才能は生まれつき?|「向いている・向いていない」を決める前に考えたいこと|AllA 努力と才能コース②

こんしは!
AllA / All Atelier / オールアトリエ講師の、オール・ドメディア / Owl Dmediaです。
全22講義を通して、努力と才能の違いを知り、自分らしく成長する力を育てる「努力と才能コース|種」。
前回の講義では、努力とは成長につながる行動を重ねること、才能とは生まれつきの能力だけではなく、経験や練習によって育つ力でもあることを学びました。
今回のテーマは、そこからもう一歩進んだ問いです。

才能は生まれつき?|「向いている・向いていない」を決める前に考えたいこと|AllA 努力と才能コース②
「才能がある人は、最初から違う」
そう感じたことはありませんか?
初めてなのに上手にできる人。
少し練習しただけで、すぐにコツをつかむ人。
自分が苦戦していることを、簡単そうにこなす人。
そんな姿を見ると、
「生まれたときから才能が決まっているのでは?」
「自分には向いていないのかも」
「才能がないなら、続けても意味がないのかな」
と思ってしまうことがあります。
確かに、人には生まれつきの違いがあります。
でも、その違いだけで、将来できることのすべてが決まるのでしょうか。
今回は、生まれつき持っている特徴と、経験によって育つ力を分けながら、才能について考えていきます。
「最初から上手な人は、才能がある人?」
教室では、雨脳ネコネコが動画を見ながら驚いていました。
画面に映っているのは、小さなころから楽器を演奏している人です。
難しそうな曲を、軽やかに演奏しています。
雨脳ネコネコ / Unou Neconeco
「すごい……。こんなに上手なら、きっと生まれつきの天才だよね」
オール・ドメディア / Owl Dmedia
「どうして、そう思ったの?」
雨脳ネコネコ
「だって、小さいころから上手なんだよ」
「やっぱり才能がある人は、最初から違うんだよ」
オール・ドメディアは、動画の説明欄を指しました。
そこには、その人が幼いころから何年も練習してきたことが書かれていました。
オール・ドメディア
「生まれつき得意だった部分も、あるかもしれないね」
「でも、この演奏には、何年分の練習も重なっているみたいだよ」
雨脳ネコネコ
「じゃあ、今見えている上手さが、全部生まれつきとは限らないの?」
オール・ドメディア
「うん。完成した姿だけでは、どこまでが生まれつきで、どこからが経験なのかは分からないんだ」
生まれつきの違いは、たしかにある
才能について考えるとき、生まれつきの違いを無視する必要はありません。
人には、それぞれ異なる特徴があります。
たとえば、
音の違いに気づきやすい
身体を動かすことが得意
記憶することが得意
細かい部分を観察しやすい
人の気持ちに気づきやすい
好奇心が強い
長い時間、一つのことへ集中しやすい
といった違いがあります。
身長や骨格、身体の動かしやすさなども、一人ひとり同じではありません。
そのため、同じことを同じ日に始めても、最初の上達速度が違う場合があります。
雨脳ネコネコ
「やっぱり、生まれつき得意な人はいるんだね」
オール・ドメディア
「いると思うよ。でも、それは将来の結果が全部決まっている、という意味ではないんだ」
生まれつきの特徴は、スタート地点に影響することがあります。
しかし、スタート地点とゴールは同じではありません。
最初に少し得意でも、練習しなければ伸びにくいことがあります。
最初は苦手でも、方法を工夫しながら続けることで、大きく成長することもあります。

