UFOを見た夜
あれは、夏の終わりの夜だった。
宿題も終わらず、なんとなく外に出たくなって、家の前の坂道まで歩いた。
空気はまだ少しだけ暑くて、でも風だけはやけに冷たかった。
空を見上げると、星がいつもより多く見えた。
その中に、ひとつだけ「おかしい光」があった。
最初は飛行機だと思った。
でも違った。
音がしない。
光だけが、ゆっくりと動いている。
左右にブレるわけでもなく、
まっすぐでもなく、
まるで「何かを探している」みたいな動きだった。
その瞬間、なぜか体が固まった。
怖いというより、「見てはいけないものを見ている」感じだった。
数秒後、その光は急に止まった。
そして一瞬だけ、強く光った。
次の瞬間。
消えた。
跡形もなく、空から消えた。
「え?」と声が出た時には、もう空は普通の星空に戻っていた。
ただひとつだけ違ったのは、
自分の胸がずっと速く動いていたこと。
家に戻ってからも、あの光のことが頭から離れなかった。
あれは本当にUFOだったのか。
それとも、ただの見間違いだったのか。
でも一番怖いのはそこじゃない。
あの夜以来、たまに空を見上げると、
またあの光が出てくるんじゃないかと思ってしまうことだった。
そして今日も、無意識に空を見てしまう自分がいる。
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