縁のあるものは指先にもくっついてくる
数年前、代官山蚤の市に初めて行った。
混み始める前の、おそらくオープン直後の時間。
T-Siteに着いてすぐの、TSUTAYAの前にある店から、ざーっと眺めながら歩いていた。小物が並べてある台を見ていたら、名刺大くらいの小さな写真立てがたくさん、古い箱の中に縦に入れられていた。
アンティークはお高いのでなかなか手が出ないが、古い素敵な写真立てなんか撮影にも使えそうと思って、なにげなく1つを引き抜いた。
そうしたら、その中に入っていた写真はアッシジのサン・ルフィーノ聖堂の聖フランチェスコ像で、思わず笑ってしまった。
たくさんある店の中の、この店の台の上の、箱の中に入っているものを適当に引き抜いたら、自分が好きだった彫刻の写真が入っていた、という確率って、どのくらいのものなんだろう。
その時は、アッシジのことはたまにしか思い出さず、今度いつ行けるかということもほとんど考えることはなかったのに、縁のあるものは指にもくっついてくるんだ、と思った。
見出し画像のポストカードは、アッシジの古い文房具屋で買ったもの。
私がいた当時、丘の上の旧市街にはちゃんとした文房具屋も本屋もほとんど無かった。広場にある、お土産にいいような立派なステーショナリーの店では普段使いの安いノートやペンなどは置いていない。
ただ一軒、ずっと昔からあるんだろうな、と思うような古い店が通りにあって、子供むけの絵本だとか、ちょっとした文具とか、古くて色褪せたポストカードなどが置いてあった。
その中に、サン・ルフィーノ聖堂の聖フランチェスコ像のカードがあった。聖キアーラの像のほうが好きだけど、それは無くて、せっかくなのでフランチェスコのを買っておいたのだ。
別のときには、語学学校用のノートを買いに行った。でも、自分で選べるような品揃えはなくて、「ノートありますか?」と聞いたら、おばちゃんがカウンターの後ろから1冊、ほい!と出してきた。A4よりも一回りでっかい、中学生が使うような柄のノートで、それを買うしかなかった。
あのおばちゃん(いや、おばあちゃんだったかも)、もういないのかもなぁ。。ぼんやりとした夢のような記憶の中にあるその店も、きっともう無い。
代官山の写真立ては、買わなかった。
でもそのうち、フランスあたりの古くて小さな写真立ては、ひとつくらい欲しいと思っている。それもきっと、縁があれば指先にくっついてくると思う。
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サン・ルフィーノ聖堂の聖フランチェスコ像については、きのうの投稿でご紹介しています。
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