才能は「種」のようなもの
このコースでは、才能を完成した能力ではなく、育つ可能性を持った種として考えます。
種は、置いておくだけでは大きな木になりません。
水をあげる。
太陽の光を当てる。
土を整える。
成長に合った場所を選ぶ。
時間をかけて見守る。
才能も、それと少し似ています。
生まれつき持っている特徴があっても、それを使う経験がなければ、自分でも気づけないことがあります。
反対に、最初は目立った得意がなくても、何度も取り組むことで、力が育っていくことがあります。
たとえば、人前で話すこと。
最初から緊張せずに話せる人もいます。
一方で、最初は声が震えてしまう人もいます。
しかし、
短い自己紹介から始める
原稿を準備する
少人数の前で練習する
話している様子を録画する
上手な人の話し方を観察する
といった経験を重ねることで、少しずつ話せるようになることがあります。
その人が後から「話す才能がある」と言われても、その力の中には多くの経験が含まれているかもしれません。
才能には、環境も関係する
才能は、本人の中だけで育つものではありません。
どのような環境にいるかも大きく関係します。
絵を描く道具が身近にあった。
家族が音楽を好きだった。
質問できる先生と出会った。
挑戦を応援してくれる友達がいた。
失敗しても、もう一度試せる場所があった。
こうした環境によって、興味を持つきっかけや、続ける機会が増えることがあります。
雨脳ネコネコ
「じゃあ、小さいころから何かを始められた人は、それだけ経験も増えやすいんだね」
オール・ドメディア
「そうだね。早く始めたことが有利になる場合もあるよ」
雨脳ネコネコ
「それなら、今から始める人は遅いの?」
オール・ドメディア
「遅いとは限らないよ。今の自分だから理解できることや、これまでの経験を生かせることもあるからね」
早く始めることだけが、才能を育てる条件ではありません。
大人になってから興味を見つける人もいます。
仕事や失敗、人との出会いをきっかけに、初めて自分の得意へ気づく人もいます。
才能には、決められた発見期限はありません。
「向いていない」と決めるには、まだ早い
何かを一度試して、うまくできなかったとき、
「自分には向いていない」
と決めたくなることがあります。
でも、最初からうまくできないのは、ごく自然なことです。
まだやり方を知らない。
必要な道具に慣れていない。
緊張して本来の力を出せない。
自分に合う方法を見つけていない。
教わる機会がなかった。
こうした理由で、うまくいかない場合もあります。
才能がないのではなく、まだ学び方が合っていないだけかもしれません。
雨脳ネコネコ
「一回できなかっただけで、向いていないと決めていたかも」
オール・ドメディア
「一回目は、才能を判定する時間ではなく、やり方を知る時間だと思ってみよう」
一度の失敗だけで、将来の可能性まで決める必要はありません。
まずは何度か試してみる。
方法を変えてみる。
誰かに聞いてみる。
それでも苦しさが大きいなら、別の分野を探してみる。
才能を見つけるためには、続けることだけでなく、合う場所を探し直すことも大切です。
苦労しないことだけが、才能ではない
才能があるなら、簡単にできるはず。
努力しなくても上手なはず。
そう思われることがあります。
しかし、才能がある分野でも、壁にぶつかることはあります。
好きだからこそ、もっと上手になりたいと悩む。
得意だからこそ、高い目標に挑戦して失敗する。
周囲から期待されて、苦しくなる。
うまくできる人にも、その人なりの悩みがあります。
反対に、苦労しながら身につけたことが、誰かを助ける才能になることもあります。
たとえば、自分が勉強で苦戦した経験がある人は、分からない人の気持ちを理解しやすいかもしれません。
何度も失敗した人だからこそ、初心者へ分かりやすく教えられることがあります。
自分の苦労や遠回りも、未来の強みに変わる可能性があります。
得意なことだけが、才能ではない
才能と聞くと、絵、音楽、スポーツ、勉強など、分かりやすい能力を想像しやすいです。
しかし、才能にはいろいろな形があります。
人の話を最後まで聞ける
困っている人へ気づける
物を丁寧に扱える
決めた時間を守れる
情報を分かりやすく整理できる
同じ作業を落ち着いて続けられる
失敗したあとに戻ってこられる
場の雰囲気を明るくできる
小さな変化に気づける
自分にとって普通にできることは、才能だと気づきにくいものです。
雨脳ネコネコ
「私にとって普通でも、ほかの人には難しいことがあるの?」
オール・ドメディア
「あるよ。だから、自分一人で考えるだけでなく、人に聞いてみるのもおすすめなんだ」
「私の得意なところって、どこだと思う?」
と、家族や友達に聞いてみると、自分では見えていなかった特徴を教えてもらえることがあります。
才能は、一つに決めなくていい
自分の才能を見つけようとすると、
「私は絵の人」
「私はスポーツの人」
「私は勉強の人」
というように、一つへ決めなければならないと思うかもしれません。
でも、人は複数の特徴を持っています。
話を聞く力と、文章を書く力。
観察する力と、絵を描く力。
身体を動かす力と、人を応援する力。
いくつかの力が組み合わさることで、その人だけの強みになることがあります。
たとえば、絵が描けて、難しい内容を分かりやすく説明できるなら、学習漫画や図解を作れるかもしれません。
ゲームが好きで、人と話すことも得意なら、実況やコミュニティづくりに生かせるかもしれません。
一つひとつは特別に見えなくても、組み合わせることで独自性が生まれます。
才能は、一つの大きな能力ではなく、小さな特徴の組み合わせとして見つかることもあります。

