【SB】ワイルド・ブラッド:第2章 5 嵐の覚醒
▼前回▼
「うるさい」
奥の部屋から銀次が出てきた。
「我の眠を妨げるのは、誰だ? お前か⁈」
銀次が手を伸ばすと、プリティーイエティーが派手に吹き飛ばされる。
「聖魔様〜〜〜!」
プリティーイエティー、ダウン?
「ふん」
めちゃくちゃ機嫌悪そうに、銀次は牙を見た。
「聖魔?」
銀次は嘲笑う。
だが、意外とタフに、プリティーイエティーが立ち上がった。
「……そうですわ。流星雨の夜に、星の力を浴びて誕生なさった奇跡の聖魔様です。
さぁ、聖魔様! スクロールでちゃちゃっと覚醒して、銀次を倒しましょう!」
「い、いや、その……」
気まずげに牙は言う。
「スクロール、ないんだ……」
「ええぇ! どういうことですの⁈」
プリティーイエティーが身を固くして驚く。
牙はいきなり駆け出した。
「でえぇぇい! こなくそ! 先手必勝!」
牙にしては珍しく、早い。
「グローブぱーんち!
……と、見せかけて、魔剣包丁乱れ斬り! あーんどジャンピング下突き!」
「なんだそれ〜⁈」
全て避け、
「 チッ」
舌打ちすると、銀次は跳躍し、美紅に肉迫する。
「ねーちゃん!」
その手のひらを美紅に向ける。
「汚ねえぞ!」
「グ、ググググ!」
「汚いのはどっちだ! そんな12年も前のアーティファクトなぞ、隠し持っていたとはな!」
銀次は美紅を見た。
「この小娘の命が惜しくば……む?」
その碧い瞳が見開かれる。
「その三角巾姿!
娘、おまえ、よく見ると……」
「な、なによ?」
「……似ている……」
「は?」
「エプロンは?」
「は?」
「このメガネ邪魔だな」
銀次は、美紅から眼鏡を奪った。
そして、真面目なかっこいい顔で言う。
「娘よ、我のものになれ!」
「はい⁈
何言ってるのよ、誰があんたみたいなお子様に。てか、メガネ返して! ダテだけど」
「━━ならば!」
銀次の体が光り輝く。
……次の瞬間、銀次はな、ななんと!
青年になっていた。
銀髪に碧眼。白いマントから覗く肢体が、いつもとは違い、細く長い……。
「これで、いいだろう?」
美紅の頬が見る見る朱に染まる。
ただの青年ではなかった。━━超絶美青年だった。
▼次回▼
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