日本の障害者手帳でパリの美術館に無料で入場できる?
タイトルが疑問形になってしまっていますが、結論から先に言ってしまうと、日本(およびその他の外国)で発行された障害者手帳を保持している方は、パリ(およびその他のヨーロッパ諸国)の美術館・博物館・観光施設に無料で入場することができてしまいます。
これって、すごいですよね?
自国の障害者のみならず、外国で発行された障害者手帳を保持している外国人観光客にも美術館や博物館を無料で開放してくれるなんて、ものすごい懐の広さだと思います。しかも、障害者本人のみならず、その付添人1人も無料なのです。
この「日本の障害者手帳があればパリの美術館が無料になる」ことを知らない方は意外と多いようですので、私自身が2025年8月に9泊11日でパリを訪れた時の経験をもとに、こちらにまとめてみます。
障害者手帳保持者の方、もしくはご家族に障害者手帳保持者がいらっしゃる方の参考になれば幸いです!
パリの美術館の入場料
年間1億人の観光客が押し寄せるフランスの首都であるパリには、ルーブル美術館やオルセー美術館など、世界的にも有名な美術館・博物館が数多く存在しています。
一度の滞在で何か所もの美術館に足を運ぶと、入場料もそれなりの金額になってしまいますし、特に円安の今は、かなり辛いものがありますよね。ミュージアムパスを利用する、という手もありますが、ここでは多くの旅行者が一度は足を運ぶであろう、パリにある主要な美術館や観光名所の一般入場料を参考までに羅列してみます。
施設によっては、季節によって料金が変動制になっているところもあるので、私がパリを訪れた2025年8月の料金で統一しました。また、下記の施設はすべて、今回のパリ旅行で訪れた場所ばかりになります。
ルーブル美術館 22ユーロ
オルセー美術館 16ユーロ
オランジュリー美術館 12.5ユーロ
ポンピドゥーセンター 15ユーロ
フォンダシオンルイヴィトン美術館 16ユーロ
ヴェルサイユ宮殿 32ユーロ
ピカソ美術館 16ユーロ
凱旋門 22ユーロ
一度の滞在で複数の美術館や観光施設を訪れると、入場料のトータルがけっこう高額になることがおわかりいただけたかと思います。
我が家の場合、夫婦(大人2人)と娘(18歳未満の未成年1人)の3人で旅行したので、もし上記の美術館・観光名所すべてに通常料金で入場していたら、トータルの金額は大人2人で303ユーロになっていました(18歳未満の未成年者はもともと無料)。
美術館の中では、ルーブル美術館が22ユーロ、と他の美術館に比べて少し高いですが、2026年1月以降、30ユーロに値上げすることが決まっています。ますます高くなりますね・・・。

