見出し画像

【せりふ三題噺】自分は、多分かっこいい

自分は、多分かっこいいんだと思う。
小さい頃から「将来有望だね」とチヤホヤされて育ったし、新しい環境に入るたび、思い知らされる。

顔が、中身を蝕んでいることを。

同い年でこの顔をしている男は、フレンチレストランに女の子を連れて行って、その“顔の特権”を楽しんでいるんだろう。

自分は毎日、ドアの前に置き配を頼む。

もし自信があれば、
「チップ代わりにこの顔でどうぞ」くらいの軽さで、あのドアを開けられるんだろうが、
こわい。

コンビニでさえ、行く気が起きない。

最初は大学で一コマ受けようと思っていた。
「今日はここまでにしよう」 というテープは、最初は大学のあたりに貼られていたはずなのに、気づけば家のドアの手前まで下がってきていた。

どうせ、
「顔の無駄遣い」
「顔面が可哀想」
そんな中身だと言われてきた自分だ。

知らない人に勝手に失望されるのは、もう本当に勘弁だ。

殻だけ綺麗な卵の中身は、
どうしても、薄汚れた“キミ”でしかない。

自分には推しがいる。
VTuberの白雪うさぎちゃんだ。

うさぴょんは否定しないし、期待もしない。

うさぴょんを推すことで向けられる社会の目も知っている。
推しの話をしただけで、勝手に近づいてきた女に、何度罵詈雑言を浴びせられたことか。

でも、うさぴょんは違う。

画面越しに、まっすぐ見て言ってくれる。
心が大事だと。
中身が大事だと。

だから虚構の皮をかぶって、希望をこちら側に見せてくれている。

皮肉骨髄。
骨髄だけでいい。
キミだけでいい。



人格バーチャル移行プログラム実験
被験応募者 No.2272019312 のメモより

#せりふ三題噺
#置き配コンビニ雪うさぎ


我ながら謎作品すぎる
もはやホラーみたいなとこある

いいなと思ったら応援しよう!