時計の作り方が、どこにも載ってなかったから、自分で始めてみた話
できへんかもしれん、って思いながらも。
「それでもやってみる」ことから始まった話。
僕の話を見て、誰かが、何かに一歩ふみ出すきっかけになれたら、うれしいなと思います。
マニュアルのない場所から、僕の時計作りは始まった。
時計の専門学校に入ったけれど、そこで教えてくれたのは「修理」のことばかりだった。
もちろん、入学前にはわかってはいた。
分解、洗浄、組立て。
もちろん、時計を扱ううえで大事な知識ではあるし、それはロジックに学びたかった。
でも──
「作りたい」僕にとって、それは“スタート地点にすら立てていない”感覚だった。
「作り方」は、どこにも載ってなかった
ネットで検索しても、答えなんて出てこない。
というか、最初からなんとなく分かってた。
“時計の作り方なんて、ネットに載ってるわけないやろな”って。
だから、独立時計師のSNSや海外の職人の投稿を片っ端から読み漁った。
写り込んだ工具や、断片的に出てくる単語。
それらをヒントに、少しずつ探りを入れていった。
「ロマン」だけじゃ、どうにもならん
見えてきたのは、時計作りに必要な要素の多さだった。
金属加工、切削、硬度、材料工学、工作機械、etc。
そこには、物理や工業的な知識ががっつり関わっていて、
「ロマン」や「想い」だけではどうにもならない世界があった。
──「結局、自分にできるんやろか」
不安はずっとあったけど、それでも“作ってみたい”という気持ちだけは、ずっと消えへんかった。
だから、“やってみる”しかなかった
知識も、経験も、なかった。
でもそれ以上に「どうしても作ってみたい」という気持ちが強かった。
だから、とにかく始めてみることにした。
まず買ったのは、学生時代に使っていた小さな時計旋盤。
穴あけのために、高速回転できる安価なボール盤も用意した。
材料を買って、削ってみて、失敗して、またやり直して。
何が正解かも分からないまま、手を動かしていた。
「これ、ほんまに完成までいけるんやろか…」
夜中、机の前で手が止まることもあった。
でも、それでも手を動かしている時間だけは、不思議と楽しかった。
少しずつ「形」が見えてくるたびに、
「やっぱり、自分は時計が好きなんやな」
そう、思えるようになった。
今思えば
最初よくあの工具だけでやろうと思ったな。
そんな風に、ちょっと笑えてくる。
(まあ当時は、必死やったけど。)
🔗 次回へつづく
次は、その「最初の一本」ができるまでの、
試行錯誤と失敗と、少しの成功の話です。
▼ 完成したモデルの紹介


現在は、外装と文字盤を中心に、一本ずつ手作業で時計を作っています。ブランド名は「Veralltet(フェラルテット)」といいます。
完成したモデルは、BASEにて販売しています。
ご興味のある方は、ぜひ覗いてみてください。
▶︎ Veralltet オンラインショップはこちら→ https://veralltet.base.shop
制作の裏話や、試作の記録などはInstagramでも投稿しています。
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