生まれつきより、これからどう育てるか
自分の力のどこまでが生まれつきで、どこからが経験なのか。
それを完全に分けることは難しいです。
大切なのは、
「自分に才能があるか」
だけを考え続けることではありません。
今の自分が、
何に興味を持っているか
何を少し続けてみたいか
どんな方法なら取り組みやすいか
誰に教えてもらえそうか
どのような環境なら試せそうか
を考えることです。
雨脳ネコネコ
「生まれつきかどうかを考えているだけでは、才能は育たないんだね」
オール・ドメディア
「そうだね。種を持っているか悩むより、小さく植えてみる方が分かることもあるよ」
今できないことが、未来もできないとは限りません。
今得意なことが、努力しなくても伸び続けるとも限りません。
才能は、固定された答えではなく、経験とともに変化する可能性を持っています。

今回のまとめ
今回の大切なポイントは、次の三つです。
1.人には生まれつきの違いがある
身体や感覚、興味の持ち方などには、一人ひとり違いがあります。
最初の得意不得意に影響することもあります。
2.今見えている能力には、経験も含まれている
練習、環境、出会い、工夫、失敗などが重なり、その人の力になります。
上手な人の完成形だけを見て、すべて生まれつきだと決めることはできません。
3.才能は、これから育てることもできる
興味のあることを試し、自分に合う方法や環境を探すことで、小さな得意が強みに育つ可能性があります。

1分ワーク|自分の「育ってきた力」を探そう
紙やスマートフォンのメモを開いて、次の問いへ答えてみましょう。
① 昔はできなかったけれど、今は少しできること
例:料理、パソコン操作、人前で話す、運動、片づけ
② できるようになるまでに経験したこと
例:繰り返し練習した、誰かに教わった、失敗して方法を変えた
③ これから少し育ててみたい力
例:文章を書く力、絵を描く力、人へ説明する力
できるようになった理由を考えると、自分の中で才能が育ってきた過程が見えてきます。

ミニクイズ
第1問
人には生まれつきの違いがまったくない。
○か、×か?
答え
×です。
身体の特徴や感覚、興味の持ち方などには違いがあります。
ただし、その違いだけで将来のすべてが決まるわけではありません。
第2問
最初にうまくできなければ、その分野には向いていない。
○か、×か?
答え
×です。
最初は、やり方や道具に慣れていないだけかもしれません。
何度か試したり、方法を変えたりすることで成長することがあります。
第3問
才能には、練習や環境、人との出会いも関係する。
○か、×か?
答え
○です。
生まれつきの特徴だけでなく、経験や環境も、その人の力を育てます。
雨脳ネコネコの小さな一歩
講義が終わったあと、ネコネコはノートを開きました。
雨脳ネコネコ
「私は才能があるか、ないかばかり考えていたけど……」
「できるようになったことも、ちゃんとあったかも」
ネコネコは、ノートへ一つ書き込みました。
前より、自分の気持ちを言葉にできるようになった。
オール・ドメディア
「それも、ネコネコが育ててきた大切な力だね」
雨脳ネコネコ
「次は、絵を描く力も少しずつ育ててみる!」
生まれつきの才能を探すだけでなく、これまで育ててきた力に気づく。
そこから、新しい挑戦が始まります。
あなたはどう思いますか?
あなたが以前より少しできるようになったことは、何ですか?
それは、生まれつきできたことではなく、経験や練習によって育ててきた力かもしれません。
自分の中にすでにある成長を、一度振り返ってみてください。

次回予告
次回のテーマは、
講義03「努力で伸びる力」
です。
練習すれば、どんな力でも同じように伸びるのでしょうか。
努力の量だけではなく、方法や振り返りが成長へ与える影響を、一緒に考えていきます。
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