障害者資格で入場する際に必要なもの
障害者資格を利用する形で無料入場する際は、日本(もしくはその他の国)で発行された障害者手帳が必要です。もちろん原本で、コピーは不可です。
それと、日本語で書かれている障害者手帳をパリで現地の係員の人に見せても判読できないため、その内容を英語かフランス語に翻訳したものも必要です。
お住まいの自治体の役所の福祉課で英文の証明書を発行してもらえる場合もありますが、もし発行してもらえなかったり、出発前に役所に行く時間がない場合は、自分で翻訳し、それをプリントアウトしたものがあれば大丈夫です。
私は聴覚障害があって補聴器を使用しており、韓国と日本の両国で障害者手帳を発行してもらっているのですが、今回は韓国の役所で英文の証明書を発行してもらい、それを障害者手帳と一緒に持ち歩き、美術館の入り口で提示しました。
ほとんどの場所では障害者手帳さえ見せればそのまま入場させてもらえましたが、中には英文の証明書と照らし合わせる形でガッツリとチェックをされたところもあるので、やはり翻訳は用意しておいた方が安心だと思います。
ちなみにガッツリとチェックが入ったのはオランジュリー美術館と凱旋門でしたが、施設による違いではなく、その時に受付にいた係員の方によっての違いだと思いますので、この情報はあくまでも参考程度にして下さい。
障害者資格で入場する場合でも予約は必要?
これは私のケースになりますが、どの美術館も観光施設も事前の予約は一切必要ありませんでした。当日、美術館なり観光施設なりに直接向かい、待ち時間ゼロで入場することが可能でした。
大切なことなのでもう一度言いますが、待ち時間ゼロです。
時は金なり、という言葉もありますが、それでなくても現地での滞在日数が限られている旅行中は、もちろんお金も大切ですが、それよりも時間というリソースがより大切になってきます。
通常、予約なしで人気がある美術館などに行くと、入り口の前に長い長い行列ができていることが常で、その列の最後尾につくと、入場できるまでかなりの待ち時間を要することになります。
障害者手帳があれば、思い立ったタイミングで美術館に行き、入り口近くでセキュリティの人にチラリと見せさえすれば、そのまま脇のドアからサッと中に招き入れられてしまいます。
身体障害者手帳を保有している、というだけの単なる一外国人旅行者に過ぎないのに、
「自分って、もしかしたらすごい VIP だったのかしら?」
と、一瞬勘違いをしてしまいそうになるくらいの厚遇です。
ただ、私たち一家の場合は3人全員が無料での入場が可能だったため(障害者1人+障害者の付き添い1人+18歳未満の未成年者)予約なしでサッと中に入ることができましたが、同行者の中に通常料金で入場する人が含まれている場合は、事前予約をしておく必要があるかもしれません。
あのモナリザも至近距離での鑑賞ができる
パリの美術館の代表格であると言っても過言ではないルーブル美術館。
ルーブルを訪れる大多数の人々の目的はモナリザ、と断言しても、これまた過言ではないだけあって、他の部屋の人口密度はさほど大したことがないのに、モナリザが展示されている部屋だけは本当にすごいことになっています。

上の写真だと、人々が無秩序に絵を取り囲んでいるように見えますが、実際には絵の前に何重にもなった長い列が構成されていて、その列が少しずつ少しずつ動き、次第に最前列に押し出されていくようになっています。
最前列の前にはロープが張られていて、そのロープとモナリザとの距離は10メートル弱といったところでしょうか?
実際にこの部屋に到着するまで知らなかったのですが、実はここでも障害者手帳が威力を発揮します。
なんと、わざわざ列に並んだりせず、スタスタと脇の通路を通ってモナリザの絵の両サイドに立っているセキュリティガードの人に障害者手帳を見せれば、いつでも至近距離からモナリザを拝ませてもらえるのです。
どのくらい至近距離かというと、列の最前列のロープよりもっとずっと絵の近く、絵を取り囲むように設置されている木製の手すりの位置まで接近することが許されています。
正確な距離は測っていないので不明だけど、体感的には2メートル弱といったところでしょうか?

30年以上前にパリを訪れた時に初めてこのモナリザを目にした時は「意外と小さいな」という感想を抱き、パリ旅行後に人に会う度に、
「モナリザが小さくてびっくりした」
と話した記憶があるのですが、今回あらためて眺めてみたところ、思っていたほど小さくはありませんでした。
少なくとも、自分の記憶の中にあったサイズよりはずっと大きかったです。前回は遠くから見ることしかできなかったため、実際よりも小さく感じられていた可能性がありますね。
まとめ
そんなわけですので、日本(もしくは他の国)で発行された障害者手帳をお持ちの方は、パリに行かれる際に必ず
障害者手帳
その記載内容を英語かフランス語に翻訳した紙
の2点を忘れずにご持参下さい。
ほとんどの美術館や観光名所に無料で入場することができる上、待ち時間も発生しないため、お金と時間の節約になります。
また、ちょっと余談ですが、パリの美術館等は報道関係者も無料で入場することが可能なので、新聞社、テレビ局、通信社など、マスコミ関係の仕事をされている方は写真付きの社員証を忘れずに!
