までの定年引き上げ、②定年制の廃止、③65歳までの継続雇用制度の導入、のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければならないと定められている。70歳までの就業機会確保は努力義務。https://www.mhlw.go.jp/content/11700000/001245647.pdf ※6 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」。第二種運転免許は、特例教習修了時は19歳以上・普通免許等保有通算1年以上、通常は21歳以上(普通免許等保有3年以上)で受験可能。ページ内に上限年齢についての記載はなく、下限年齢のみが定められている。https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/jyuken_tokurei.html ※7 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「令和7年賃金構造基本統計調査によるタクシー運転者の現況」(2026年5月公表)。全国平均の年間推計額450万8,200円、40〜44歳498万5,500円・45〜49歳521万3,100円・50〜54歳494万3,100円・55〜59歳481万3,500円、平均年齢56.8歳。https://taxi-japan.or.jp/data-survey/
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